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2001年10月20日号

■百貨店=都心に人口回帰・来客急増・売上好調

 日本百貨店協会は、東京地区百貨店の9月の売上高が前年同月比2.4%増となり、4か月連続して前年実績を上回ったと発表した。
 都心部を中心に大手百貨店が好調な背景には、都心部への人口回帰傾向が背景にある。都心の千代田区、中央区、港区の3区内の人口は、ここ5年間で5.9%も増加した。地価の下落で同地区内の昨年のマンション分譲戸数は、5年前に比べ9.7倍にあたる4095戸も増加した。三越日本橋本店の周辺20キロ圏内からの来店客数は、99年9月に比べ11%も増えたうえ、店頭の売上高も22か月連続で前年実績を上回った。都心部への人口回帰傾向による店頭売上高の増加は、三越だけにとどまらず伊勢丹も前年実績を13か月連続してプラス、小田急も9か月連続、松屋も7か月連続してプラスを記録した。各百貨店は人口回帰を追い風に、増床・改装など設備投資をいっせいに加速させ、業績向上を目指す積極策を展開し始めた。

■テロ影響=輸出一段の減少・景気下押し懸念

 日銀は、10月の金融経済月報で、景気の総合判断に関して<米国同時テロの発生を契機に、景気の先行きに対する不透明感が一段と高まっている>との表現を新たに盛り込み、9月月報より景気判断を下方修正した。下方修正は5か月連続となった。
 テロの影響で、海外経済の一段の減速が避けられない情勢となり、輸出関連企業が先行きに対する警戒感を強めていることが、下方修正の主因とした。このほか個人消費について<やや弱めの指標が増えている>として、さらに弱まった認識を示した。
 景気の見通しについては、同時テロの影響が尾を引くとして<輸出の一段の減少が景気を下押しする懸念が強まっている>とした。

■首相・財務相も追認=マイナス成長やむを得ない

 竹中経済財政担当大臣は記者会見で、今年1月に閣議決定した01年度の政府経済見通しは実質1.7%の成長を見込んでいたが、今年度に入ってテロ、大手スーパーの倒産、狂牛病の発生などで景気がさらに冷え込んだとして、政府経済見通しをマイナス1%程度に下方修正する方針であることを明らかにした。
 景気を引っ張ってきたIT関連の落ち込みなどで、4-6月期の実質成長率は前期比マイナス0.8%と大幅に悪化した。その後、米国の同時テロ、大手スーパー・マイカルの倒産、狂牛病の発生などが追い打ちをかけ、個人消費が冷え込み、設備投資も減速感が強まっている。これらを背景に、竹中大臣は<大変厳しい状況で、修正後の成長率は民間予測とそう違わないイメージを持っている>と、今年度はマイナス1%前後になるとの見通しを示した。
 日本国内の主な民間シンクタンク10社の予測を平均すると、今年度の経済成長率はマイナス0.9%となっている。また、IMFは9月に<日本は景気後退に入っている可能性が高い>として、今年の成長率予想を4月時点より1.1ポイント下方修正してマイナス0.5%としていた。また、世界銀行も、すでに日本は景気後退に陥っているとし、2001年の伸び率をマイナス0.8%と予測していた。

■今冬ボーナス=過去10年で最低に官民格差開く

 みずほ証券の今年冬のボーナス予測によると、企業収益の悪化や厳しい雇用情勢の影響で、1人当たりの平均支給額は、従業員5人以上の民間企業で、前年比3.0減の45万8000円と、過去10年で最低になると見通した。とくに従業員30人未満の中小・零細企業は、同3.9%減の32万4000円とマイナス幅が大きい。
 一方、公務員は、同1.9%減の82万3000円と小幅な減少にとどまり、民間と比較すると1.8倍の支給額となる、ボーナスの官民格差は36万5000円で、前年の36万7000円とほぼ同じとなった。
 世界的な景気減速による企業収益の悪化や厳しさを増す雇用情勢の影響を受けて、民間企業は5年連続、公務員は3年連続して前年実績を下回るとした。同証券は、米同時テロなどによる企業マインドの悪化、失業率の上昇、物価の下落などを挙げており、<年末のボーナスは厳しいと覚悟せざるを得ない>とした。

■半導体市場規模ピーク時の5分の1に

 日本半導体製造装置協会は、8月の輸出を含む日本製半導体製造装置の受注額が前年同月比73.5%減の521億3900万円にとどまり、8か月連続して前年同月割れになったと発表した。
 販売額も、同46.8%減の727億8100万円で、4か月連続の前年同月割れとなった。同協会では<依然として受注の落ち込みが続いており、回復は当分見込めない>とした。
 一方、民間調査会社のガートナージャパンは、2001年の世界市場の半導体DRAM出荷が前年比67%減の105億ドルと、急激に縮小すると予測した。
 また、2002年も同19.2%減の85億ドルと、2年連続の減少になるとした。これを出荷がピークだった95年と比べると2002年の市場規模は5分の1に縮小することになる。同社では、不況に耐えられない企業も出てくるとし、<業績悪化を引き金にして業界再編の可能性がある>とした。

■携帯電話=NECシェアトップ・1人勝ち

 マルチメディア総合研究所は、今年度上半期4-9月の携帯電話の国内出荷台数が前年上半期より5.6%増の2408万台になったと発表した。
 前年上半期は19%増だったが、携帯電話の人口普及率が5割を超えて需要が一巡したうえ、次世代携帯電話の普及が遅れたことなどで、伸び率は大幅に鈍化した。
 上半期のメーカー別シェアは、1位がNECで前年同期より一気に6ポイント増やして29.4%、2位は松下通信工業の25.6%で首位の座から転落した。3位は三菱電機で12.1%、4位がシャ-プで7.8%、5位がソニーで6.6%と、軒並みシェアを落とした。6位には山洋電機が入った。NECが1人勝ちでシェアを伸ばした要因は、電子メールなどが見やすい大画面の折りたたみ型製品が人気を呼んだためだ。

2001年10月05日号

■IT不況・テロ・米経済回復遅れ=日本経済低迷長期化

 日銀が発表した9月の短観で、指標となる大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数DIはマイナス33となり、6月調査から17ポイント悪化した。これで大企業・製造業の景況感は、3月、6月調査に続いて3期連続しての悪化となった。
 大企業・非製造業のDIは、前回調査より4ポイント低いマイナス17と落ち込んだ。中小企業のDIは、製造業が前回比10ポイント低いマイナス47、非製造業は同6ポイント低い37と、ともに99年3月以来の低い水準となった。
 今後、12月にかけての先行き判断DIは、大企業・製造業でマイナス31と、今回調査比で2ポイント改善すると見通した。
先行き判断指数は、6月調査時点では、アメリカ経済の早期回復に期待を寄せ、輸出産業を中心に日本経済が上向きになるとしていた。しかし、9月短観で大企業・製造業の輸出の売上高見通しは、6月短観より7.8ポイントも下方修正するなど、米国景気の回復の遅れを懸念していた企業が多かったことを示している。ただ、今回調査の対象企業8749社の中には、9月11日の米国の同時多発テロ以前に回答した企業も多かった。テロの打撃で米国経済の回復が半年程度遅れ、来年7-9月期以降と予想されることから、米経済に連動する日本経済の先行き見通しは、より悪化する可能性が出てきた。

■期末株価=半年で25%下落・決算に悪影響

 9月中間決算を行う企業が保有株式の含み損益を算出する基準となる期末株価は、今年は9月28日の東京株式市場の終値で決まった。
当日の東証株価指数TOPIXの終値は1023.42となり、今年3月期末より約20%低い水準で取引を終えた。日経平均株価の終値も9774円68銭と、3月末より25%も下落した。
 日本企業の場合、通常互いに株式の持ち合いが慣習となっているため、保有株の銘柄構成によっては、多くの企業が株式含み損に転落し、株式評価損の計上を迫られることとなった。

■大手銀行経営圧迫・融資先選別を懸念

 期末株価下落は、株式を大量に保有する銀行や生命保険会社の経営に大きな影響を与え、銀行大手行のなかには、9月中間決算の連結損益が赤字に転落し、中間配当を見送る銀行が相次ぎそうだという。
JPモルガン証券の試算では、銀行大手15行の含み損の総額は約4兆7000億円に達すると見られている。
 三菱東京フィナンシャル・グループは、簿価ベースで約6兆円の持ち合い株式があり、中間期で4170億円もの株式評価損を計上することになった。また、第一勧銀、富士銀、日本興銀などの持ち株会社みずほホールディングスは、保有株の価格が簿価より5割以上下がった株式について、簿価と時価との差額1700億円を費用として計上、損失処理する<強制評価減>を導入した。このほかの大手行でも、数百億円から2000億円規模の評価損が出た模様だ。

■事業会社=29業種中24業種含み損に転落

 期末株価が1万円割れして中間決算を迎えた事業会社の影響について、大和総研が推計した。金融・保険を除く東証一部・二部上場の3月期決算を行う企業約1500社が保有する株式の含み損益は、合計で2兆4000億円の含み損に転落した模様だ。
 今年3月末には、6兆4400億円の含み益だったから、上場企業の株式資産の内容は、半年間で8兆8000億円も悪化した。
 業種別では、今年3月には含み損となった業種は無かったが、9月末の推計では、29業種中24業種が含み損に転落した。
自動車など輸送用機器は、3月末に6300億円あった含み益から、9月末時点には3200億円の含み損となった。電機も6200億円の含み益から2400億円の含み損に変わった。トータルで含み益を維持した業種は、金属製品、海運、食料品など5業種だったが、それぞれ3月末より含み益は大幅に減少した。

■テロ・株安対策=日米とも市場資金潤沢に供給

 政府・日銀が9月中に断続的に東京、ニューヨーク、欧州の各外国為替市場で、為替介入した結果、外国為替資金特別会計の国から民間への支払い超過額が2兆2633億円に達したことが分かった。
 財務省は、金額の大部分が為替介入の結果と認めた。9月中に17日から28日までの間に計7日間に介入を行ったが、具体的な介入規模は明らかにしていなかった。
 これにともない、日銀は米国テロ事件後、緊急対応として金融市場への資金供給を大幅に拡大し、銀行などの日銀当座預金残高を8兆円程度に保ってきた。しかし今回、介入資金を金融市場調節で吸収せず、市場に放置したことから、当座預金残高の見込み額を10兆9000億円とした。この結果、通常の金融調節としては、異例の大量資金供給となった。
 一方、米国はテロ事件で景気後退が確実になったとして、減税や追加財政支出など総額750億ドル規模の総合経済対策を策定する方針だ。テロ事件直後の緊急支出として400億ドル、航空業界への支援策として150億ドルも合わせると、1000億ドルを超える財政出動となる。

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