日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2001年12月20日号

■日銀短観=マイナス指数過去最悪時に接近

 日本銀行が発表した企業短期経済観測調査で、大企業製造業の業況判断指数(業況が「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業を差し引いた割合DI)は、全15業種すべてがマイナスとなり、前回9月調査時から5ポイント悪化しマイナス38で、4期連続悪化し、99年3月の-47以来のマイナス幅となった。
 大企業非製造業の業況判断指数もマイナス22と、前回調査時から5ポイント悪化し2期連続悪化し、99年9月の-23以来のマイナス幅となった。
 中小企業製造業の業況判断DIはマイマス49で4期連続悪化し、99年3月の-53以来のマイナス幅、非製造業はマイナス39と4期連続悪化し、98年12月の-43以来のマイナス幅となった。この結果、大企業製造業・非製造業、中小企業製造業・非製造業の4つが2期連続でそろって悪化した。
 先行き3月予測では、大企業製造業が前回調査同様に小幅改善を見込んでいる以外は、大企業非製造業が2期連続の悪化予測、中小企業製造業・非製造業がそれぞれ5期連続の悪化予測となっている。このうち、中小企業非製造業は-7ポイントの悪化予測となっており、これは、97年12月の-8ポイント悪化以来の悪化幅となった。

■経常黒字=2か月連続増も貿易収支26%減

 財務省が発表した2001年10月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字は前年同月比14.0%増の8651億円と、2か月連続で前年を上回った。貿易黒字は16か月連続で減少したものの、外国債券の利子受け取りなど所得収支の黒字が増えた。
 貿易収支は26.6%減の6285億円の黒字で、世界経済の減速を受けた輸出の減少が響いた。サービス収支には9月の米同時テロの影響が表れた。出国者数が前年同月比で4割減ったことで、旅行収支の赤字が大幅に縮小した。
ただ、保険会社が大きな保険リスクを分散する再保険の料金高騰で保険収支の赤字は477億円と、過去最大の赤字幅を記録した。一方、所得収支は53.3%増の8046億円の黒字で、15カ月連続で前年を上回った。
同時に発表した2001年上半期の主要地域別の経常収支では、対アジアの黒字が 54.6%減の8713億円。対米国は1.4%増の4兆7716億円、対欧州連合(EU)は18.8%減の1兆6654億円の黒字となった。

■塩爺提言=景気刺激効果大でも党税調拒否か

 塩川正十郎財務相は記者会見で、景気刺激効果が高い減税措置として「住宅関連だ。住宅に贈与する場合は緩和してほしい」と述べ、親から子に住宅資金を贈与する場合に税負担を軽減することが景気対策として有効だとの考えを示した。
 財務相は住宅資金について、現在550万円まで非課税で贈与できる贈与税の特例措置を総額6000万円に拡充することを自民党税制調査会に提案しているが、自民党税調内では反対意見が強いという。

■12月月例報告=景気<一段と>削除も悪化続行

 竹中経済財政担当相は、12月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出し、景気の現状について「悪化を続けている」との見方を示し、基調判断を2カ月ぶりに据え置いた。
 企業収益や物価の判断は下方修正したが、全体の景気認識を変えるには至らないと判断した。先行きについては米同時テロに関する記述を削除、米経済の早期回復に期待感をにじませた。
 11月の月例報告は「景気は一段と悪化している」としていた。内閣府は<一段と>という表現を続けると、景気の悪化が加速していると受け取られかねないとして、表現から削除したが、景気判断は前月から据え置いた。
 個別項目で判断を下方修正したのは、企業収益で、7-9月期の法人企業統計で電気機械などの経常利益が大幅に減少したことを受けて、前月まで「減少している」としていた企業収益を「製造業を中心に大幅に減少している」に変更した。また物価についても、デフレ傾向を映して国内卸売物価は「下落幅をやや拡大している」とし、前月の「弱含んでいる」から下方修正した。

■上半期=対日直接投資・19%減1兆5000億円

 財務省は、2001年4-9月期の外国企業による対日直接投資実績が1兆5358億円だったと発表した。
 過去最高を記録した前年同期より19%減少したものの、半期では2番目の高水準となった。世界的な企業再編の動きが続くなか、米国系金融機関や欧州の通信会社による日本企業への出資が目立ったためだ。
 業種別で見ると、通信業が前年同期比9.5%増の7948億円で最も多く、金融・保険業が40.6%減の4552億円で続いた。英国の通信会社ボーダフォンによる日本テレコムへの出資などがあり、通信、証券業の二業種で投資額全体の8割を占めた。
 1999年度には4割を超えていた製造業の割合は、1割未満まで落ち込んだ。国際的に見て高水準にある人件費や自由化の遅れ、さらに、国内の割高な電気・通信料金などが、海外製造業の日本進出の足かせとなっている。

2001年12月5日号

■2次補正=景気・改革推進公共投資で編成

 政府は、2001年度第2次補正予算案を編成する方針を決めた。国費支出(真水)は2兆5000億円、地方負担を含む事業規模は4兆円とする。
米同時テロ後に高まったデフレスパイラル懸念に配慮した<緊急対応プログラム>と位置づけ、需要創出による景気の下支えを狙う。12月20日をめどに内容を決定し、来年1月下旬召集予定の通常国会に提出、冒頭処理する考えだ。
 2次補正の内容は、都市再生<羽田空港、中部國際空港の機能強化、道路渋滞対策など>。科学技術<低消費電力ディスプレイなど>。少子高齢化<歩道や駅のバリアフリーなど>。IT関連<電子カルテ導入ほか>などが対象事業で、首相が掲げる重点7分野に関連した「改革推進公共投資」に限定する。道路建設など一般公共事業に国費ベースで約1兆5000億円、研究施設や保育所・介護施設の整備など施設費に約1兆円をそれぞれ配分する。運営費など経常的経費や特殊法人への支出は認めない。
 竹中平蔵経済財政担当相は閣議後の記者会見で「通年ベースで(国内総生産の)1%近い需要の押し上げ効果がある」との見通しを示した。

■10月=出国者・旅券発行件数過去最大減

 10月に観光や商用で出国した日本人は推計で、前年同月を39.9%下回る91万5000人にとどまり、テロが発生した9月に続き2か月連続で前年同月を下回った。
 下落幅は、湾岸戦争のあった91年2月の36.1%を上回る過去最大となった。調査した國際観光振興会では、米同時テロ後、旅客機の減便や運休が拡大していることに加え、再度の航空機テロを警戒して海外旅行のキャンセルが相次いだほか、企業も海外出張を自粛する動きが加速したと説明した。また、来日する外国人数も、推計で同11%減の39万5000人と前年実績を下回った。
 一方、外務省領事移住部のまとめによると、今年9月以降に旅券パスポートの発行件数は、9月が前年同月比66.7%減の29万8051件で、テロが起きた翌10月には前年の41万4172件を55%余下回る18万4318件にとどまった。

■来年4月=派遣社員の健保組合設立

 日本人材派遣協会は、厚生労働省の認可を受け派遣社員が加入するための健康保険組合を来年4月1日に設立すると発表した。
 派遣社員は働いている間は派遣元の健康保険などに加入するが、派遣が終わると自営業者らの国民健康保険に移る必要がある。手続きが面倒で無保険になる人も多かった。新たな健保組合では、派遣と派遣の間の空白期間も継続して加入することが可能になる。「人材派遣健康保険組合」は複数の企業が集まって設立する総合健保組合で、当初は人材派遣協会加盟の357社のうち約60社が参加、およそ10万人が加入すると見込んでいる。保険料は加入者の月収の8%(これを労使折半)を予定している。
 この健保組合に加入した派遣社員は空白期間が1週間程度の短期間であれば、雇用関係が継続していると見なして加入を続けることができる。空白がこれよりも長くなる人の場合は、本人が事業主分も含めた保険料を全額支払って任意で加入を継続する道もある。ただし空白期間が1か月以内であれば保険料を軽減する。

■OECD=米経済・来年半ばに再び回復

 経済協力開発機構(OECD)は、米国経済に関する審査報告のなかで、米経済は2002年半ばには再び回復に向かうとの見通しを発表した。
 ただし、消費の減退や企業の設備投資の落ち込みなど、景気の足を引っ張る不安要素は多く、2002年通年の実質国内総生産(GDP)成長率は0.75%を下回り、3%台への回復は2003年以降になるとした。
 報告は、米景気がハイテク株バブルの終息などを受け、2000年後半から減速し始め、今年9月の同時テロで一気に後退に転じたと指摘した。7年間続いた高成長は<激しい落ち込みに直面した>と位置づけ、今年後半と来年前半のマイナス成長は避けられず、世界経済への影響も大きいとした。
 金融緩和や減税など一連の景気刺激策を評価する一方、<後退リスクがぬぐえない場合は一段の利下げが必要>と分析。回復軌道に乗った時点ではインフレを避けるため、直ちに金融政策を<中立的>に戻すべきだとした。

■携帯電話=本年下方修正も来年は需要上向く

 携帯電話製造世界最大手ノキア(フィンランド)は、2001年の業界全体の携帯電話販売見通しを3億8000万台に下方修正した。
 2000年の販売実績は約4億1300万台だった。これに対しノキアは、10月の7-9月期決算発表時には2001年予測値を、前年比約8%減少の3億9000万台と予想していたが、わずか1か月余りで一段と需要が鈍化するとし、再修正した。
 2002年の世界全体の携帯電話市場については、新機種の投入効果もあり4億2000万台―4億4000万台に需要が上向くと予想した。
 ノキア単独では、2002年は前年比15%の売上高の増加を見込む。世界市場での同社シェアを現在の3割強から4割に引き上げる目標は変更しない。

■来年度実施=地方選電子投票法が成立

 地方自治体の首長や議員の選挙に、コンピューターを使った電子投票を導入できるようにする<電磁的記録式投票特例法>が参院本会議で可決、成立した。
 電子投票は投票結果を瞬時に集計できることから、開票作業の大幅な簡素化につながると期待されている。
 導入する市町村は、首長・議会選挙を電子投票で実施することを条例で定める。有権者は投票所に設置した電子投票機で投票。結果を記録したフロッピーディスクなどは開票所に運ばれ集計される。
 総務省によると、岡山県新見市、高知市、広島市などが導入に意欲を示しており、早ければ来年度にも実施される見通しだ。

BACK   HOME   INDEX   NEXT