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2002年7月20日号

■月例報告=上方修正「一部に持ち直しの動き」

 竹中経済財政担当相は、7月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出し、景気の現状については「依然厳しい状況にあるが、一部に持ち直しの動きがみられる」との判断を示し、2か月ぶりに基調判断を上方修正した。
 内閣府は、7月の基調判断で日本経済が厳しい状況にあることを指摘しながら、前月までの「底入れしている」という表現を「一部に持ち直しの動き」と修正し、「景気全体ではないが、企業部門などの一部に持ち直しがみられる」とした。
 アジア向けを中心に輸出が大幅に増加し、生産活動に持ち直しの動きが広がったためで、需要項目別でも、輸出や生産、設備投資、公共投資などの各項目で判断を引き上げた。設備投資は、先行指標である機械受注などの統計を踏まえて「先行きについて下げ止まりの兆しもみられる」と判断。公共投資では2001年度の第二次補正予算の効果が出ていると指摘した。

■景気動向指数=5月一致指数改定値100%

 内閣府が発表した5月の景気動向指数(改定値)は、景気の現状を示す一致指数が100%となり、景気判断の分かれ目である50%を4か月連続で上回った。
 内閣府は、一致指数について「改善している」との評価を示し、景気動向に関しては「変化した可能性もある」と指摘、速報段階での見方を変えなかった。
 また5-6か月先の景気動向を示す先行指数は90.0%と、速報値の89.9%から上方修正された。
 景気動向指数は、各指数を構成するすべての経済指標のうち、3か月前に比べ改善した指標が占める割合で表す。指数が50%を超えると景気は上向きと判断される。一致指数は、速報段階で指数を構成する9指標のすべてが改善していたうえ、今回新たに加わった稼働率指数(製造業)もプラスだった。6月も「50%を上回る可能性は強い」(内閣府)という。

■日銀=全体としてほぼ下げ止まりと修正

 日銀は7月の金融経済月報で、前月の「下げ止まりに向けた動きがみられる」から「全体としてほぼ下げ止まっている」に改め、景気の総括判断を5か月連続で上方修正した。
 総括判断を上方修正したのは、5月の貿易統計や鉱工業生産の結果を受け、輸出や生産面の明るさが増していることが確認できたためと、日銀の6月短観で、企業の景況感改善の動きが中小企業にまで広がってきたことから、判断を前進させた。
 ただ、世界的な株安やドル安などで輸出環境に不透明感が増している点を考慮し、景気の先行きについては「下げ止まりが明確になっていく」と、ほぼ横ばいで推移するとし、慎重な姿勢を維持した。同時に、最近の世界的な株安、ドル安が実体経済に悪影響を及ぼす可能性に対して警戒感を示した。
 一方、最終需要については慎重な見方を続けた。設備投資は「引き続き減少している」、個人消費も「全体として弱めの動きが続いている」として、それぞれ前月の判断を据え置いた。

■ペイオフ対応=預金口座分散地銀120行連携

 あおぞら銀行は、全国の地方銀行や第二地方銀行と共同で、預金者が一つの銀行で手続きするだけで、他の銀行にも定期預金口座を開設できるサービスを実施する方針を明らかにした。
 預金分散サービスは、地銀や第二地銀が、他行の預金受け入れができる代理店契約を互いに結び、あおぞら銀が預金のデータ管理や、預金残高の通知など、顧客サービスを代行する。すでに一部の地銀と具体的な協議を進めており、すべての地銀・第二地銀、約120行に参加を呼びかけ、来年前半にもサービスを開始したいという。
 仮に1000万円を10行に分散して預金すれば、1億円までは全額保護される。地域金融機関から大手銀行への預金流出に歯止めをかける手段として注目を集めそう。
 簡単な窓口の手続きで、預金口座を多数の銀行に分散できるようにすることで、大規模マンションの管理組合や法人など、億円単位の資金を抱える預金者の預金分散ニーズにこたえる狙いがある。

■投資対GDP比・欧米並みに

 塩川正十郎財務相は衆院財務金融委員会で、公共投資について「10年後には国内総生産(GDP)に占める比率を、欧米並みの2-3%の水準にしたい」と述べた。
 公共投資額のGDP比は2000年度で5.1%。財務相発言は、これを10年間で半分にする考えを示したものだ。財務省は2003年度予算編成で、公共投資を今年度に比べて10%以上削減することを目指している。
 欧米諸国の公共投資のGDP比は、英国が最も低く1.4%(1996年度)。米国(1.9%、97年度)、ドイツ(2.0%、同)、フランス(2.8%、同)など、2-3%の範囲内だ。
 財務相は、公共投資を削減する理由として「地方選挙をみても公共投資に対する考え方は変わっている」と指摘。「国民は財政負担がどうなるかがわかっており、いずれは欧米諸国がやっているような平均的な状態になる」と語った。

■5月稼働率指数・伸び率過去最大

 経済産業省が発表した5月の鉱工業生産動向(確報)によると、製造工業の生産設備がどれだけ動いているかを示す稼働率指数(1995年=100、季節調整値)は94.6と前月比3.8%上昇し、過去最大の伸び率となった。
 稼働率指数は前年同月比でも0.2%の上昇。2000年12月以来、1年5か月ぶりにプラスに転じた。マイナス幅が12.5%まで広がった昨年12月を底に稼働率が改善している。輸出の好調が主因だが、このところアジア各国・地域で在庫が増え始めたこともあり、「先行きは依然不透明」との慎重な見方もある。
 経産省は「生産の回復はあくまでも輸出主導」として、その輸出の先行きについては不透明な要素が多い。アジア各国・地域の4月の在庫指数をみると、韓国は前月比2.4%増と9か月ぶりに上昇。台湾でも電気・電子部品が1.6%増と6か月ぶりにプラスに転じた。アジアでの在庫積み増しが一巡し、日本からの輸出が減速すれば、再び稼働率の低下につながるとの懸念がある。

2002年7月5日号

■海外現地法人=4-9月期増収を見込む

 経済産業省が発表した日本企業の海外現地法人の動向調査によると、4-9月に増収を見込む企業が急速に増えている。
 今後の半年間(4-9月)に売上高が増えると答えた企業の割合から、減ると答えた企業の割合を差し引いた指数(DI)は、3月調査よりも20.2ポイント高い29.1に急上昇した。上昇幅は98年度に現行の調査方法に変更以来、最大幅となった。
 地域別の売上高見通しは、北米、欧州、アジアなどすべての地域で指数が改善していて、とくに中国が9割を占める「中国・その他アジア地域」の現地法人は1-3月に売上高、従業員数、設備投資額の実績が前年同期比ですべて増加し、4-6月も売上高、従業員数がさらに増えると見通した。
 業種別でも「食料品・たばこ」を除く、全業種で売上高見通しが上向いた。

■大企業、中小企業の景況感軒並み好転

 日本銀行は6月短観を発表し、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業・製造業で、前回3月調査よりも20ポイント改善しマイナス18と、1年9か月ぶりに改善し、改善幅は過去最大となった。
 大企業・非製造業も同6ポイント改善のマイナス16で、大企業は製造業、非製造業ともに2000年9月調査以来、七期ぶりに指数が改善した。中小企業は、製造業が同10ポイント改善のマイナス41、非製造業も同5ポイント改善のマイナス37と、ともに6期ぶりに改善した。
 大企業・製造業では、半導体市況や輸出の回復を背景に、電気機械が前回より41ポイント改善してマイナス18と、過去最大の改善幅を記録した。精密機械も26ポイント改善、鉄鋼も23ポイント改善、化学も19ポイント改善するなど、製造業15業種中、指数が悪化したのは石油・石炭製品だけだった。
 大企業・非製造業は、小売りが14ポイント改善しプラス1となったほか、運輸が12ポイント改善するなど、9業種中、建設を除く8業種が改善または横ばいだった。
 中小企業も、製造業は全業種でマイナス幅が縮小、電気機械、自動車、非鉄金属など15業種中、8業種が10ポイント以上の改善となった。非製造業も、通信が24ポイント改善してプラス31となるなど、建設以外は、すべて改善か、横ばいだった。

■外来語乱用歯止め・美しい日本語活用

 遠山文部科学相は、官庁の公用文書や社会一般での外来語・外国語の乱用に歯止めをかけ、「伝統的な美しい日本語」を維持するため、7月中に有識者による委員会を設置する方針を明らかにした。
 国語審議会答申で、必ずしも一般の理解が進んでいない外来語として、パソコンのハードウエア、バリアフリーなどは注釈を付けること。アカウンタビリティー(説明責任)、イノベーション(革新)などは「言い換えた方が分かりやすい」と指摘していた。小泉首相も最近、「公文書などにカタカナの使用が多すぎる。外来語を安易に使いすぎるのではないか」と述べ、文科省に対応策の検討を指示していた。
 委員会は今年末にも、外来語を日本語に適切に言い換える事例集を作成し、冊子などで幅広く普及を図る考えだ。「外来語に代わる美しい日本語の提案」を目標に掲げ、言い換え事例集や注釈を付けた方が好ましい外来語などを半年に1回程度、定期的に提言する。

■内外価格差=デフレで縮小・ゴルフ映画は割高

 内閣府は、東京と欧米5都市などの主要な消費財・サービスの価格を比べた2001年内外価格差調査を公表した。調査は昨年11月時点で38品目の消費財やサービスの価格について実施した。それによると、東京でのブレンド米の価格が約4000円に対して、NYでは約2000円、ロンドンでは約3200円、パリでは約3800円。
 長袖のワイシャツは東京の約4800円に対し、ニューヨークは円換算で約5900円。ロンドンやベルリンに比べると高いが、ニューヨークより2割ほど安い。
 ゴルフ料金は東京では約1万4700円だが、ニューヨークは2500円、ロンドンは約4500円、パリ約4000円。
 ビール1缶では東京の約200円に対し、NYでは約80円、ロンドンでは約200円、パリでは約120円だった。発泡酒をビールとして対比するともう少し下がる。
 ガソリン1リットルの価格は東京の106円に対し、NY約40円、ロンドン約120円、パリ約110円で、NY以外の都市対比ではあまり違わない。
 ティッシュペーパー(5箱)は東京の約340円に対し、NY約900円、ロンドン約2400円、パリ約960円。
 映画の観覧料は東京の1800円に対し、シンガポールは約400円、パリは約800円。
 内閣府は「円安要因を除いても価格差は縮小傾向にある」(国民生活局)と指摘したうえで、「デフレの影響が考えられる」と分析した。

■鉱工業生産=92年以来の大幅伸び記録

 経済産業省が発表した5月の鉱工業生産動向(速報)によると、生産指数(1995年=100、季節調整値)は、前月比3.9%上昇の96.6と4か月連続プラスで、1992年9月(4.2%上昇)以来の大幅な伸びを記録した。
 在庫調整の進展と電子部品などの輸出が好調だったためだが、同省は「依然、最終需要動向が不透明」として、生産の基調判断を前月の「持ち直しの動き」のまま据え置いた。そのうえで、今後の動向も「注視する必要がある」と慎重な見方を示した。
 最も生産が増えた業種は電気機械だった。電子部品のアジア向け輸出が好調だったうえ、パソコンの夏モデルの発売を控えた増産が寄与した。輸送機械も自動車の北米向け輸出が堅調を保ち、大幅な伸びとなった。
 在庫指数は前月より0.2%上昇の88.9。夏に向け、エアコンや冷蔵庫の積み増しがあった。前年同月比でみた在庫指数は11.2%の低下で、過去最大のマイナスとなった。

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