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2002年8月20日号

■上期経常黒字=過去2番目の規模2年ぶり拡大

 財務省が発表した2002年上半期の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字は、前年同期比51.9%増の7兆9275億円となり、半期ベースで4期ぶりに黒字幅が拡大した。
 世界的な景気回復傾向を背景に対アジアを中心に輸出が伸びた一方、内需低迷で輸入が減少し貿易黒字が大幅に拡大したこと、サービス収支の赤字幅が縮小したことなどが主因だ。黒字額の規模は、半期ベースでみると1998年下半期の7兆9849億円に次ぐ過去2番目の高水準となった。
 貿易黒字額は同38.8%増の5兆8386億円と7期ぶりに拡大。輸出はアジア向けが堅調で同1.0%増の24兆0432億円と3期ぶりに増加。一方、輸入は内需低迷による石油製品などの大幅減で同7.1%減の18兆2046億円と2期連続で前年を下回った。
 一方、モノ以外の取引の収支を示すサービス収支の赤字は、3623億円縮小して2兆3772億円。所得収支は、日本の金融機関が海外の株式や債券への投資を積極的に進めて配当金が増加したことなどから、4兆5668億円の黒字となり、黒字幅は3292億円に拡大した。

■経済報告=世界経済一層の先行き不透明感

 竹中経済財政担当相は8月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出し、景気の先行きについて、株安やドル安で「世界経済の先行き不透明感が一層高まっている」と指摘、前月よりも強い表現で警戒感を示した。景気の現状については「依然厳しい状況にあるが、一部に持ち直しの動きがみられる」との基調判断は据え置いた。
 8月の月例報告について内閣府は「足元では大きな変化はないが、先行きのリスクが高まっている」と説明。世界的な株安や消費者心理の悪化で米国経済に先行き不安が出ており、輸出に依存する日本経済にとって「最終需要が下押しされる懸念がある」と指摘した。さらに円高・ドル安の進行も不安材料に挙げた。
 足元の景気については「横ばいか、わずかな上向き」(内閣府)と分析、回復基調にあるとの判断は崩さなかった。輸出の判断は前月と同じく「大幅に増加」とし、企業の景況感も「全体として改善がみられる」と指摘。輸出と生産の好転が経済全体に波及するなかで「景気は持ち直しに向かう」との認識を示した。

■7月末=第二地銀の預金残高2.2%減少

 全国銀行協会が発表した7月末の預金残高によると、都市銀行は前年同月末に比べ8.8%増えたのに対し、第二地方銀行は2.2%減った。第二地銀は7か月連続の減少で、減少率は今年最大となった。地方銀行は0.8%増だった。
 今年4月にペイオフの凍結が一部解除されて定期預金が1000万円までしか保護 されなくなったことをきっかけに、地域金融機関の預金者が都銀に定期預金などを移し替える動きが活発になった。こうした預金シフトが一部で続いている。
 預金残高を前月比でみると都銀は0.4%、地銀は1.9%、第二地銀は1.2%と、それぞれ減少した。全銀協は「同じ業態のなかでも銀行によって預金の増減率に差がある」と説明した。

■7月=マネーサプライ資金シフト一服感

 日銀が発表した7月のマネーサプライ(通貨供給量、速報)によると、定期性預金の残高(月中平均)は前年同月比で13.6%減少した。4月のペイオフ解禁を背景に普通預金へのシフトが進み、6月まで9か月連続で減少率が拡大し続けたが、7月は前月に比べ減少率が縮小した。
 定期性預金から流出したマネーの受け皿となった普通預金など、要求払い預金の残高も7月は前年同月比36.6%増と、2002年3月以来の低い伸び率となった。定期性預金から全額保護が続く普通預金などへの資金移動が一服した形だ。ただ、日銀は「こうした資金移動の流れが変わったとは断定できない」と説明している。特に7月末、政府が当座預金など決済預金を恒久的に全額保護する方向で検討に入っており、定期性預金から要求払い預金への資金シフトが再び加速する可能性もある。要求払い預金は当座預金なども含んでいる。

■IMF指摘=日本経済の構造改革待ったなし

 国際通貨基金(IMF)は、日本経済に関する2002年の年次審査報告書を発表し「構造改革を進めなければ、回復基調が短期的にとどまる」と指摘、経済の構造改革の重要性を強調すると同時に、日本銀行に量的な金融緩和の拡大を求めた。
 2002年の日本の国内総生産(GDP)の実質成長率については、4月時点の予想から0.5ポイント上方修正し、マイナス0.5%と予測した。デフレの浸透や雇用情勢の不透明感などから、修正も小幅にとどめた格好だ。来年は、世界経済の持ち直しを背景に1.1%成長を予測している。
 報告では、日本の景気の現状について、輸出主導で回復傾向が見え始めたことを評価しつつ「依然として相当な下振れ懸念がある」と指摘した。その上で、不良債権処理が足かせとなっている金融部門の立ち直りが、景気回復のカギを握ると強調した。
 「銀行や企業の根深い構造問題に、迅速かつ、総合的に取り組む」必要性があると指摘、日本の構造改革が待ったなしの状況になっているとの見解を明らかにした。報告は、金融庁の大手金融機関に対する特別検査は評価しているが「検査を地域金融機関や中小金融機関まで拡大することが重要だ」との認識も示した。
 日銀が現在、実施している量的金融緩和策については、限定的な効果しか上げておらず「最近の円高によってデフレが加速する恐れがあり、もう一段の量的緩和が必要」と分析した。さらに、IMFの理事の一部から、中期的には一定の物価水準に目標を合わせて金融政策を運営する緩やかな「インフレ・ターゲット」の導入を求める意見が出たことにも言及した。

■総世帯=消費支出2年半ぶり1.1%増

 総務省が発表した2002年上半期(1-6月)の家計調査によると、総世帯の1人当たりの月平均消費支出(速報ベース)は10万0976円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比1.1%増と2年半ぶりにプラスに転じた。単身世帯の消費支出も、同2.7%増の17万0662円となった。
 同省は、「前年大きく落ち込んだ反動が一因。先行きには依然不透明感が強い」(消費統計課)とみている。

2002年8月5日号

■ペイオフ全面凍結解除・一部見直しか

 小泉首相は、柳沢金融相を官邸に呼び、来年4月に予定されているペイオフ(破たん金融機関からの預金払い戻し保証額を元本1000万円とその利息に限る措置)の全面凍結解除について、金融の決済機能が揺らぐことがないよう万全の方策を検討するよう指示した。
 首相は、「構造改革としてのペイオフは実施する。この基本は揺るがない」と述べ、ペイオフを予定通り実施するとの政府見解を改めて強調した。その上で、「決済システムが危うくなるようなことはあってはならない。そのための方策を早急に検討し、必要な改革案を取りまとめて欲しい」と述べ、金融機関の口座引き落としや振替、振り込みなどを行う決済機能の安定を指示した。
 これを受けて金融庁は、金融審議会(首相の諮問機関)を開き、解禁に向け首相が指示した決済機能安定化策の検討を急ぐことを確認した。当座預金などの決済性預金の全額保護継続については、今秋に具体策を答申する見通しで、金融庁はこの全額保護を恒久的な措置とする方向で検討する。具体策のまとめ案に、企業間の決済に使う当座預金の全額保護や、個人向けの決済性預金創設などが浮上しており、首相が強調してきたペイオフ全面凍結解除の方針は事実上、一部見直されることになる。

■常用労働者数=過去最大減・残業時間は連続増

 厚生労働省が発表した6月の毎月勤労統計調査によると、従業員5人以上の事業所で働く正社員などの常用労働者総数は前年同月比で0.6%減った。このうち製造業は4.9%の減少で、いずれも過去最大の減少率となった。
 常用労働者は1998年9月から減り続けているが、ここに来て企業の人減らしが加速した。現金給与総額は前年同月比3.7%減の46万8018円と、14か月連続で減少した。
 また、昨年度の企業業績の悪化を背景に、夏の賞与(ボーナス)の一部が反映される特別給与は6.6%減った。
 物価の下落を上回るペースで賃金の低下が続いているため、物価変動を加味した実質賃金は前年同月を2.9%下回り、1999年6月(3.6%減)以来の落ち込みとなった。
 足元の景気動向を反映する製造業の所定外労働時間(残業時間)は、生産の増加を反映し、前年同月比3.5%増と2か月連続して改善した。従業員30人以上の企業に限ると4.8%増の高い伸びを示し、情報技術(IT)関連の大手がけん引役となって労働時間が増えている。

■6月=工作機械受注額前年比17.1%減

 日本工作機械工業会が発表した6月の工作機械の受注総額は、前年同月比17.1%減の557億9100万円となり、15か月連続で前年実績を下回った。
 内需は同17.8%減の279億4200万円で15か月連続減少。外需は同16.4%減の278億4900万円と14か月連続で減少した。
 同時に発表した2002年上半期(1-6月累計)の受注総額は前年比29.5%減の3206億4700万円となった。うち内需は同30.6%減の1630億4200万円、外需は同28.3%減の1576億500万円だった。。

■鉱工業生産低下も基調判断は上方修正

 経済産業省が発表した6月の鉱工業生産動向によると、生産指数(1995年=100、季節調整値)は前月比0.7%低下の96.1と、1月以来5か月ぶりに下落した。
 ただし、2002年第2四半期(4-6月)の生産指数が前期比3.6%の大幅上昇となったことなどから、同省は生産の基調判断を前月までの「持ち直しの動き」から「緩やかながら上昇傾向」に上方修正した。
 6月の生産が減少に転じた主な原因は、5月が前月比4.1%と大幅に増加したことに伴う反動とした。業種別では、パソコンや半導体など電気機械工業の落ち込みが大きかった。5月に夏向けモデルの生産が伸びたパソコンの反動減があったほか、電話会社向けの生産が増えていた電子交換機の受注が一段落した。乗用車など輸送機械工業も低下した。乗用車の北米向け輸出は依然として好調だが、国内販売はメーカー各社が前月に新型車を投入した反動もあって引き続き低迷した。
 一方、合成ゴムやポリエチレンなど化学工業は上昇。輸出用の生産が伸びた半導体製造装置など一般機械工業も微増した。

■ボーナス=大手平均76万9千円2年ぶり減

 日本経団連がまとめた今夏のボーナス(賞与・一時金)最終集計によると、大手221社の夏の賞与平均額(各労働組合員1人あたりの加重平均)は昨夏より1.02%減の76万9564円にとどまり、2年ぶりのマイナスとなった。
 製造業は0.65%減の74万4427円、非製造業は1.81%減の81万7948円。業種別では業績好調の自動車(7.42%増)や造船(4.20%増)など4業種以外はすべてマイナスとなり、鉄鋼(17.62%減)と繊維(12.03%減)の2業種では、二ケタのマイナスとなった。
 一方、同日まとまった今春闘の妥結結果の最終集計によると、従業員500人未満の中小企業612社の平均賃上げ率は前年より0.47ポイント低い1.27%で、5年連続で過去最低水準を更新した。企業の規模別では100人未満が1.02%、100人以上300人未満が1.18%、300人以上500人未満が1.40%と、規模が小さいほど伸び率も低い。

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