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2002年10月20日号

■日銀月報=不良債権処理影響警戒「株価注視」

 日銀は、10月の金融経済月報を発表した。景気の現状を「全体として下げ止まっている」とし、判断は3か月連続で据え置いた。さらに加えて「世界経済を巡る不透明感の強さもあって、回復へのはっきりした動きは見られない」と表現し、景気回復の弱さを指摘した。
 とくに、最近の株価の動きを「かなりの下落」と表現した。日銀が月報で株価注視を表明するのは、昨年8月以来1年2か月ぶりのことだ。さらに、今後の金融機関の不良債権処理が「株価や経済にどのような影響を及ぼすか注視する必要がある」と指摘して、処理加速のマイナス面の影響(株価に与える影響)などを注意深く見ていく姿勢を強調した。
 日銀は、株価下落などを受け「信用力の低い企業に銀行が貸出姿勢を慎重化させている」としたうえで、信用格差が企業の借り入れや債券発行を通じた資金調達にマイナスの影響を与えないかどうか見ていく考えを示した。

■東京株終値10日=バブル後最安値8439円62銭

 10日の東京株式市場は、午後に入って下落幅は縮小したものの、日経平均の終値は同99円72銭安の8439円62銭、TOPIXは同8.68ポイント低い835.61となり、終値でバブル崩壊後の最安値となった。
 不良債権処理加速に伴う国内の景気悪化懸念や、前日のニューヨーク市場の株価急落による不安感などから全面安の展開となった。日経平均株価(225種)は一時、前日終値比342円12銭安の8197円22銭、東証株価指数(TOPIX)も同29.59ポイント低い814.70まで下落し、取引時間中のバブル崩壊後の最安値を連日で更新した。
 日経平均の終値が8500円を下回ったのは1983年6月9日(8468円12銭)以来、19年4か月ぶりだ。9月30日の小泉改造内閣発足以降、10日までの9営業日で、日経平均は943円67銭値下がりした。第1部の出来高は約8億8900万株だった。

■上期倒産=3年ぶり減少も戦後4番目の高水準

 民間信用調査機関の帝国データバンクは、今年度上半期(4-9月)の全国の企業倒産(負債額1000万円以上)状況を発表した。倒産件数は前年同期比0.2%減の9642件と、3年ぶりに減少したが、上半期としては戦後4番目の高水準だった。負債総額は同15.2%減の6兆1449億円と大幅に減ったが、戦後5番目の水準となった。
 業種別では、サービス業が同7.1%増の1075件、運輸・通信業が同15.7%増の420件と大幅に増えて、ともに過去最高。一方、建設業が同1.7%減の2977件、不動産業も同13.0%減の302件と減少した。倒産のうち、上場企業は、大日本土木、ニコニコ堂など13件に達し、上半期としては2000年度(8件)を上回り、過去最悪だった。
 同時に発表した9月の倒産は、件数が前年同月比3.4%減の1514件、負債総額は同72.7%減の8179億円だった。昨年9月にマイカルの大型倒産があった反動で、負債総額は大幅に減ったが、9月としては戦後4番目だった。

■ボーナス民間=前年比4.5%減の43万円予想

 みずほ証券が発表した2002年冬のボーナス予想調査によると、今冬の1人当たり支給額は、事業所規模5人以上の民間企業の平均で約43万円となる見通しだ。
 ハイテクバブルの崩壊や米同時多発テロなどで、大幅に落ち込んだ昨年冬より悪化して、4.5%減と下落幅は過去最大となる。今年度の企業収益は、主に人件費削減効果で持ち直しているのが現状で、雇用者への分配は期待薄と分析した。冬場以降の個人消費の悪影響を懸念している。
 支給月数は、昨年より縮小して1.16か月にとどまる見通し(昨年は1.20か月)。民間の支給対象者数は3756万人と、前年より2.2%減少すると予想。支給総額は6.6%少ない約16.3兆円になりそう。失業率の上昇などで常勤雇用者が減っているうえ、常勤雇用者に対する支給者割合も低下するとした。

■月例報告=「環境は厳しさ増す」9月より後退

 竹中平蔵経済財政・金融担当相は、10月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気判断で景気の現状については「引き続き一部に緩やかな持ち直しの動きがみられるものの、環境は厳しさを増している」とし、「一部に持ち直しの動き」としていた9月の表現をやや後退させた。ただ、持ち直しの動きが雇用や企業収益に広がっているとして、基調判断は3か月連続で据え置いた。
 先行きに関しては、日経平均株価がバブル後最安値を更新するなど株安が進行し、米国経済に対する懸念も強まっていることを受けて、「環境は厳しさを増している」と警戒感を強め、先行きへの警戒感を一段と強めた。内閣府は「環境は9月よりさらに厳しくなっている、最終需要が下押しされる懸念が強まりつつある」とした。
 項目別に見ると、景気を支えている輸出は、9月の「アジア向けを中心に増加している」から「増加テンポが緩やかになっている」に下方修正。生産は判断を据え置いたものの、「緩やかな持ち直しが続いている」とした。雇用は「雇用者数が下げ止まる」から「雇用者数に緩やかに持ち直す動きがみられる」と上方修正した。企業収益も「横ばい」から「改善の兆しがみられる」に引き上げた。

■9月都銀=貸出残7.5%減・預金残高6.6%増

 日銀が発表した9月の貸し出し・資金吸収動向によると、銀行(都銀、地銀、第2地銀、信用金庫を含む)の平均貸出残高は前年同月比4.7%減の483兆4416億円と、21か月連続で減少した。うち都市銀行の貸出平均残高は同7.5%減となった。減少幅は、2か月ぶりに減少幅が拡大した。
 一方、全国銀行協会は、9月末の全国銀行預金・貸出金速報を発表した。小切手などを差し引いた実質預金の残高は、都市銀行(7行)が前年同月比6.6%増の221兆8501億円、地方銀行(64行)は同0.3%増の178兆1361億円、第二地方銀行(56行)は1.2%減の56兆1440億円となった。

2002年10月5日号

■3日株価終値9000円割れ19年ぶり

 3日の東京株式市場で、日経平均株価は4日間続落、前日比112円90銭(1.25%)安の8936円43銭と、前日に続き、バブル経済崩壊後の安値を更新し、9000円の大台を割り込んだ。終値での9000円割れは1983年8月12日(8920円82銭)以来、19年ぶりに9000円の節目を終値で下回った。
 不良債権処理の抜本策を検討する竹中平蔵経済財政・金融担当相の特別プロジェクトチームのメンバーが正式に決まり、政府の取り組みが本格化する中、企業の整理・統合に伴う景気下振れリスクへの警戒感が強まった。結果、改めて不良債権処理の加速に伴う目先のデフレ圧力に警戒感が一挙に広がった。
 東証株価指数(TOPIX)も4日続落。前日比9.64(1.08%)安の883.59と、1984年12月13日(879.63)以来、18年ぶりの安値を付けた。

■9月短観・景況感改善テンポに陰り

 日銀が発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でマイナス14となった。輸出・生産が引き続き堅調なのを反映して6月調査から4ポイント上昇と2期連続で改善したが、20ポイント上昇した前回と比べると改善テンポに陰りがみられた。
 大企業・非製造業は3ポイント上昇のマイナス13と、2期連続で改善したものの小幅上昇にとどまった。中小企業は、製造業が4ポイント上昇のマイナス37だった。非製造業は1ポイント悪化のマイナス38となり2期ぶりに悪化に転じ、景気回復が足踏みしている実情をうかがわせた。
 中小企業では、製造業は15業種中、自動車や精密機械など9業種が改善したが、非製造業では、9業種中、運輸、建設の2業種の改善にとどまった。
 国内の需要低迷や株価下落に加え、イラク情勢など国際政治の不安定感やアメリカ景気の悪化懸念が根強く、先行き不透明感が強まっているためと見られる。竹中平蔵金融・経済財政担当相は、大企業の業況判断DIの改善幅が前回より縮小したことを踏まえ、景気の現状について、「持ち直しの兆しが見えるが、さまざまな厳しい要因も出てきている」との認識を示した。

■IMF=日本2002年マイナス0.5%成長

 国際通貨基金(IMF)は、最新の世界経済見通しを発表し、日本の実質経済成長率は今年がマイナス0.5%、来年がプラス1.1%になると予測した。
 春時点より上方修正したが、円高や株安、米景気減速などリスクも多いと指摘した。一段と積極的な金融緩和を促し、1年半以内にデフレを解消するよう公約を求めた。
 日本の景気については、輸出に支えられる形で底入れしたとみられると指摘。春の予測よりも今年の成長率を0.5ポイント、来年についても0.3ポイント引き上げた。
 しかし、日本経済の再生を妨げている不良債権問題に改めて強い懸念を表明。すべての銀行の不良債権額を明らかにするとともに、存続が難しい金融機関は市場からの退出を促し、生き残り可能な銀行には場合によって公的資金の資本注入も実施すべきだと強調した。

■国の債務残高・過去最高の627兆円

 財務省は、国債の発行残高や借入金などを合わせた国の債務残高が6月末時点で627兆3900億円と、3月末に比べ3.3%20兆778億円増え、過去最高を更新したと発表した。
 内訳では、国債の発行残高が463兆6417億円と、3月末に比べ15兆4792億円増えた。政府短期証券(FB)は7兆2596億円増の56兆8630億円。借入金は2兆6610億円減り106兆8853億円だった。

■鉱工業生産=2か月連続プラス・判断据え置き

 経済産業省が発表した8月の鉱工業生産動向(速報)によると、生産指数(1995年=100、季節調整済み)は前月比1.6%上昇の98.2で、2か月連続して上昇した。
 生産指数を業種別にみると、大きく上昇したのは電気機械工業。アクティブ型液晶素子などが増加した。
 しかし、同省は、最終需要動向が依然、不透明だとして、基調判断は前月と同じ「緩やかながら上昇傾向」に据え置いた。また、輸出の伸びに支えられてきた生産の伸びが一段と鈍化する懸念が強いため、今後の動向に関しては「注視する必要がある」としている。
 同時に発表した製造工業生産予測調査では、9月が0.4%上昇した後、10月は0.2%上昇すると予測した。
 出荷指数は同3.3%上昇の102.1。在庫指数は同0.9%低下の87.3。在庫率指数は同0.1%上昇の97.7。経産省は「在庫調整はおおむね収束しつつある」とした。

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