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2002年12月20日号

■予算一般歳出=47兆6千億・国債依存最高

 財務省は2003年度予算の財務省原案の骨格を固めた。一般会計の総額は、2002年度当初予算比6000億円増の81兆8000億円程度で、3年ぶりに前年水準を上回る。
 政策的経費である一般歳出は、同1000億円増の47兆6000億円程度で、2年ぶりに前年度比プラスに転じる。
 予算規模の拡大は、社会保障費や国債費の膨張が主な理由で、公共投資関係費や政府開発援助(ODA)など主要経費が縮小しているため、事実上の緊縮型となった。
 歳入は、先行減税やデフレ不況の影響で、前年度当初予算比で5兆円減の41兆8000億円程度に落ち込んだ。87年度(41兆1000億円)以来の低水準だ。日本銀行の国庫納付金など税外収入は同8000億円減の3兆6000億円程度にとどまる。
 この結果、財源不足を補うための国債発行は前年度当初予算比21%増の36兆4000億円程度と大幅に膨らむ。これは当初予算ベースでは、2000年度の32兆6000億円を上回り過去最高で、決算ベースの発行額が過去最高だった99年度の37兆5000億円に迫る。一般会計に占める国債発行の割合である国債依存度も44.5%と、99年度の42.1%(決算ベース)を上回って過去最高になる。

■税制改正=デフレ脱却・個人消費を削ぐ事?

 自民、公明、保守の与党3党は、2003年度税制改正大綱を決定した。デフレ脱却のため、企業の研究開発・設備投資に新たな優遇税制を導入するなど2兆円規模の減税を実施する。一方、増税は酒・たばこの税額引き上げなどにとどめ、差し引きの先行減税総額は約1兆8000億円となる。政府は年明けの通常国会に、法人税法改正案など関連法案を提出する。
 このほか、専業主婦がいる世帯の負担を追加的に軽減する所得税の「配偶者特別控除」(最高38万円)について、2004年1月以降の廃止なども盛り込まれた。所得税がかかる最低水準の年収を示す課税最低限(夫婦子2人のサラリーマン世帯)は、現行の約384万円から325万円に下げる。
 主な減税は、研究開発減税と、IT(情報技術)関連の設備投資減税で、減税総額は約1兆2000億円。土地流通にかかる登録免許税や不動産取得税の大幅軽減なども減税の柱だ。相続税と贈与税を一体化する「相続時精算課税制度」(仮称)を創設し、相続・贈与税の最高税率は70%から50%に引き下げる。
 一方、増税では、たばこを来年7月から1本あたり1円、発泡酒は同5月から1缶(350ミリ・リットル)10円引き上げる。2004年以降の増税では、配偶者特別控除の廃止のほか、消費者が支払った消費税の一部が業者の手元に残る「益税」解消の措置も盛り込んだ。

■個人資産=株安・所得減で1400兆円割れ

 日銀が発表した2002年第3四半期(7-9月)の資金循環速報によると、9月末の個人金融資産残高は前年同期比0.5%減の1392兆3449億円と、5期連続で前年を下回った。1400兆円割れは01年第3四半期以来。景気低迷が長引く中、株価下落や所得減少が響いたとみられている。

■補正予算=真水4兆4000億円GDP0.7%寄与

 政府は、経済対策閣僚会議を開き、今年度補正予算案の具体的な施策を盛り込んだ「改革加速プログラム」を決定した。総事業規模は14兆8000億円で、このうち中小企業対策の融資・保証などを除いた、いわゆる「真水」の事業規模は4兆4000億円(国費ベースでは3兆円)。雇用や中小企業のセーフティーネット(安全網)拡充と、構造改革推進型の公共投資が2本柱となる。
 首相は席上、「構造改革をさらに加速し、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指す」と述べ、補正予算の編成で改革を推進し、日本経済の再生を図る考えを強調した。政府は経済財政諮問会議(議長・首相)に同プログラムを報告する。
 内閣府は、同プログラムの公共投資が実質GDP(国内総生産)を0.7%(名目GDP1.0%)程度押し上げる効果があると試算。雇用者数も9万人程度増加し、失業率は0.1%程度改善すると予測している。

■世銀=来年世界成長率2.5%・日本0.8%

 世界銀行は、年次報告書「世界経済の展望と開発途上国」を公表、この中で2003年の世界全体の実質GDP(国内総生産)成長率予測は2.5%と、02年の1.7%を上回ると予想した。
 ただ、日米欧の株安をはじめとする金融市場の不透明感や、米国の企業不祥事などが、回復の勢いを圧迫していると分析した。
 日本の成長率は、02年はゼロ、03年は0.8%と予想。先月公表した世銀の東アジアに関する半期経済報告の予想から、今年については1.0ポイント上方修正したが、来年の予想はそのままに据え置いた。

■日銀短観=緩やかな改善も先行き不透明感

 日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(12月短観)によると、企業の景況感を示す業況判断DI(「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた指数)は、大企業・製造業がマイナス9となり、前回9月の調査(マイナス14)に比べ5ポイント上昇し、3期連続で改善した。
 大企業・非製造業のDIは、3ポイント低いマイナス16と4期ぶりに悪化した。
 中小企業の業況判断指数は、製造業が4ポイント上昇のマイナス33、非製造業が2ポイント上昇のマイナス36だった。
 大企業・製造業では、木材・木製品、紙・パルプ、化学、食料品が2期ぶりに改善したほか、自動車が2期連続、鉄鋼も4期連続で改善した。しかし、前回調査時に大幅改善を見込んでいた電気機械は、3ポイント低下のマイナス29と2期連続で悪化した。造船・重機も5期ぶりに悪化した。
 大企業・非製造業では、建設、リース、卸売り、通信が悪化に転じた。
 一方、来年3月までの業況判断指数は、大企業・製造業が1ポイント低下のマイナス10と、2001年3月調査時以来、7期ぶりの悪化予想となり、金融機関の不良債権処理が加速するなか、企業の先行き不透明感は確実に増している。

2002年12月5日号

■工作機械受注1年7か月ぶり前年上回る

 日本工作機械工業会(大西匡会長)が発表した10月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比14.1%増の582億円と、1年7か月ぶりに前年水準を上回った。
 大西会長は「前年実績が低すぎる上、10月末に開いた見本市が需要を一時的に押し上げた」と指摘。「先行きに明るさが見えたわけではない」とし、慎重な見方を崩さなかった。
 受注額のうち内需は20.7%増の303億円。外需は7.6%増の279億円だった。内需では、一般機械や自動車、輸送機械など11業種中6業種で前年水準を上回った。外需は、東アジア向けが好調で、米国向けも1年8か月ぶりに前年比プラスに転じた。

■10月=世界半導体出荷前月比1.8%増

 米半導体工業会(SIA)が発表した10月の世界半導体出荷額は、携帯電話機向けの需要の伸びを背景に前年同月比19.9%、前月比1.8%増加した。前年同月比、前月比とも4か月連続の増加となった。
 携帯電話機などに使われるフラッシュメモリー(電気的に一括消去再書き込み可能な半導体メモリー)の出荷額は前月比6.9%増、デジタル信号処理プロセッサー(DSP)は同4.4%増加した。
 国・地域別では、米州は、売上高が前月比0.5%増でほぼ横ばいで、企業の情報技術(IT)投資抑制によるパソコン、サーバーの販売不振が響いた。欧州は、携帯電話端末向けの生産が堅調で同6.2%増と全体の需要を下支えした。日本は同0.8%増。

■製造業残業時間=前年同月比14%増

 厚生労働省が発表した10月の毎月勤労統計調査(速報)によると、製造業の所定外労働時間(残業時間・足元の景気動向を示す一致指数といわれる)は14.4時間と前年同月と比べ14.2%増えた。
 ただ、季節変動の要因を加味した季節調整値は前月比0.6%減と2か月連続で減った。季節調整値の前月比伸び率は9月(0.1%減)と比べても減少幅が拡大しており、輸出の増勢の鈍化などによる生産の落ち込みを反映した形だ。
 全産業の所定外労働時間は前年同月比4.7%増と4か月連続で増えた。現金給与総額の平均は28万4003円と前年同月と比べ0.7%減り、18か月連続で減少した。

■デジカメとプリンター接続・統一規格

 キヤノン、富士写真フイルムなどデジタルカメラとプリンターのメーカー6社は、デジカメとプリンターをつないで画像を印刷するための共通規格を策定した。共通規格は「DPS」(仮称)と名付けた。
 今後、発売される6社のデジカメとプリンターは、メーカーや機種にかかわらず、デジカメから直接プリンターに画像を出力することができるようになる。
 これまでデジカメの画像を、パソコンを介さずにプリンターに出力する技術は業界各社が独自に製品化してきたが、6社は規格を統一して製品の互換性を高め、パソコンを使い慣れない消費者などへのデジカメ、プリンターの普及を図る。

■地上波デジタル免許申請=民放とNHK

 NHKと関東、近畿、中部の民放16社は、2003年末に始める予定の地上波デジタル放送の免許を、12月18日に一斉申請する。
 テレビ朝日の広瀬路貞社長が定例会見で明らかにした。関東地区では、海老沢勝二NHK会長や各民放キー局社長が片山虎之助総務相に申請書を直接手渡す。総務省は4月に予備免許を交付する見通しだ。これを受けて各局は試験放送を始める。

■地域景気=全国的に足踏み感・2地域下方修正

 内閣府は、各地域の景気判断を示す地域経済動向(11月調査)を発表した。全国11地域のうち南関東と近畿で判断を下方修正。北陸は上方修正したが、残る8地域は判断を据え置いた。
 輸出の鈍化で鉱工業生産が横ばいになっている地域が多く、北海道や近畿、中国では個人消費が弱含んでいる。
内閣府は、5月調査は全11地域で、前回8月調査は8地域で、景気判断を上方修正したが、今回は北陸だけ。しかも、大半の地域は「持ち直し」か「下げ止まり」といった判断にとどめ、景気が停滞感を強めているとの認識を示した。
 項目別にみると、鉱工業生産では南関東や中国などの5地域で判断を下方修正した。電気機械の輸出減などが響き、生産は横ばい状態になっており、南関東では海外や地方への生産拠点の移転も目立った。
 個人消費は、北陸で食料品などが伸びたが、近畿や中国では気温要因もあって衣料品の販売が減少した。

■大手銀行=不良債権残高23兆9475億円

 大手銀行7グループ(12行)は、2002年9月中間決算と03年3月期の業績見通しを発表した。
 デフレ経済の進展から新規の不良債権発生が止まらず、9月末の不良債権残高は23兆9475億円で、02年3月末に比べ約10.6%の減少。03年3月期の不良債権処理額(損失額)見通しは合計で3兆1150億円と従来予想に比べ5920億円の増加にとどまった。
 しかし、政府の不良債権処理の加速策である金融再生プログラムの影響を完全に織り込んでおらず、年明けには金融庁の特別検査も実施される予定。不良債権処理拡大と株価低迷で、脆弱(ぜいじゃく)な自己資本が一層減少するのは不可避な情勢だ。下期にかけて、各行は生き残りを懸けて抜本的な経営再建を迫られることになる。

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