日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2003年4月20日号

■4月月例報告=景気「引き続き不透明」

 竹中平蔵経済財政・金融担当相は、4月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出し、景気は「おおむね横ばいだが、引き続き不透明感がみられる」と、基調判断を据え置いた。
 月例報告の判断は「おおむね横ばい」で据え置きだが、前月の基調判断で使った「イラク情勢」という表現は外した。米英軍が全土を掌握し、イラク戦争の短期終結の見通しが強まってきたためだ。イラク戦争は最終局面に入っているが、なお不透明感は残ると指摘したうえ、米国経済の先行きや重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)の影響などにも警戒感を示した。
 記者会見で「不安定な要因が多く、総合的に判断して景気は横ばいだ」との認識を示した。そのうえで「株価に十分に配慮して政策運営をしていきたい」と語った。

■都心オフィス空室率バブル後最高

 東京都心部の3月末のオフィスビル空室率が8.18%とバブル後の最高を更新した。港区汐留や六本木などで大型ビルの開業が相次ぎ、オフィススペースが大量供給される「2003年問題」の影響が表れた。企業のリストラによる事務所縮小や統廃合も加わり、既存ビルの需給が大幅に緩んできた。
 オフィス仲介の三鬼商事(東京・中央)が発表した都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は前月比0.19ポイント、前年同月比では3.18ポイント上昇し、これまでの最高だった1994年12月末の8.08%を上回った。空室率は2001年9月から19か月連続で上昇した。

■日銀=中小企業の資産担保CP購入

 日銀は7、8の両日開いた政策委員会・金融政策決定会合で、中小企業の売掛債権などを裏付けに発行する資産担保コマーシャルペーパー(CP)など資産担保証券を新たに購入する方針を打ち出した。
 金融政策手段として民間資産を買い取るのは初めて。日銀から民間への資金供給経路を広げ、中小企業の資金繰りを容易にするのが狙いだ。
 金融政策の操作目標である日銀当座預金残高は現行の17―22兆円程度に据え置く方針を賛成多数で決めた。イラク戦争の早期終結観測などから市場混乱への不安が一服しており、当座預金目標を拡大する必要はないと判断した。

■パソコン=回復基調3四半期連続プラス

 米ハイテク調査会社IDCが発表した今年1-3月期の世界のパソコン出荷台数は、前年同期比2.1%増の3461万台だった。
 1-3月期は、世界需要の3割強を占める米国の出荷台数が同1.5%増加して、IDCの事前予測(同0.4%減)に反して底堅かった。世界全体の出荷台数伸び率は事前予測(2.0%)を0.1ポイント上回った。
 ただ景気の先行き懸念などを反映して企業の情報技術(IT)投資は依然足踏みを続けており、本格回復にはなお時間がかかると予想される。

■[SARSウイルス]GDP0.09%下押し

 第一生命経済研究所は、新型肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)の影響が、4-6月期の実質国内総生産(GDP)を0.09%下押しすると試算した。
 試算は、@海外旅行の影響A貿易を通じた影響の2点から行った。うち海外旅行について、パックツアーの中止などで、香港や中国、シンガポールへの旅行でキャンセル率が69%になると仮定した結果、4-6月期のGDPを0.03%下げるという。
 世界保健機関(WHO)は、重症急性呼吸器症候群の原因は風邪などを起こす「コロナウイルス」の新種と断定、「SARSウイルス」と命名した。感染者数は3293人、死亡者数は159人と増え続けている。WHOは早急な治療法確立やワクチン開発などに向けて国際協力を加速する。

■携帯電話=8000万台超10人に6人利用

 移動電話の国内加入者数が3月末に8000万台を突破した。日本の人口に占める移動電話普及率は63.7%に達し、10人のうち6人が携帯電話かPHSを利用している。
ただ2002年度の年間増加数は前年度の8割に満たず、普及とともに伸び率の低下が目立ってきた。
 移動電話各社がまとめた携帯電話とPHSの3月末時点の加入者合計は8111万8400台だった。うち携帯電話の加入者は7565万6700台。
 会社別のシェアはNTTドコモが57.9%、KDDIのauが18.5%、J―フォンが18.4%、ツーカーグループが5.0%だった。PHSの加入者は546万1700台だった。
 一方、電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2月の携帯・自動車電話の国内出荷実績は、前年同月比27%増の356万1000台で、5か月連続で前年を上回った。
 カメラ付き携帯電話の人気が続いていることや、動画などがやりとりできる「第3世代」携帯電話サービスの普及で買い替え需要が増えている。

2003年4月5日号

■期末株安=金融・企業・年金直撃経営圧迫

 2003年3月期末決算の基準となる31日の東京株式市場は全面安となり、日経平均株価(225種)は先週末比307円45銭安の7972円71銭と今年最大の下げ幅を記録し、8000円台を割り込んで取引を終えた。東証株価指数(TOPIX)も大幅下落し、同29.92ポイント低い788.00だった。
 3月期末の日経平均としては、1982年(7260円48銭)以来21年ぶりの低水準で、昨年3月期末(1万1024円94銭)よりも3052円23銭値下がりした。
 この結果、東証1部の時価総額も昨年3月期末(299兆6235億円)より23.8%減の228兆3073億円にしぼんだ。
 株式の含み損が膨らんで銀行や企業の経営を圧迫しそうだ。全国銀行の含み損の合計額は約8兆5000億円に上ると見られ、不良債権処理負担と合わせ、大手銀行グループはすべて税引き後赤字になる見通しだ。証券業でも3月期の有価証券評価損として、野村ホールディングスが412億円、大和証券グループ本社が373億円を計上した。

■イラク戦争IT産業本格的需要回復鈍る

 米ハイテク調査会社のIDCは2003年、世界のIT投資総額の前年比成長率を年初予想の6.0%から3.7%に下方修正した。
米金融機関が欧米有力企業を対象に実施した調査でも5分の1弱が戦争に伴いIT投資を抑えると答えた。
 IDCはイラク戦争で企業の投資心理が委縮すると判断。2003年の世界のIT投資総額(政府・官公庁、教育機関含む)を年初予想の9239億ドル(約110兆8700億円)から8890億ドル(約106兆6800億円)に下方修正した。付け加えて「戦争が長期化した場合、もう一段の下方修正もあり得る」と予測した。

■日銀新総裁=銀行保有株買入枠3兆円に

 日銀は25日に開いた臨時の政策委員会・金融政策決定会合で、イラク戦争が日本経済に悪影響を及ぼす事態を防ぐため、3月年度末だけでなく4月以降も潤沢な資金供給を続ける事実上の追加金融緩和策を、全員一致で決めた。
 金融機関が担保さえあれば必要時に日銀から公定歩合水準(現行年0.1%)で資金を調達できるロンバート型貸し出し(公定歩合による低利の金融機関向けの貸し出し)の期間を、現在の5営業日から、無期限にすることも決めた。
 金融システムの安定化策として、銀行保有株の買い取り枠(現行2兆円)を1兆円拡大して3兆円に増額することも決めた。銀行1行あたりの上限も5000億円から7500億円に引き上げた。
 量的金融緩和の目安である日銀当座預金残高目標は「15-20兆円程度」だが、現在の残高は24兆円台に達していることから、「必要に応じ、目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う」方針を示した。
 臨時会合後の記者会見で福井新総裁は「地政学的情勢により不安定、不確定な状況が続く限り、機動的に流動性を供給できる体制を整えた」と述べた。

■国の借金=昨年末過去最高643兆円

 財務省は、2002年12月末段階で、国債の発行残高と借入金などを合計した「国の債務残高」(国の借金)が、前年比10.4%増の643兆1945億円に達したと発表した。
昨年9月末との比較では1.8%増となり、債務残高は過去最高を更新した。
 財政投融資資金は、郵便貯金などを原資とする「資金運用部」に依存してきたが、資金運用部への預託制度が廃止され、「財政投融資資金特別会計国債」(財投債)発行による資金調達が急増したことが原因だ。
 財投債は前年比106.5%増の66兆9174億円に膨らんだほか、普通国債も、新発債に償還のための借換え債が加わって、同7.5%増の414兆8851億円となった。

■公示地価=12年連続下落資産デフレ加速

 国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、全国平均で前年を6.4%下回り、12年連続で下落した。下落率は前年の5.9%から拡大、93年(8.4%減)以来の水準で、資産デフレが加速している状況が鮮明になった。
 このうち、住宅地の下落率は5.8%(前年の下落率5.2%)と前年より拡大した。一方、商業地は同8.0%(同8.3%)と、やや縮小した。
この結果、住宅地の地価はバブル初期の87年と同じ水準に戻り、商業地は79年の水準まで落ち込んだ。
 都市再開発ブームを背景に都心部で上昇に転じた地点が目立ち始めたのに対し、地方では下落幅が拡大するなど、都市と地方の二極化現象も拡大した。
 地域別では、東京、千葉など1都4県の「東京圏」で、住宅地の下落率が5.6%(同5.9%)と前年より縮小した。地価が横ばいか、上昇に転じた地点は96から123へと増加した。渋谷区など都心部の一部では地価反転の兆しが出てきた。
 商業地の下落率も5.8%(同7.4%)と4年連続で縮小したが、再開発が進む東京・千代田、中央、港、渋谷区のビジネス地区を中心に、地価上昇地点は前年の15から39に増加、横ばいは23から54に倍増した。
 「大阪圏」は、住宅地の下落率が8.8%(同8.6%)、商業地の下落率が10.2%(同11.3%)と大幅下落が続いた。
 「名古屋圏」は住宅地の下落率が5.6%(同4.4%)、商業地の下落率が8.0%(同8.1%)だった。
 東京、大阪、名古屋の3大都市圏を除いた「地方圏」では、商業地の下落率が8.7%(同8.1%)と、過去12年間で初めて3大都市圏の下落率を超える下げ幅を記録した。住宅地の下落率も5.1%(同4.0%)と6年連続で拡大した。

BACK   HOME   INDEX   NEXT