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2003年5月20日号
内閣府が発表した1-3月期の国内総生産(速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.0%(0.006%)増、年率換算で0.0%(0.025%)増となった。
5期連続でプラス成長となったものの、実質的にはゼロ成長で、伸び率は3期連続で鈍化した。景気のけん引役となってきた輸出に急ブレーキが掛かり、前期比0.5%減と大きく減速した影響が大きい。個人や企業の実感に近い名目GDPは前期比0.6%減(年率2.5%減)となり、デフレの状況が一段と鮮明になった。
2002年度の実質GDPは前年度に比べて1.6%増となり、政府の経済見通し(実質0.9%増)を上回った。名目GDPは前年度比0.7%のマイナスで、2年連続してマイナス成長となった。名目GDPの実額は約499兆4000億円と、1994年度以来8年ぶりに500兆円の大台を割り込んだ。
2003年版IMD年鑑の世界競争力ランキングによると、日本経済の国際競争力は主要30か国・地域(人口2000万人超)でタイに抜かれ11位となり、昨年と同じだった。
1位は3年連続で米国、2位はオーストラリア、3位はカナダで、人口2000万人以下の29か国・地域中ではフィンランドがトップだった。
IMDランキングは、マクロ経済の各指標に加え、産業インフラの充実度や政府部門の効率性などに関する独自の調査結果を基に各国の競争力を数値化するもの。
日本は、道路網や研究開発投資の充実など「インフラ」部門では5位だったが、起業家精神や銀行への規制など「ビジネスの効率性」の部門では21位と低い評価にとどまり、「競争力向上のための構造改革の必要性が今まで以上に高まっている」と指摘された。
アジア地域では、2000万人超でマレーシア、台湾、タイ、2000万人以下でシンガポール、香港がベスト10に入った。
財務省が発表した2002年度の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス全体の取引状況を示す経常収支の黒字は、前年度比12.0%増の13兆3371億円と、4年ぶりに黒字幅を拡大した。
アジア向けIT関連を中心に輸出が好調で、貿易黒字は同28.5%増の11兆5577億円と、高い伸びとなった。半導体や自動車を中心に総輸出額が50兆円を突破したことで、貿易黒字が膨らんだ。一方、輸入は3.6%増の38兆5477億円だった。
財務省が発表した4月末の外貨準備高は、4994億4200万ドルと、前月末に比べて32億6100万ドル増え、5か月連続で過去最高を更新した。
ユーロの対ドル相場が上昇し、政府が保有するユーロ建て資産が増加したことが主因。4月中の円相場は比較的安定した値動きで円売り介入はなかった模様で、増加幅は前月より小幅にとどまった。
中国衛生省が12日発表した新型肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)の感染統計によると、中国の感染者数は同日午前10時(日本時間同11時)時点で前日より75人増え、累計で5013人と5000人を突破した。次に影響を列記する。
日本航空システム(JAL)は、2004年3月期の連結最終損益が430億円の赤字(前期は116億円の黒字)になる見通しだと発表した。
SARS=サーズによる減便拡大や旅客減、国内線の競争激化が打撃となる。年間配当は無配(前期4円配の予定)にする。2004年3月期の連結売上高は2兆320億円と2%減る見込み。国内線は普通運賃の値上げなどで6%の増収の見通しだが、イラク戦争による旅客減の影響が上期に残る国際線は13%の減収を見込み、国内線増収分でカバーしきれない。さらに人件費など経費削減を進めるが補えず、経常損益は220億円の赤字(前期は158億円の黒字)に悪化するという。
帝国データバンクが発表した国内旅行業者の倒産状況調査によると、米同時多発テロ事件以降、同事件やイラク戦争などの影響で、今年4月までに18社が倒産したことが分かった。
一方、ホンダは、中国での小型車の量産を1-2か月延期する。7月の中国販売に向け、広州市にある工場で月内にも生産を始める計画だったが、SARS=サーズの影響により日本人技術者が帰国、部品調達にも遅れが出てきたため。現地生産の延期・修正が表面化したのは初めてで、SARS問題は日本企業の中国事業に深刻な影響が出始めた。
東京都内にある都市ホテルの宿泊客が急減している。帝国ホテルなど主要15ホテルの4月の平均客室稼働率は、前年同月に比べて14.4ポイント低い64.0%と、4月としては過去10年間の最低水準近くまでに落ち込んだ。SARS=サーズの影響で外国人による宿泊予約のキャンセルが相次いだからだ。
帝国ホテルやロイヤルパークホテルなど、欧米人の宿泊が多いホテルの平均客室稼働率が20ポイント前後低下した。欧米企業がアジアへの社員の出張を控えたり、法人契約している米国企業が宿泊を半分近く減らした、などのケースが相次いだ。
内閣府が発表した4月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状の判断指数は38.7となり、前月に比べて2.6ポイント低下した。
新型肺炎SARS=サーズの影響が、旅行会社などに及び、昨年10月以来の大きな下げ幅となった。調査時点は4月25日から月末まで。
オフィス仲介の三鬼商事が発表した東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の主要ビルの4月の平均空室率は、前月比0.22ポイント上昇して8.40%となり、同社が調査を開始した1989年12月以来の最高水準となった。
都心5区で、空室率(貸室総面積に対する空室面積の割合)の上昇は20か月連続になる。空室面積も増え、「丸ビル」10棟分以上に相当する。

2003年5月5日号
4月25日の東京株式市場は、前日の決算発表で、ソニーの今期業績見通しが市場の予想を大幅に下回ったとして、売りが殺到してストップ安となったことから、大手ハイテク企業などの業績悪化懸念が高まり、市場心理を冷やした。
取引開始から全面安の展開となり、日経平均株価(225種)の終値は前日比155円7銭安の7699円50銭と、4月14日に付けたバブル経済崩壊後の最安値(7752円10銭)を大幅に更新した。日経平均株価の終値が7700円を割り込むのは1982年11月16日以来20年5か月ぶり。
東証株価指数(TOPIX)の終値も12.42ポイント低い、782.03と反落した。第1部の出来高は、約9億1200万株だった。
経済財政諮問会議(議長・小泉首相)は、日経平均株価(225種)がバブル経済崩壊後の最安値を更新したことを受け、緊急株価対策の検討に着手した。
諮問会議が打ち出す株価対策は、株式の持ち合い解消や厚生年金基金の運用代行返上などで売り圧力が増す一方で、買い手に乏しくなっている状況を改善することを目指す。
具体的には、郵貯・簡保の資金運用に占める株式比率を、現在より高めることを提案する。現在約237兆円の資金量がある郵貯の株式運用比率は約1%、約123兆円の簡保は約4%にとどまっているため、これの拡大を要請する。諮問会議内には「10%」を目指す案も出ている。
銀行から株式を買い取る政府の「銀行等保有株式取得機構」の拡充策として、銀行が取得機構に保有株式を売却する際に、現在は株価下落による損失発生に備え、売却額の8%分を「拠出金」として払うことを義務付けているが、今回は、この撤廃を求める。銀行が拠出金負担を嫌い、取得機構への売却に消極的な面もあることから、同機構の買い取り実績は過去、約2180億円にとどまっている。
経済協力開発機構(OECD)は、加盟30か国の経済見通しを発表し、日本については、2003年の実質経済成長率を、昨年11月に発表した0.8%から1.0%に、2004年も0.9%から1.1%にそれぞれ上方修正した。2003年後半から世界貿易の回復で輸出が増加するとみているためだ。
ただ、2003-2004年に、失業率は5.7%程度、総合的な物価動向を示すGDPデフレーターもマイナス1.8〜マイナス2.2%とみており、輸出主導の回復だけでは、失業率の改善やデフレの抑止にはつながらないと予測している。
一方、世界経済は、株価下落で景気の弱さが長期化しており、全体の回復は2003年後半になると予測した。また、「影響は不確実」としながらも、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)を先行きのリスク要因として挙げた。
アメリカについては、2003年の実質経済成長率を昨年11月から下方修正したが、設備投資の拡大などで回復に向かうとし、2004年は3.6%から4%に上方修正した。
財務省が発表した2002年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、全体の輸入額は3%増の43兆507億円と2年ぶりに増加した。
輸入面で日本の最大の相手国は、これまで米国だったが、現行統計で比較可能な1961年度以来、初めて中国からの輸入が対米輸入を超え、中国が米国を抜き最大の相手国となった。
輸入品目は、食品、衣類などから機械に比重が移り、構造的な深化が見える。中国からの輸入品目をみると、事務用機器が前年度比69%増、鉄鋼が同24%増、音響機器も同10%増と増加が際立った。反面、これまで伸びていた繊維製品は前年度比3%減少し、食品も同3%減少。原料品も横ばいと輸入の中身の高度化がうかがえる。
一方、全体の輸出額は、前年度比8%増の52兆7302億円と、2年ぶりに増加した。
地域別輸出では、最大の市場である米国への輸出は14兆4444億円と前年度比1%減少に対し、アジア向けの輸出は18%増の23兆2754億円に達して、統計調査を始めた1979年度以来の最高水準となった。うち対中は前年度比39%と急増したうえ、韓国向けが同21%増、対台湾でも同16%増と急増が相次いだ。
整理回収機構(RCC)は経営不振に陥った中小企業の再生支援策を強化するための新手法を導入する。大手銀行とは業務提携し、貸出債権を入札方式で投資家に売却する。地方銀行には共同で包括的な企業再建にあたる債権売却先をあっせんする。
いずれも公的な性格が強い回収機構が利害調整に加わり、再生を促進するのが狙い。第一弾として、みずほ銀行、北洋銀行と提携契約を結び、大企業に比べ対策が遅れている中小企業の再建を急ぐ。
アジア開発銀行(ADB)は、「2003年アジア開発展望」の中で新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の流行やイラク戦争の影響で、日本を除くアジアの03年の実質経済成長率は、9月の予測より0.4ポイント低い5.3%になるとの予想を発表した。
SARS=サーズなどの影響で、昨年特にアジア経済をけん引する中国は前回予測より0.2ポイント下方修正、7.3%に鈍化するとみている。
香港は2.0%と前年比で0.3ポイントの低下にとどまるが、SARSが実質成長率を0.6%押し下げると見通した。韓国も、朝鮮半島の「地政学的リスク」などが成長の阻害要因となり、前年比2.3ポイント低い4.0%になるとしている。東アジアのほか、中央アジアも前年より1.9ポイント低い5.8%と減速する。
ADBは、5月中旬までにSARSを抑制できなければ「アジアの途上国・地域に及ぼす影響は、さらに広範で深刻になる」と指摘。2-3か月で広がりが止まっても中国、香港、インドネシア、マレーシア、シンガポールなどの経済は悪影響を避けられないとみている。

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