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2003年6月20日号

■金融資産1400兆円割れ・株価下落で

 日本銀行が発表した資金循環速報によると、2003年3月末の家計部門の金融資産(個人金融資産)の残高総額は、前年同期比1.9%減の1378兆2601億円となり、年度末ベースでは1998年度以来、4年ぶりに1400兆円を下回った。
 所得の落ち込みや株価低迷で、家計の金融資産残高の減少は3年連続で、減少幅は過去最大となった。1999年度末の1428兆円をピークに減り続けている。景気の長期低迷や企業の人員削減・賃金抑制などで、家計の所得が減少傾向をたどっているうえに、大幅な株安で株式保有額の減少が加重された。
 主な内訳は、「現金・預金」が同1.2%増の775兆950億円となったが、「株式・出資金」は同23.1%減の81兆4338億円、国債や投資信託などの「株式以外の証券」も同12.8%減の68兆9186億円となるなど、大半の項目で残高が減少した。
 株式市場の低迷で、保有株式の時価総額が縮小したことから、安全性の高い現金などに資産を移す動きが続いている。

■海外旅行45%減=戦争・肺炎が影響

 国土交通省が発表した主要旅行50社の旅行取扱高によると、4月の海外旅行は904億1000万円と、前年同月比45.5%減少した。
 減少幅は、3月(12.1%減)を大幅に上回り、単月としては、米同時テロの影響が出た2001年11月(52.1%減)以来の大きさとなった。イラク戦争に加え、新型肺炎の流行が海外旅行の自粛を引き起こしたと見られている。

■工作機械受注額26.4%増・回復基調

 日本工作機械工業会(大西匡会長)が発表した5月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比26.4%増の692億1500万円だった。8か月連続の前年比プラスで、「回復基調が続いている」とした。
 受注額の内訳は、内需が24.9%増の341億3900万円、外需が27.9%増の350億7600万円だった。

■住宅公庫基準金利・過去最低の2%

 国土交通省は、住宅金融公庫の貸出基準金利を現行の年2.1%から2.0%に下げると発表した。債券市場での長期金利の低下を受けたもので、6月16日から適用する。
 引き下げは昨年4月から10回連続で、過去最低の金利だった1998年10-12月の2.0%に並んだ。基準金利は2.0%が下限とされており、再びこれに張り付いた。
 基準金利の見直しは、公庫融資の調達原資である財政投融資金利が0.8%から0.7%に引き下げられたことに伴う措置だ。
 基準金利は、返済開始から10年目までの金利で、11年目以降は現行の3.5%で据え置く。元本2000万円を35年で返済する場合、総返済額は3143万円。98年の時は11年目以降の金利が4.0%だったため、総返済額は今回が最低となる。

■企業の少子化対策行動計画・指針案

 厚生労働省は、少子化に歯止めをかけるため従業員300人超の企業に作成を義務付ける行動計画の指針案をまとめた。
 男女別の育児休業の取得率など「可能な限り定量的な目標」を示し、2-5年での計画達成を求めている。特に男性の育児休業の取得促進を重視して、子供の出生時、男性従業員休暇制度の創設などの具体策を盛り込むよう促している。
 今国会で審議中の次世代育成支援対策推進法案では、個々の企業に行動計画の作成を義務付けている。企業は厚労省の指針に基づき計画を作り、2005年度から実行する。
 指針案では、就学前児童を育てる従業員を支援するため、短時間勤務制度や法律の規定を上回る期間・回数の育児休業制度の導入などを挙げている。

■75歳以上の高齢者1000万人突破

 政府は閣議で、高齢化の状況と対策をまとめた2003年版の「高齢社会白書」を決定した。それによると、2002年10月1日現在で、65歳以上の人口は前年比76万人増の2363万人。そのうち75歳以上の人口は同51万人増の1004万人で、初めて1000万人を超えた。
 65歳以上の人口が総人口に占める割合(高齢化率)は、同0.5ポイント増の18.5%。男性は996万人、女性は1367万人だった。

■景気の谷は昨年1月・後退局面15か月

 内閣府は、学識経験者で構成する景気動向指数研究会(座長・森口親司帝塚山大教授)を開き、景気が後退局面から回復局面に入った転換点で、景気が底を打った直近の「景気の谷」が、2002年1月だったと判定した。
 これにより、2000年10月を「山」とする景気後退期間は15か月で終了した。前回の「谷」(99年1月)から、回復局面を経て今回の「谷」までの「景気循環期間」は36か月となり、戦後2番目の短さとなった。
 2002年1月以降は、アジア向け輸出などが牽引(けんいん)役となって、景気は回復局面入りしている。しかし、5月に発表された1-3月期の国内総生産(GDP)が実質ゼロ成長となるなど、回復力は弱い。エコノミストの間では、「すでに後退局面に入った」との見方も出ている。
 同研究会は、内閣府が毎月発表する景気動向指数のうち、現状を示す「一致指数」の判断に用いられる11の経済指標を分析、「谷」の時期を割り出した。今後、採用指標を改定し、再計算した上で時期を最終確定する。

2003年6月5日号

■首相=円は高過ぎと「口先介入」英国で

 小泉純一郎首相は29日、欧州の一部記者団に対し、日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から見て、円相場は高過ぎると述べた。
 首相は「現在の経済状況から見て、円はもっと弱いはずだ」。「格付け会社は日本国債の格付けをボツワナよりも低い水準に引き下げたのに、なぜ円は下がらないのか」と強調した。発言が円安誘導を狙ったものではないとの政府筋のコメントを伝えながらも、円相場下落に向けた「口先介入」との見方と受け取られている。

■5月円売り介入=単月最大規模4兆円

 財務省が発表した5月の財政資金対民間収支によると、円高・ドル安が急速に進んだ5月に、政府・日銀が単月ベースとしては過去最大となる4兆円規模の円売り介入を実施したことが明らかになった。
 外国為替資金特別会計(外為特会)の支払額が3兆9827億円に達した。ほぼ全額が円売り・ドル買いの資金で、統計が残っている1991年4月以降での円売りや円買い介入の月間最高額(01年9月)の3兆2107億円を8000億円近く上回った。
 政府 外国為替市場では急激な円高・ドル安が進み、政府・日銀は先月8日から円売り・ドル買いの為替介入を行ってきた。

■日航の国際線旅客5月はほぼ半減

 日本航空システム(JAL)グループの日本航空は、5月の国際線旅客数が前年同月比で、ほぼ半減する見通しを明らかにした。イラク戦争後も続くテロ懸念とSARSが重なったためで、単月の減少幅は湾岸戦争直後の32%、米同時テロ直後の41%を上回るもよう。今後の動向次第では業績への影響が強まりそうだ。
 日航は、JALグループの国際線旅客輸送規模の約85%を占める。同社では、昨年5月の国際線旅客数102万人に対し、今年5月は実績見込みで50%近くの減少だという。路線別で、中国路線が前年比で7割以上減少、東南アジア路線は5割以上の減、ハワイも4割強減った。6月の全体の予測も、前年同月比で4割弱減と見込んだ。

■税収不足8000億円超・歳入欠陥に

 財務省が発表した4月末時点の2002年度税収実績によると、4月の税収実績(一般会計分)は、前年同月比6.4%減の3兆5815億円にとどまり、20か月連続で前年実績を下回った。
 この結果、4月までの累計額は37兆1197億円と、前年同月に比べて10.8%減り、補正後の見積額に対する進ちょく率は83.8%にとどまった。同年度の税収は5月納付分を残すだけとなったが、長引く不況で法人税収が低迷しているため、減額補正後の見積額(44兆2760億円)を下回り、2年連続で税収不足に陥るのは確実だ。仮に5月分の税収が2001年度並みとしても、8300億円の税収不足が発生する計算となる。
 02年度は、税外収入の柱の1つである日銀納付金も、当初予算(約5700億円)を下回る5053億円にとどまる見通しで、歳入が歳出を下回る「歳入欠陥」になる可能性も出てきた。

■環境ビジネス2020年に58兆円規模

 環境省は、国内の環境ビジネスに関する市場規模と雇用人員の将来予測として、燃料電池車の開発や大気汚染防止用装置の製造などの分野が大幅に成長し、2020年の市場規模は58兆円、雇用人員は123万人に達する見込みと発表した。
 2000年の市場規模を集計、これをベースに過去数年間の推移をふまえ、2010年、2020年の市場規模を推計した。雇用人員は業界ごとの労働生産性を算出し、将来の市場規模にこの労働生産性をかけあわせて推計した。それによると、
 2000年の市場規模は29兆9000億円で、雇用人員は76万9000人。これが2010年には47兆2000億円で111万9000人。2020年には58兆4000億円で123万6000人に増えるとした。
 大幅な成長が見込まれる分野は、「燃料電池車などの省エネ技術開発」「自動車の排ガス中に含まれる窒素酸化物を分解する光触媒などの大気汚染防止用装置や資材の製造」「環境保全の国際規格「ISO14001」取得のコンサルタントなどの教育・訓練・情報サービスの提供」―などの分野だという。同省環境経済課は「企業にとっては、環境対策が大きなビジネスチャンスにもなる。環境省としても、環境と経済の両立に向けた取り組みを推進したい」と話している。

■5月新車販売=トヨタ・日産自など好調

 日本自動車販売協会連合会が発表した5月の新車販売台数は、前年同月比2.3%増の29万1363台と、2か月ぶりに増加に転じた。
 トヨタ自動車などの好調で、普通乗用車が13.3%増の5万1315台と伸びた。普通貨物車の販売台数増も寄与した。トヨタ、日産自動車、マツダ、三菱自動車工業が好調だった一方で、ホンダが27.1%減と不振だったことが目立った。
 メーカー別では、トヨタが今年発売したミニバン「ウィッシュ」の販売台数が上乗せされたのに加え、ミニバン「アルファード」、スモールカー「イスト」が伸びて、5%増の12万8444台。三菱自はスモールカー「コルト」、ミニバン「グランディス」の販売が貢献し、66.9%増の1万4521台だった。マツダは5月に発売した新型スポーツカー「RX―8」やスモールカー「デミオ」の新モデルの好調が寄与した。

■AFLACは日生抜き・国内3社格下げ

 アメリカンファミリー生命保険(AFLAC)が発表した2003年3月期決算で、個人保険(年金保険を除く)の保有契約件数が1574万件となり、保有契約件数で国内最大手の日本生命保険を抜きトップとなった。がん保険や医療保険などの第3分野商品に特化してシェアを高めたことが、高成長につながった。
 一方、米大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、日本生命保険、住友生命保険、朝日生命保険の保険金支払い能力を示す保険財務力格付けを引き下げた。
 3社とも資産運用に占める国内株式の割合が高く、株価下落で自己資本が悪化していることなどを挙げ、日本生命は「ダブルAマイナス」から「シングルAプラス」に、住友生命は「トリプルBマイナス」から「ダブルBプラス」に、朝日生命は「トリプルC」から「トリプルCマイナス」にそれぞれ1段階ずつ格下げした。

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