日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2004年4月20日号

■3月企業物価3年8か月ぶりにプラス

 日銀が発表した国内企業物価指数(2000年=100)の3月速報値は95.5と前年同月比で0.2%上昇した。
 同指数が上昇に転じたのは、IT(情報技術)バブル時の2000年7月以来で、3年8か月ぶりに前年水準を上回った。国際商品相場の上昇に伴う素材価格の値上がりが主な理由で、前月比では5か月連続のプラスとなった。中国を中心とする需要増で非鉄金属や鉄鋼などが値上がりした影響が大きい。ただ、最終消費財の価格に波及するかどうかは微妙で、デフレ脱却にはなお時間がかかりそうだ。

■日銀=景気判断4か月ぶり上方修正

 日本銀行は4月の金融経済月報で、景気の現状について「緩やかな回復を続けており、国内需要も底堅さを増している」との認識を示した。「緩やかに回復している」とした3月までの景気判断を4か月ぶりに上方修正した。
 先行きについては、生産活動や企業収益からの好影響が、雇用・所得へ徐々に及んでいく」と分析し、「当面緩やかな回復を続ける中で、前向きの循環が次第に強まっていくとみられる」と、判断を前進させた。
 3月の企業短期経済観測調査(短観)で景況感が改善されたのを受け、「企業収益は増加を続けており、企業の業況感は広がりを伴いつつ改善している」との表現を新たに盛り込んだ。個人消費についても、持続的に回復しているとの見方を示した。
 ただ、物価の先行きについては、「小幅のマイナスで推移する」とし、デフレ傾向が続くとの見方は崩さなかった。

■経済報告・企業の改善拡大判断据え置く

 竹中経済財政・金融相は4月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。政府の景気認識を示す基調判断は、「景気は、企業部門の改善に広がりがみられ、着実な回復を続けている」とした。3月の「景気は、設備投資と輸出に支えられ、着実な回復を続けている」との表現から一部修正したが、基調判断は据え置いた。
 個別項目では、企業収益と企業の業況判断を、いずれも「改善の動きが広がっている」とし、3月の判断から上方修正した。一方、個人消費は「持ち直している」、設備投資と生産は「増加している」、雇用は「依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる」とした3月の判断を、それぞれ維持した。
 輸出は「大幅に増加している」との表現から「大幅に」を削除し、下方修正した。

■キッチン新三種の神器新モデル発表

 松下電器産業は、「キッチン三種の神器」と呼ばれるIH(電磁誘導加熱)クッキングヒーター、食器洗い乾燥機、家庭用生ゴミ処理機の2004年度新製品を発表した。クッキングヒーターは、これまでIHでは調理ができなかったアルミ鍋などすべての金属鍋に対応させた。
 キッチン三種の神器・3商品合わせた国内販売額は、2003年度の1000億円が2006年度には1500億円に拡大すると予測され、電機各社は力を入れている。

■昨年度粗鋼生産・過去5番目の高水準

 日本鉄鋼連盟が発表した2003年度の国内粗鋼生産量は、前年度比1.1%増の1億1098万3000トンとなり、1990年度の1億1171万トンに次ぎ、過去5番目の高水準となった。
 中国向け輸出や国内の自動車業界向けなどが増えたのが要因。中国向け輸出量は2003年4月から2004年2月までの累計で4.5%増の616万8000トンと、全輸出量が減る中、増加の伸びが際立っている。
 鉄連の三村明夫会長は定例会見で、「原材料価格高騰に伴う今年度のコスト増加は7000億円を上回る」と述べ、原材料価格高騰による影響が大きいことを強調した。
 コスト増分を転嫁するため、鉄鋼大手は4月出荷分から、自動車や造船、家電向け鋼板の価格を約10%値上げするが、業界では「10%値上げしても、3000億円くらいしか穴埋めできない」との見方が強く、さらなる値上げも検討する。今後、自動車などの最終製品の価格に影響が出る可能性もある。

■ウィンドウズXP緊急欠陥修正ソフト配布

 マイクロソフトは、同社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」などに、情報漏れなどの4種類の欠陥が見つかった。3種類は4段階ある深刻度評価で最上位の「緊急」に位置付けられるセキュリティー上の欠陥が見つかったと発表した。
 修正ソフトを導入せずに放置していると、ハッカーらに悪用され、場合によっては、パソコン内のファイルを削除される恐れがあるといい、同社のウェブサイトなどを通じ、修正ソフトの配布を始めた。利用者に早急な導入を呼び掛けている。
 同社は毎月、ソフトの欠陥などの問題点を公表している。問い合わせなどは、同社セキュリティ情報センター(TEL0120-69-0196)まで。

■イラクで日本人3人拘束自衛隊撤退要求

 イラクで8日、日本の民間人がテロ組織によって拘束された。犯人側はサラヤ・ムジャヒディーン(聖戦士の部隊)を名乗り、日本が3日以内にイラクから自衛隊を撤退させなければ3人を殺害するとしたアラビア語の声明と3人のビデオテープをカタールの衛星テレビ、アルジャズィーラに送ってきた。
 福田康夫官房長官は同日夜、記者会見し、拘束された邦人が高遠菜穂子さん(34)、郡山総一郎さん(32)、今井紀明さん(18)であることを確認。犯人側に「許し難い憤りを感じる」とするとともに、「自衛隊が撤退する理由はない」と表明し、米国など関係各国や連合国暫定当局(CPA)に協力要請したことを明らかにした。
 小泉純一郎首相は9日午前、「3人の無事救出に全力をあげる。今の時点ではこれが一番大事だ」と強調した。そのうえで、自衛隊の撤退には応じない考えを表明した。
 15日イラクのイスラム武装集団に拘束されていた日本人3人が解放された。バグダッドの日本大使館に保護された後、16日に出国へ。首相は、3邦人解放について「大変よかった。難しい交渉だったが、関係者、関係国の協力に感謝する」と表明した。
 また、14日イラクで行方不明となっていたフリーライター2人が17日午前(日本時間同日夕)、武装グループからバグダッドで解放され、日本大使館に保護された。これで、イラクでの邦人人質と行方不明の2事件は全面解決した。

 

2004年4月5日号

■DI大企業製造業連続・非製造もプラス

 日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がプラス12と、前回の2003年12月調査から5ポイント上昇し、4期連続の改善となった。
 大企業・非製造業はプラス5と1996年11月以来のプラスで、92年5月のプラス8以来の水準に上昇した。好調な輸出に加え、個人消費の持ち直しなどにより、製造業中心だった回復の動きが幅広い業種に波及していることが確認された。
 中小企業は依然マイナスながらも、製造業は7ポイント改善のマイナス3、非製造業は5ポイント改善のマイナス20と、マイナス幅が縮小した。景況感の改善傾向はほぼ全業態に拡大し、これまで大企業の製造業が中心だった景気回復のすそ野の広がりを裏づけた。
 企業が事業計画を立てる際に想定している2003年度の為替レートは、12月調査の1ドル=114円80銭(下期111円70銭)から114円45銭(下期110円99銭)へ、円高方向に修正した。2004年度は1ドル=108円43銭(下期108円38銭)と想定した。

■決算基準期末株価・前期末比46.9%増

 2004年3月期決算を行う企業の多くが保有株式の含み損益などを算出する基準となる3月31日の東京株式市場の日経平均株価(225種)の終値は、前日比21円71銭高い1万1715円39銭で、3月期末として21年ぶりの安値だった前期(2003年3月期)末の7972円71銭と比べ、46.9%の大幅な上昇となった。
 金融機関や企業が保有する株式の価値が大幅にかさ上げされ、金融システム不安の解消や企業の財務内容の好転に大きく寄与しそうだ。
 東証株価指数(TOPIX)も同3.72ポイント高い1179.23で取引を終えた。
 第1部の当日の出来高は、12億5800万株だった。時価総額は353兆676億円で、前期末の228兆3073億円から54.6%増加した。
 2003年度の株式市場は、昨年4月28日に日経平均がバブル崩壊後の最安値となる7607円88銭をつけるなど、前半は低迷した。その後、国内企業のリストラの進展や米中の景気回復に伴う輸出の拡大を背景に大きく反転し、8月中旬には終値で1万円の大台を回復した。

■03年度の介入総額32兆円過去最大

 財務省は、2003年度の介入総額(29日までの速報値)が32兆8696億円となり、これまで最大だった99年度の8兆6291億円の約3.8倍に達し、過去最高額を大幅に更新したと発表した。
 政府・日銀は、日本経済をけん引する輸出企業を支援するため、円高が進行すると徹底的な円売り・ドル買い介入を実施してきた。市場の流れが円安に振れても、一段の円安を狙った「押し下げ介入」も断続的に行った。
 介入で円相場は3月8日には一時1ドル=112円台まで下落したが、米国の通貨当局が巨額介入を批判したことで、その後反転した。結果的に2003年度は巨額介入にもかかわらず、円相場は15円以上円高が進んだことになる。

■国の借金過去最高670兆1212億円

 財務省が発表した昨年12月末の国の借金(債務残高)は、前年同期より4.2%増えて、過去最高の670兆1212億円となった。
 うち、社会保障関係費の増加などに伴う歳入不足を補うため発行した普通国債(赤字国債や建設国債)の残高は、444兆6900億円で、前年より7.2%増えた。
 また、政府短期証券(FB)の残高が70兆3300億円と、前年末より61.6%急増した。
 FB増加のほぼ全額は、政府・日本銀行による円売り介入の資金調達に発行した外国為替資金証券だ。景気の回復を後押しする為替介入の必要性は今後とも消えないだけに、政府にとっては国債管理と並んでFBの管理政策が新たな課題になってきた。

■中小企業景況判断指数8年ぶり好転

 商工中金が発表した3月の中小企業景況観測調査(取引先企業800社対象)によると、全産業の景況判断指数は前月比1.5ポイント上昇の50.8となった。
 「好転」「悪化」の分岐点である50を超えたのは1996年3月以来8年ぶりだ。商工中金は、「IT(情報技術)関連企業を中心に電気機械が引き続き堅調なことや個人消費の改善を背景に小売りや卸売りが好転したため」と分析している。

■上場企業含み益6兆4900億円8割増加

 大和総研は、東証上場の3月期決算企業(金融・保険除く)約1500社の保有株式に、3月期末時点で約6兆4900億円の含み益が発生したとの推計を明らかにした。
 日経平均株価が上昇を続けていることから、昨年9月末の3兆5900億円に比べ約8割増えた。

■光ファイバー100万回線突破1年で4倍

 総務省が発表した2月末のインターネット接続サービスの利用状況によると、家庭のパソコンなどで常時接続できるブロードバンド(高速大容量通信)のうち、将来中核になると期待される光ファイバーを使った接続は、前月末より8万1000回線増えて104万2000回線となり、初めて100万の大台を突破、1年間で約4倍に増えた。
 ブロードバンド全体の利用者数(加入数)は、前月末比40万9000回線増の1449万3000回線だった。ブロードバンド回線数の内訳は、DSL(デジタル加入者線)が1090万4000回線、ケーブルテレビを使ったネット接続が254万6000回線だった。光ファイバーの割合は7%で、現在最も普及しているADSL(非対称デジタル加入者線)から乗り換えが進んでいるとみられる。
 光ファイバーでは、NTT東日本、西日本のサービスが計76万4000回線で7割を占めている。

 

BACK   HOME   INDEX   NEXT