日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2004年5月20日号

■首相再訪朝「最後通告」で中央突破を

 小泉首相は14日午後、北朝鮮による日本人拉致問題の打開と日朝国交正常化交渉の再開を目指し、22日に日帰りで、平壌を訪問すると正式に表明した。
 首相は「進展があると判断しない限り、再訪朝という決断はできない」と述べ、訪朝により拉致問題などが前進するとの見通しを示した。金正日総書記との首脳会談で、拉致被害者5人の家族8人の帰国・来日などで合意した場合、国交正常化交渉と食糧などの人道支援を再開する考えを表明する意向だ。
 北城経済同友会代表幹事は、小泉純一郎首相の北朝鮮再訪問について「拉致問題の全面解決はもちろん、核・ミサイル問題や日朝国交正常化交渉の再開でも成果が得られることを期待したい」とするコメントを発表した。
 首相再訪朝の準備のため、政府は外務、警察両省庁などによる先遣隊を北朝鮮に派遣する。先遣隊は17日に日本を出発し、18日に平壌入りする予定だ。

■石油危機再来かNY原油史上最高値

 週末14日のニューヨーク商業取引所の原油先物相場は、中東情勢の悪化や米国内のガソリン在庫不足に伴う供給不安を背景とした買いで4日間続伸した。
 指標である米国産標準油種WTI6月当ぎりは1バレル=41.38ドルと、前日終値比0.30ドル高で終了し、3日連続で終値段階での史上最高値を更新した。
 一時は41.56ドルまで買われ、取引途中での最高値も更新した。
 竹中経財相は「原油価格上昇を引き続き注視」と述べ、物価が上がらない中で原油の相対価格上昇という面が大きいと指摘。IEA事務局長は原油価格の高騰が続けば、物価の上昇が世界経済の回復を損ない、石油危機の再来もと警鐘した。国際決済銀行で開いた主要国中央銀行総裁会議は、原油や商品価格の上昇、長期金利の動向を注意深く監視していくとの認識で一致した。

■GDP1-3月期1.4%増・03年度3.2%増

 内閣府が発表した2004年1-3月期の国内総生産(GDP、速報値)は物価変動の影響を除いた実質で前期比1.4%増(年率換算で5.6%増)となった。
 需要項目別にみると、GDPの5割以上を占める民間最終消費支出(個人消費)が、前期比1.0%増と、4・四半期連続のプラスとなった。成長率をどれだけ押し上げたかを示す寄与度は0.5%だった。設備投資も、工場建設やスーパーの新規出店増などで2.4%増と7・四半期連続のプラスとなり、同寄与度は0.4%。公共投資は、政府や地方自治体の歳出削減が続いていることから、3.4%減だった。この結果、内需全体の寄与度はプラス1.1%だった。
 また、輸出は、船舶や半導体などの電子通信機器が伸びて、3.9%増と堅調な伸びを維持した。輸入は、1.9%増となり外需全体の寄与度は0.3%だった。
 同時に発表した2003年度(2003年4月-2004年3月)のGDP成長率は実質で前年度比3.2%増。政府見通しの2.0%増を上回った。

■OECD=日本05年まで3%成長持続

 経済協力開発機構(OECD)は、主要国の経済見通しを示す「エコノミック・アウトルック」を公表した。2005年までの世界経済について「米国がけん引して回復の動きが拡大する」と予測した。
 日本は、同年まで3%程度の実質成長が続き「1980年代以来初めての持続的な回復になる」と指摘、「デフレ終息にも貢献する」と強気の見通しを示した。
 日本の実質経済成長率は2004年が3%、2005年が2.8%と予測。ともに1.8%とした昨秋時点の見通しを大幅に上方修正した。内外需ともにプラスを維持。特に輸出は今年、来年とも12%増の高い伸びを見込んだ。

■1-3月期機械受注前期比5.6%減少

 内閣府が発表した1-3月期の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は2兆7666億円で、前期比5.6%減少した。4-6月期の見通しも非製造業の不振が響き3.2%減少した。
 機械受注統計は機械メーカーの受注状況についての調査で、船舶・電力を除く民需向けの受注動向は、半年から9か月先の国内設備投資の動向を示す指標とされる。

■日本半導体製造装置販売額北米抜く

 日本半導体製造装置協会が発表した2003年度の半導体製造装置の販売額は、世界全体で前年度比21.6%増の256億ドル(約2兆8800億円)と、3年ぶりに増加に転じた。
 デジタル家電に使われる半導体への投資が活発な日本が全体をけん引し、7年ぶりに北米市場を抜いた。
 日本国内での販売額は54.4%増の64億7863万ドル(約7300億円)と、3年ぶりに前年実績を上回った。また、台湾は26.1%増の43億5892万ドル、韓国も45.2%増の34億8747万ドルと好調だった。一方、北米は22.8%減の45億2058万ドルと3年連続で減少した。半導体大手の投資手控えや、欧州やアジアに生産拠点を移していることが響いたと見られる。

■肥満増加は先進国の新たな脅威

 経済協力開発機構(OECD)の「健康に関するプロジェクト」がまとめた先進国の医療制度についての報告書で、医療費の公的負担を抑制するため疾病を予防し健康を増進する政策の重要性を指摘。成人病の危険因子とされる肥満の増加を「新たな脅威」と位置づけ、加盟国に戦略的対応を求めた。
 同プロジェクトは2001年に医療制度の向上を目的にスタート。報告書はOECD保健担当相会合での議論の土台となる。

 

2004年5月5日号

■三菱自動車グループ自力再建計画策定

 独自動車大手のダイムラー・クライスラーのゲンツ財務担当副社長は、三菱自への支援打ち切りを決めた理由について「三菱自の他の主要株主と再建に向けた意見の食い違いがあり、十分な利益を上げられないと判断した」と説明した。
 三菱自株を将来的に手放すかどうかは「今後の三菱グループの決断によるところが大きい」と述べ、三菱グループによる再建が軌道に乗るかどうかを見極める考えを強調した。ただ、ダイムラーは、保有する三菱自株を別勘定に移す方針を示しており、将来的には売却も視野に入れていると見られる。
 三菱自動車と、三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行の三菱グループ主要3社は、三菱自に特別チームを設け、1か月以内に新たな再建計画を策定する。主要3社はスタッフを派遣して計画作りに協力する。ただ、三菱自の再建策では、ダイムラーと三菱グループ各社などを引受先とする総額7500億円の増資を行う方向だっただけに、巨額の資金をいかに確保するかなど難題が多く、再建の行方は不透明だ。

■総額表示=チェーンストア6割が売上減

 日本チェーンストア協会が発表した消費税の総額表示を義務化した影響に関する会員企業のアンケート結果によると、移行前後の売上高の変化については「減少した59%」が「大きな変化はない39%」を上回り、「増加した」はゼロだった。
 来店客数は「変化はない59%」、「減少した28%」、「増加した11%」の順。消費者からの問い合わせは、「数件」が69%、「全くなし」が26%で、「問い合わせが多く対応に苦慮した」は3%にとどまった。
 同協会の川島宏会長は「値上げではないと分かってはいても、額面を見て値上がりしたように感じるのは否めない」と述べ、総額表示の義務化が、消費者の購買意欲に悪影響を及ぼしているとの見方を示した。

■景況感=中小企業も底入れの兆し

 商工中金が発表した4月の中小企業景況観測(取引先800社対象、4月14日調査)によると、全産業の景況判断指数は50.3となった。前月比0.5ポイント低下したものの、2か月連続で「好転」「悪化」の分岐点である50を超え、景況感に底入れの兆しが見られた。商工中金は「引き続き、IT(情報技術)関連や、中国・アジアでの需要が強い鉄鋼、金属製品などが堅調だった」としている。

■特別検査破綻懸念以下に格下げ22社

 金融庁は、大手銀行11行の大口融資先に関し、返済能力に応じた評価(債務者区分)が適切かどうかを調べる「特別検査」の結果を発表した。それによると、
 対象となった133社中のうち22社の評価を破たん予備軍とされる「破たん懸念先」以下の区分に格下げした。一方で、格上げした企業もあり、これを勘案した破たん懸念先の総数は29社に上った。
 検査結果を受け、2004年3月期決算における不良債権処理の損失額は11行合計で4000億円が上積みされる。ただ、上積み額は前年の1兆3000億円から大幅減となる。

■ガソリン価格1年ぶり値上げ107円に

 石油情報センターが発表した4月の石油製品市況調査によると、レギュラーガソリンの全国平均小売り価格(10日現在、消費税込み)は1リットル当たり107円となり、前月比2円値上がりした。ハイオクガソリンは前月比1円値上がりして118円、軽油は同2円値上がりして85円となった。月間ベースの値上がりは、いずれも昨年4月以来、1年ぶりとなる。
 原油価格の上昇を受け、石油元売り最大手の新日本石油は、昨年11月から6か月連続で卸売り価格を値上げしてきたが、ガソリンスタンド間の販売競争が激しく、これまで小売り価格はほぼ据え置かれてきた。しかし、石油元売り各社の卸売り価格の値上げ幅が、4月は2.5-2.7円と大きかったため、小売り価格に波及した。

■大型GW今年は「高・遠・長」の旅人気

 ゴールデンウイーク期間中の鉄道や航空の予約が好調だ。今年は、長い休みが取りやすい曜日の並びになっていることに加え、景気回復で財布のひもが緩んできたとみられている。とくに、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)やイラク戦争の影響で低迷していた海外旅行の人気が急回復しており、「安、近、短」ならぬ「高、遠、長」の傾向が出ている。

■テロ対策=空港で靴脱いでX線検査

 ゴールデンウイーク(GW)の繁忙期を前に、国土交通省は、空港での靴のX線検査をはじめ、公共交通機関などを対象とする32項目の新たなテロ対策を発表した。
 スペインの列車爆破事件やイラクの邦人人質事件など、国内外の情勢が危険度を増していることが背景にある。
 靴のX線検査は国内の全空港で国内、国際便の両方を対象に不定期に行われる。手荷物検査の際に乗客に靴を脱いでもらい、X線検査機を通して爆発物や刃物など危険物の有無を確認する。米国では、航空機内で乗客が靴に仕込んだ爆発物を爆発させようとした事件をきっかけに、同様の検査が実施されている。

■完全失業率4.7%3年前の水準まで回復

 総務省が発表した3月の完全失業率(季節調整値)は4.7%で、2月の5.0%より0.3ポイント改善した。3年前の2001年3月と同じ水準まで低下した。
 3月の完全失業率を男女別に見ると、男性は4.9%で2月より0.5ポイント低下、女性は4.4%で2月より0.1ポイント下がった。男性の失業率が4%台に改善したのは2001年3月以来で、女性も2000年10月の水準まで回復したことになる。
 完全失業者数は、昨年3月に比べて51万人少ない333万人。10か月連続で前年同月より減少した。完全失業者数が51万人も減ったのは調査開始以来のこと。
 就業者数は昨年3月に比べて13万人増加し、4か月連続の増加となった。情報通信業、医療・福祉業、サービス業など好調な産業を中心に雇用が回復した。

 

BACK   HOME   INDEX   NEXT