日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2004年6月20日号

■億万長者=米国14%中国12%など急増

 米大手証券メリルリンチなどが発表した調査によると、2003年末時点で100万ドル(約1億1千万円)以上の金融資産を持つ「富裕層」は、全世界で前年比7.5%増の770万人に増えた。
 地域別で増加率が最も高かったのは、米国とカナダを合わせた北米地域で、長者は13.5%増加した。とくに同地域で3000万ドル超の資産を持つ大金持ちは3万人となった。米国の富裕層増加は、株価の上昇や高所得者に有利な減税が主因だという。
 次いで高度成長が続く中国を含むアジアの8.4%増が続いた。アジアでは中国(12%増)やインド(22%増)で富裕層が急増した。一方、景気回復が遅れ気味の欧州(2.4%増)や、政情混乱が続く中東(2.4%増)は緩やかな増加にとどまり、地域間の伸びの格差も鮮明になった。

■経済同友会調査-=景気拡大した9割超

 経済同友会は、企業経営者らを対象に3か月ごとに実施している景気定点観測アンケート調査(回答数271人)を発表した。景気の現状については、「拡大している」と「緩やかに拡大している」を合わせた回答は、前回の3月調査に比べ、7.1ポイント上昇して92.9%となった。
 ただ、原油高や素材価格の上昇を背景に、先行きについても拡大を見込む回答は86.3%にとどまった。

■竹中経財相参院選出馬・自民比例代表

 竹中平蔵経済財政・金融担当相(53)が自民党比例代表候補として参院選に立候補することが決まった。小泉純一郎首相(党総裁)が、都内のホテルで出馬を要請、竹中氏も受け入れた。民間出身閣僚として知名度も高い竹中氏を擁立することで、無党派層の支持拡大を狙う。
 竹中氏は2001年4月の小泉政権発足と同時に経財相として入閣し、2002年9月の内閣改造で金融相を兼任した。首相は記者団に「構造改革を国民に分かりやすく説明できる適材だ。全国を飛び回ってほしい」と表明した。

■新札発行11月から偽造防止策万全

 政府・日銀は、野口英世の肖像を描いた新1000円札、女流作家樋口一葉の肖像画の新5000円札、現在の図柄を一部変更した新1万円札を10月下旬にも発行する方針を固めた。
 7月の発行時期を延期したのは、新5000円札の女流作家樋口一葉の肖像画を、構図修正したことや、紙幣の偽造防止策をほどこすことからだった。ようやく準備が整い印刷開始のメドがついたため、企業によるボーナスの支給などで紙幣の発行量が増える年末を前に、新紙幣の流通を開始し、現行紙幣との交換や新紙幣の普及を進めたい考えだ。政府・日銀は現在、新紙幣の流通開始の時期を10月下旬か11月上旬とする方向で、国立印刷局などと最終調整を進めている。

■出生率過去最低に=年金・財政に影響

 1人の女性が生涯に産む子どもの平均数(合計特殊出生率)が、2003年は1.29に低下したことが、厚生労働省のまとめで分かった。
 03年の出生数は過去最低だった前年からさらに約3万3千人減少し、112万1千人となり、02年の1.32を下回り過去最低を更新し、戦後初めて1.3を割り込んだ。
政府の予測を上回るスピードで少子化が進んでおり、今国会で成立したばかりの年金改革法の前提に早くも狂いが生じることとなり、将来の保険料や給付水準の見直しを迫られる可能性も出てきた。
 厚労省の国立社会保障・人口問題研究所は02年1月に公表した将来人口推計で、合計特殊出生率が07年に1.306で底を打って回復し、32年ごろから1.39で安定すると予想していた。

■個人の株式保有3月末残高1.5倍に

 日銀が発表した資金循環統計によると、家計の株式保有残高は2003年度末で、77兆1756億円と4年ぶりに増加した。前年度比では48.7%増で急増した。
 金融システム不安が後退し、日経平均株価が昨年5月から上昇傾向に転じたことが大きく影響した。
 株価上昇を背景に、投資信託の保有残高も33兆8535億円(前年同月比19.3%増)、外貨預金は5兆7574億円(同19.2%増)にそれぞれ膨らんだ。外貨預金は6年連続の増加となった。
 一方、昨年度末、外国人投資家の日本株保有比率が、金額ベースで最高の21.8%に達した。また銀行の保有比率は5.9%と最低となった。

■長期金利1.940%に3年9か月ぶり上昇

 9日の東京債券市場で、長期金利の指標である新発10年国債の利回りが前日に続いて上昇(価格は下落)し、前日終値比で一時0.085%高い1.780%となった。
 14日には、一時、前週末比0.07%高い1.85%に上昇(債券価格は下落)した。約3年7か月ぶりの高水準。
 17日には、利回りが、前日比0.070%高い1.940%まで上昇(価格は下落)した。1.9%台を付けるのは2000年9月以来、約3年9か月ぶり。
 株価の下落などを材料に、午前は債券を買い戻す動きが優勢だったが、午後に入ると、債券売りが加速した。景気が順調に回復する中、市場では「投資家の債券投資意欲は後退しており、金利はしばらく上昇基調が続くのではないか」との見方が多い。

■来日外国人旅行客過去最高の534万人

 観光白書によると、2003年度に日本を訪れた外国人旅行者数は、前年度比0.5%増の534万人となり、サッカー・ワールドカップが開かれ、これまでの最高だった2002年度を上回る過去最高となった。国籍別では韓国が5年連続で首位だった。
 新型肺炎(SARS)の影響で、昨年4-6月は前年実績を20%以上下回ったが、8月に単月として過去最高の55万人を記録するなど、夏以降は急激に回復した。
 ただ、1000万人の達成にはまだ遠い。一方、日本人の海外旅行者は、前年度比20.4%減の1322万人と大きく落ち込んだ。1人当たりの宿泊を伴う国内観光旅行の回数も同9.2%減の1.28回で、海外旅行を国内旅行に切り替える動きもあまりなかった。

 

2004年6月5日号

■景気回復東海は最高評価地域差が拡大

 内閣府は、5月の地域経済動向(3か月ごとに実施)を発表し、全国11地域のうち、東海、中国の2地域の景況判断を2月の前回調査から上方修正した。
自動車やデジタル家電の好調な生産を受け、東海が最高の景況判断に引き上げられた。一方、北海道が最低にとどまるなど、景気回復の動きで地域間格差が拡大した。
 自動車産業の集積地である東海は、前回の「回復している」から「力強く回復している」に引き上げた。有効求人倍率が上がるなど雇用の改善が顕著だった。中国は個人消費や雇用が好調で「緩やかな回復がみられる」から「回復している」に。北海道は5・4半期連続で「やや弱含んでいる」との判断となった。据え置きだった他の8地域はすべて「持ち直し」か「回復」の表現になっており、北海道だけが景気回復から取り残された。
 内閣府は「北海道は公共投資への依存度が高く、電子部品など製造業の比率が低いためだが、地域の景況感にこれだけ格差が出たことは過去にない」と指摘した。

■常用労働者6年ぶり前年比0.4%増

 厚生労働省が発表した4月の毎月勤労統計調査(速報)によると、景気の回復を受け、従業員5人以上の企業の常用労働者数が前年同月比0.4%増の4286万人となり、1998年4月以来、6年ぶりに増加に転じた。
 うち正社員を中心とする一般労働者は1.1%減の3219万5000人と77か月連続で減少した。だが、過去最高の3.1%減を記録した2002年12月以来、減少率は徐々に小さくなっている。一方、パートタイム労働者は6.3%増の1066万5000人で、95年7月以降連続して増加した。
 税金や社会保険料などを差し引く前の給与や各種手当、賞与などの合計である現金給与総額の月間平均も、前年同月比0.3%増の28万746円となり、10か月ぶりに増加した。

■日航、全日空7月から国際線5%値上げ

 国際航空運送協会(IATA)の運賃調整特別会議で、5%の値上げを全会一致で決議した。決議に従って、世界の主要航空会社は、原油価格高騰にともなう燃料価格の上昇を受けたとして、7月搭乗分から国際線運賃を平均5%値上げする。
 日本航空システムと全日本空輸は、国際旅客運賃を、7月搭乗分から平均5%値上げする方針を固め、両社は近く国土交通省や関係する各国の政府に値上げを申請する見通しだ。日本発着の国際旅客運賃の値上げは、イラク戦争の影響で昨年4月に両社が約3%引き上げて以来となる。
 すでに販売済みの航空券については、差額の負担を搭乗時に空港カウンターなどで求めるのが通例という。パック旅行商品については、運賃値上げ分を全体の商品価格に転嫁させるかどうかは、各旅行会社などの判断になる。航空会社も、旅行会社などに販売している座席など、IATAの決議の対象にならない独自の割引運賃については、値上げを求めるかは未定。旅行会社では「9月までのツアーなどは値上げしない方針」という。

■5月新車登録4か月連続前年割れ

 日本自動車販売協会連合会が発表した5月の新車登録台数は、前年同月比10.6%減の26万390台となり、4か月連続で減少した。
 普通乗用車が10.7%増と伸びたものの、小型乗用車の販売が21.7%減となったほか、トラックの販売減少が影響した。
 普通乗用車では、トヨタ、ホンダを中心に伸びた。ホンダは前年同月の2.4倍の伸び。半面、日産自動車は「マーチ」の伸びが一巡し、同1割以上減少した。また、経営再建中の三菱自動車の新車販売台数は56.3%の大幅減となった。

■サラリーマン消費支出21年ぶりの伸び

 総務省が発表した4月のサラリーマン世帯の家計調査(速報)によると、1世帯当たりの消費支出額は36万6027円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月と比べ7.2%増加した。
 増加幅は1982年10月の7.2%増以来、21年半ぶりの高水準となった。賃金などの実収入も実質で前年同月と比べ3.5%増え、4か月連続で前年同月を上回った。
 費目別では、教養娯楽が前年同月比14.4%増。旅行関連は昨年重症急性呼吸器症候群(SARS)やイラク戦争の影響で海外旅行が大幅に落ち込んだが、今年は足元の景気回復と相まって大幅に増えた。このほか、パソコン購入費も前年同月の約2倍となった。交通・通信も18.7%増え、全体を2.67%分押し上げた。
 総務省は「特殊要因もあるが、消費には明るい兆しが見えている」と分析した。

■NY原油高値更新・東京先物ストップ高

 1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は急騰し、指標となるWTIの7月渡し価格は、前週末比2.45ドル高の1バレル=42.33ドルと終値の過去最高値を更新して取引を終えた。
 前週末に発生したサウジアラビアの商業都市襲撃事件を受け、取引開始後から買いが集中し一時、取引時間中でも過去最高値となる1バレル=42.38ドルまで上昇した。
 原油相場は、1日夜間の時間外電子取引でも買い優勢となり、一時、1バレル=42.45ドルの過去最高値で取引されている。
 一方、2日の東京工業品取引所の原油先物相場は、米国での原油高や中東情勢の緊迫化などの影響で買い注文が殺到し、7、8、9、10月渡しの4商品は、値幅制限(900円)いっぱいのストップ高となった。取引の中心となっている10月渡しの原油先物は、1キロ・リットル当たり前日比900円高の2万3790円となった。
 石油輸出国機構(OPEC)は3日、原油生産枠(現行日量2350万バレル=イラクを除く10か国)を7月から日量200万バレル引き上げ、2550万バレルとすることを決めた。OPECは7月21日に政策見直しのため再び会合を開き、市場動向次第では8月から50万バレルを上積みし、二段階で計250万バレルの増産とする方針だ。

 

BACK   HOME   INDEX   NEXT