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2005年6月20日号

■月例報告基調判断11か月ぶり上方修正

 竹中経済財政相は、6月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出し、政府の景気認識を示す基調判断を「弱さを脱する動きが見られ、緩やかに回復している」とし、5月までの「一部に弱い動きが続くものの、緩やかに回復している」を上方修正した。
 判断の引き上げは2004年7月以来11か月ぶりで、個人消費と雇用の改善を受けて上方修正した。輸出や生産は横ばいで、政府は「景気が踊り場にあるという大局的な判断は変わりない」としているが、記者会見では「踊り場脱却に向けた明るい動きが見られる」と述べた。
 個別項目では、個人消費を「持ち直しの動きが見られる」から「持ち直している」に2か月ぶりに。雇用も「厳しさが残るものの、改善している」から「厳しさが残るものの、改善に広がりが見られる」と11か月ぶりに、それぞれ上方修正した。
 先行きについては、「企業部門の好調」と「世界経済の着実な回復」という従来の表現に「家計部門の改善」も加え、「景気回復は底堅く推移する」と見通した。

■土地・証券化が地価下支え人口減少懸念

 北側国土交通相は閣議に、2004年度の「土地に関する動向」(土地白書)を提出した。不動産証券化の実績総額が前年度に比べほぼ倍増し7兆5183億円に上った。
 企業による土地資産の売却などを背景に市場が拡大し、04年度までの累計額は約20兆円に達した。同省では「証券化が停滞している市場を活性化し、大都市圏地価の下支え要因の一つになっている」とした。
 白書は、少子高齢化の進展による人口減が土地利用に与える影響について、2015年をピークに世帯数が減少に向かうことで空き家や空き地が増え、「景観の悪化や防災・防犯上の問題、周辺環境の悪化を引き起こす」と懸念を示した。
 また、04年度の国民意識調査で「土地は預貯金や株式に比べて有利な資産と思う」という回答が33.2%と、93年度調査61.8%のほぼ半分に減った。「地価は上昇し続けるという<土地神話>は崩壊し、利用価値に応じて価格が決まる」仕組みが働きつつあると指摘した。
 04年の土地取引件数は前年比0.4%減の160万801件で2年ぶりに前年実績を下回り、05年の地価は全国平均で14年連続して下落した。

■個人の現金・預金80年以来初の減少

 日銀が発表した資金循環統計(速報)によると、2004年度末(2005年3月末)の家計の金融資産残高は前年度末比0.4%増の1416兆504億円となり、年度末ベースでは1999年度末の1420兆円に次いで過去2番目の水準となった。
 家計の金融資産のうち現金・預金残高は同0.5%減の776兆3169億円となり、統計を取り始めた80年度以降で初のマイナスとなった。
 定期性預金がペイオフを控え、満期を迎えた定期預金を国債などに回したため、540兆円から524兆円と2.9%の大幅減となった。一方、国債などは47.0%増の21兆3738億円だった。残高としては過去最高、伸び率としては2000年度(53%)以来の高い高い伸びとなった。

■1兆6573億円買い取り長銀などの債権

 金融庁は、1998年に経営破綻(はたん)した旧日本長期信用銀行(現新生銀行)と旧日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)の債権が二割以上目減りした場合簿価で買い取るとの瑕疵(かし)担保条項に基づき、預金保険機構が買い取った債権額が3月末に総額1兆6573億円になったと発表した。
 預保機構が実際に支払った額は、貸し倒れに備え両行が積んだ引当金を除いた1兆2214億円。今後、担保資産の売却などを通じても回収できない分が国民負担として確定する。

■機械受注前月比減も基調判断は持ち直し

 内閣府が発表した4月の機械受注統計(季節調整値)は、民間設備投資の先行指標となる船舶・電力を除く民需の受注額が前月比1.0%減の1兆0207億円で、3か月ぶりに前月を下回った。
 製造業が堅調だった半面、非製造業は金融・保険や運輸業などを中心に4か月ぶりに減少したのが響いた。ただ、減少が小幅で、受注額は1-3月の平均を上回った。
このため内閣府は基調判断を4か月続けて「持ち直し」で据え置き、設備投資は回復の動きが続いているとの認識を示した。

■百万長者世界830万人日本一は佐治社長

 米証券大手のメリルリンチとフランスのコンサルティング会社・キャップ・ジェミニが発表した「ワールド・ウェルス・リポート2005年版」によると、居住目的の不動産を除く純資産を100万ドル以上保有する富裕層の世界人口は04年末で830万人(前年比7.3%増)となった。日本は134万3000人(同2.4%増)だった。
 一方、米経済誌フォーブスは、独自に推計した「日本の富豪40人」を初めて発表し、1位は佐治信忠・サントリー社長が保有資産58億ドル(約6200億円)で首位となった。2位に福田吉孝・アイフル社長、3位に武井保雄・元武富士会長、4位は糸山英太郎・新日本観光会長、5位に木下恭輔・アコム会長が入るなど消費者金融大手の経営者が並んだ。6位は岩崎福三・岩崎産業会長、7位は毒島邦雄・SANKYO会長、8位は堤義明・コクド前会長、9位は孫正義・ソフトバンク社長、10位は森章・森トラスト社長の順。
 ニッポン放送株買収劇で話題を集めたライブドアの堀江貴文社長は6億4500万ドルでちょうど40位となり最年少で滑り込んだ。

■訪日旅行客今年700万人拡大を見込む

 北側一雄国土交通相は閣議に2004年度の観光白書を提出し、05年に日本を訪れる外国人旅行者数は、過去最高となった04年の約614万人を14%上回る700万人に拡大すると見込んだ。
 10年に1000万人という政府目標に近づくが、反日感情の高まりや、中国で査証(ビザ)発給地域拡大が遅れるなど足元には課題もある。
 04年で訪日旅行者が多かったのは韓国(159万人)、台湾(108万人)、米国(76万人)、中国(62万人)など。全体の7割をアジア各国・地域の旅行者が占めた。特に、中国は前年比37%増と大幅に伸びた。

 

2005年6月5日号

■04年出生率1.29少子化止まらず

 厚生労働省は2004年の人口動態統計で、1人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)が、2003年と同じ1.29となると発表した。
 政府は、2002年1月に公表した人口推計(中位推計)で、将来の合計特殊出生率が「2007年に1.306で底を打ち、その後は1.387まで回復する」と予測していた。厚労省が1月に公表した2004年の人口動態推計によると、同年の出生数は110万7000人で前年よりも1万7000人減少し、過去最低を更新した。
 少子化の進行により、労働力人口の減少や年金財政の悪化が懸念されており、現役世代の保険料などで同時代の高齢者への給付を支える賦課方式をとっている現在の年金制度では、将来的に給付削減か負担増を迫られる可能性がある。

■人民元改革中国は急ぐべきFRB議長候補

 米連邦準備制度理事会(FRB)の議長の有力な後任候補とされるベン・バーナンキ理事は、米上院銀行委員会の指名承認公聴会で、中国の通貨・人民元改革について「今や柔軟性のある為替レートに移行する準備が整っている。中国はできるだけ急ぐべきだ」と述べ、中国当局に事実上の切り上げを急ぐよう求めた。
 同理事は「貿易不均衡の是正に向けた一歩になる」と、切り上げの意義を強調した。 中国は人民元の対ドルレートを固定させるため、ドル買い・人民元売りの市場介入を行い、手にしたドルで大量の米国債を買っている。人民元改革で中国の米国債購入が減ると、米長期金利には上昇圧力となるが、この点についてもバーナンキ理事は、「ある程度(上昇の)影響があるが、警戒するほどではない」と楽観的な見方を示した。
 一方、スノー米財務長官も上院銀行委員会で証言し、「中国は為替柔軟化の準備が整っており、直ちに実行すべきだ」と述べ、中国に柔軟な為替制度への即時移行を改めて求めた。長官は現行の人民元政策が続けば、中国は「為替操作国」に該当することになろうと重ねて警告した。

■中小企業景況感足踏み状態続いている

 商工中金が発表した5月の中小企業景況観測(取引先1000社対象)によると、全産業の景況判断指数は47.9と前月比0.2ポイント低下し、「好転」と「悪化」の分岐点である50を10か月連続で下回った。中小企業の景況感について、商工中金は「足踏み状態が続いている」としている。

■知床・世界自然遺産登録へIUCN妥当と

 環境省は、北海道の知床地域が世界自然遺産として登録されることがほぼ確実な情勢となったと発表した。登録地域を審査する国際自然保護連合(IUCN)が「登録が適当」との評価報告をまとめたことを明らかにした。
 7月に南アフリカで開かれる世界遺産委員会で正式に決まる見通し。同遺産は世界的に見て特徴ある自然地域を保全するのが狙い。同遺産には国内から1993年に屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森県・秋田県)の二地域が登録されており、知床地域は3番目となる。

■完全失業率4.4%6年4か月ぶり低水準

 総務省が発表した労働力調査(速報)によると、4月の完全失業率(季節調整値)は4.4%で、前月の4.5%を0.1ポイント下回った。2か月連続の改善で、1998年12月以来、6年4か月ぶりの低水準となった。
 男性の完全失業率は、前月より0.2ポイント低い4.5%、女性は同0.1ポイント高い4.3%だった。世代別では、15-24歳で男性が11.3%、女性が9.2%と高かった。完全失業者数は前年同月比で25万人減の310万人。就業者数は6352万人で、同2万人減少した。
 一方、厚生労働省が同日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は0.94倍で、前月を0.03ポイント上回った。景気の先行指標とされる新規求人数は、前年同月比6.1%増えた。業種別では、情報通信業(15.2%増)、建設業(12.6%増)、医療・福祉(11.6%増)などの伸びが目立った。

■5月地域経済動向・景況感格差広がる

 内閣府は、5月の地域経済動向(3か月ごとに実施)で、全国11地域のうち北関東、南関東、四国の3地域の景況判断を上方修正した。一方、東北、九州の2地域の景況判断を下方修正した。東北は個人消費、九州はIT(情報技術)関連部品の生産がそれぞれ落ち込んだとした。
 全国11地域のうち、鉱工業生産や個人消費の回復力の違いから、景況感の格差がやや広がった。地域ごとの景況判断は「回復している」から「やや弱含んでいる」までの5段階で評価。最上位の「回復している」は前回の2月調査と同じ東海、中国の2地域だった。東北の判断は北海道と並び「やや弱含み」で最低レベルとなった。

■対外純資産最高更新14年連続世界最大

 谷垣財務相は閣議で、2004年末時点の日本の対外資産と負債の状況を報告した。日本の政府、企業、個人が海外に持つ資産(対外資産)から、海外の政府、企業、個人が日本に持つ資産(対外負債)を差し引いた「対外純資産」の残高は、前年末比7.5%増の185兆7970億円と3年ぶりに増加し、過去最高だった01年末の179兆円を上回った。日本の企業収益の拡大や好調な米国景気などを背景に、海外の債券や株式への投資が増えたためだ。
 日本の海外投資の残高を示す対外資産残高は同12.5%増えて433兆8640億円となった。一方、海外から日本への投資残高を示す対外負債残高も、日本の株高で外国人が保有する日本株の評価額が膨らんだため16.6%増えて248兆670億円となった。

■資金供給残高伸び率14か月連続一ケタ台

 日銀が発表した5月の資金供給残高(マネタリーベース=現金と日銀当座預金残高の合計、月中平均)は前年同月比2.2%増の111兆2725億円だった。伸び率は前月を0.8ポイント下回り、14か月連続で一けた台の低水準となった。
 日銀は2004年1月に当座預金残高の誘導目標を30兆―35兆円程度に引き上げて以降、追加的な量的緩和を実施していない。また金融不安の後退により現金を手元に置く動きが収まっていることなどから、低い伸びが続いている。

 

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