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2006年7月25日号

■5年ぶりゼロ金利解除金融政策完全正常化

 日本銀行は14日の政策委員会・金融政策決定会合で、ゼロ金利政策の解除を全員一致で決め、ほぼゼロ%としてきた短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標をゼロ%近辺から年0.25%に即日、引き上げた。
 事実上の短期金利の上限となる公定歩合(金融機関への補完貸し付け・ロンバート型貸し出し・に適用する補完貸付金利)は、6対3の賛成多数で年0.1%から年0.4%に引き上げると決め、即日実施した。
 今回の決定で、異例の長期にわたるゼロ金利政策は5年4か月ぶりに幕を閉じ、金融政策の正常化に向けた一歩を踏み出した。デフレ脱却と将来の景気過熱の可能性を視野に、プラスの金利を復活させ、金融政策の完全正常化を目指す。
 また、日銀は14日に発表した7月の金融経済月報で「景気の総合判断」を「緩やかに拡大している」に上方修正した。「拡大」の表現は約14年半ぶりだ。

■日銀、即日オペで1兆6000億円を供給

 日本銀行は14日、短期金利の上昇を抑えるため、入札日と同じ日に金融機関に資金供給する「即日オペ(公開市場操作)」を2回連続で行い、金融機関が日々の資金をやり取りする短期金融市場に計1兆6000億円を供給した。
 日銀が誘導目標としている無担保コール翌日物金利が朝方、一時0.12%まで上昇したため。1回目のオペは定例の金融調節で8000億円を供給した。
 その後、臨時の調節で8000億円を追加供給した。臨時のオペは2003年12月以来、約2年7か月ぶり。

■家計金利1%上昇で年間6.3兆円の収入増

 内閣府は、金利上昇の経済への影響に関する試算を公表した。1%の金利上昇が1年間続いた場合、国内の家計全体では、借金の利子の支払い増よりも、預貯金などの利子の受け取りの増加分が上回り、差し引き6.3兆円の収入増になるという。
 これに対し、企業の場合は、預貯金などの金融資産よりも借金の額が多いため、差し引き3.1兆円の支払い増が見込まれる。また、金利上昇で円が買われて円高が進み、日本からの輸出品の価格が上昇して輸出産業の価格競争力が低下する可能性も指摘した。
 金融機関では、中長期国債を保有するケースが多い地方銀行への影響が比較的大きく、地銀64行は国債価格の下落(長期金利は上昇)によって評価損が計1.6兆円程度に上ると試算した。

■原油高騰投機的な動きも・OPEC緊急声明

 石油輸出国機構(OPEC)は14日、緊急声明を発表し、最近の原油価格高騰について、「OPECの力の及ばない地政学的問題が価格急騰を招いており、需給関係から離れた部分で投機的な動きが加わっている」と指摘した。
 その上で、「2004年春以降OPEC加盟国は原油生産を増やし、需要増に対応するために生産能力も拡大してきた」と強調。価格安定のために、OPECが生産国と消費国の双方に十分な協力を求めたいとの意向を示した。

■安保理北朝鮮決議案を全会一致で採択

 国連安全保障理事会は15日午後(日本時間16日午前)、北朝鮮のミサイル発射を非難し、弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の中止とミサイル発射凍結の再確認、核開発放棄などを求める決議案を全会一致で採択した。
 日本主導の安保理決議案が採択されたのは初めて。国際社会が結束して北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を迫る意思表示となった。同決議1695は強制力を伴う国連憲章7章に基づくものではないが、安保理決議自体が各国に順守を義務付ける法的拘束力を持つ。
 決議は、北朝鮮の7月5日の「テポドン2号」など弾道ミサイルの発射を非難し、再発射の兆候があることに「重大な懸念」を表明。核開発を公言している北朝鮮の今回のミサイル発射が「地域と周辺の平和、安定、安全を危うくするものである」と確認した。

■サミット北朝鮮ミサイル・拉致に懸念

 第32回主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)は17日午後(日本時間17日夜)、北朝鮮のミサイル発射や拉致、核問題への懸念を盛り込んだ議長総括を発表し、閉幕した。
 議長総括は、拉致問題の「早急な解決」を求めた。悪化する中東情勢については声明を発表し、レバノンの武装勢力のテロ行為を非難するとともに、レバノン攻撃を続けるイスラエルに自制を求めた。北朝鮮のミサイル発射については、北朝鮮を非難する15日の国連安全保障理事会の対北朝鮮決議を支持したうえ、北朝鮮に対し、「ミサイル発射のモラトリアム(凍結)に関する既存の約束を再確認するよう求める」として、2002年の日朝平壌宣言や6か国協議の05年9月の共同宣言に基づき、ミサイル発射の凍結を求めた。

■企業物価指数前年比3.3%上昇高い伸び続く

 日銀が発表した6月の国内企業物価指数(旧卸売物価指数、2000年平均=100)は、前年同月比で3.3%上昇し100.5に達した。約25年ぶりの高い伸びとなった5月と同じ伸び率となった。高止まりする原油価格や、国際的な商品市況の高騰が主な要因だ。
 企業物価指数は企業間で取引される商品の価格動向を示す。伸び率が高かったのは、非鉄金属が同54.6%増、スクラップ類が同49.1%増、石油・石炭製品が同22.6%増などとなっている。
 ただ、需要段階別にみると、生産過程の川上にあたる「素原材料」は同24.6%と高い伸びを示したが、消費者に販売する川下段階の「最終財」は同0.3%の伸びにとどまっており、価格転嫁の動きはなお強くはない。

■街角景気1年2か月ぶり50割れ・6月

 内閣府は、小売店主やタクシーの運転手らに街角の景況感を聞いた6月の景気ウオッチャー調査の結果を発表した。景気を3か月前と比較した現状判断指数(DI)は前月比2.4ポイント低下の49.1と、横ばいを示す50を1年2か月ぶりに下回った。天候不順で小売りなどが振るわなかった上、原油高も企業の収益を悪化させた。

 

2006年7月5日号

■消費物価0.6%プラス脱デフレへ前進

 総務省が発表した5月の全国の消費者物価指数(CPI、2000年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合で98.5となり、前年同月に比べて0.6%上昇した。
 伸び率は前月に比べ0.1ポイント高まり、7か月連続でプラス(ゼロ%以上は8か月連続)となった。デフレ脱却に向けてさらに一歩前進した形で、日本銀行によるゼロ金利政策の解除に影響を与える可能性がある。

■日銀短観・設備投資バブル期以来の伸び

 日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス21と、前回3月調査比1ポイント上昇し、2期ぶりに改善した。
 大企業・非製造業も前回調査から2ポイント改善しプラス20と、1992年2月調査以来の高水準となった。設備投資計画も高い伸びを示し(前年度比11.6%増・大企業全産業ベース)大幅に上方修正され、景気の回復基調と企業業績の底堅さを裏付けた。原油高や株価下落にもかかわらず、企業経営者が景気回復に自信を強めており、日銀が7月にもゼロ金利政策を解除する環境が一段と整ったとする見方が強まった。

■ゼロ金利14日解除か?短期金利0.25%

 日銀が13、14の両日開く政策委員会・金融政策決定会合で、2001年3月以来5年4か月ぶりにゼロ金利を解除する公算が大きくなった。景気が順調に回復しデフレ脱却に向けて物価のプラス基調が続くうえ、3日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)では設備投資がバブル期以来の高い伸びを示し、景況感も改善した。将来の景気過熱が現実味を帯びてきた。日銀は、株式市場や円相場、米国経済などで波乱が起きなければ、14日の会合で短期金利の操作目標の0.25%引き上げに踏み切る見通しが強まった。その後の追加利上げは緩やかなペースで行う方針を会合後の発表文に盛り込む方針のようだ。
 政府・与党が懸念する長期金利急上昇などの事態を避け、今秋の「いざなぎ景気」超えを視野に、息の長い経済成長を目指す。

■失業率4.0%に改善8年ぶりの低水準

 総務省が発表した労働力調査によると、5月の完全失業率(季節調整値)は4.0%で前月比0.1ポイント改善し、1998年4月以来8年1か月ぶりの低水準となった。
 一方、厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率(同)は同0.03ポイント高い1.07倍と、92年7月以来13年10か月ぶりの水準に回復した。
 就業者数は前年同月比13万人増の6448万人と、13か月連続で増加。このうち自営業者などを除く雇用者数は過去最高の5525万人に達した。完全失業者数は277万人で、同30万人減少。特に自己都合による失業の減少が目立った。
 正社員有効求人倍率は0.57倍と、同0.05ポイント上昇した。雇用の先行指標とされる新規求人数は同8.4%増。産業別では、建設業の4.5%減を除いて軒並み増加した。

■たばこ増税値上げタバコ離れさらに加速

 「たばこ増税」が1日から実施され、ほとんどのたばこが1箱(20本)当たり10-30円値上げされた。たばこ増税は2003年7月以来3年ぶり。今回の増税額は、たばこ1本当たり約1円。国内シェアの6割強を占める日本たばこ産業(JT)は、紙巻きたばこ96銘柄をすべて値上げした。
 このうち、マイルドセブンシリーズなど13銘柄は、増税分の約20円を上回る1箱30円の値上げで、マイルドセブンやマイルドセブン・スーパーライトは270円から300円に値上げされる。外資系のフィリップ・モリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコも一部商品で増税分を上回る値上げを行った。

■全国銀行126行決算17年ぶり過去最高益

 全国銀行協会が発表した全国の銀行(126行)の2006年3月期決算(単体ベース)の集計結果によると、税引き後利益の合計は前期の3.2倍にあたる4兆2037億円となり、バブル期の1989年3月期決算の合計(2兆3400億円)を上回って、17年ぶりに過去最高を更新した。
 最終利益は、三菱東京UFJ銀行など都市銀行6行だけで2兆6071億円と、全体の6割以上を稼ぎ出した。地方銀行64行は8414億円、第2地方銀行47行は1445億円、信託7行は4156億円だった。
 景気回復で不良債権処理費用が大幅に減少し、銀行が貸し倒れに備えて積んでいた引当金が繰り戻され、特別利益が増えたのが主な要因だ。06年3月末の不良債権比率は、前年同期比1.06ポイント低い2.90%となった。都市銀行は1.80%に低下したが、地方銀行は4.40%、第二地方銀行は5.27%と依然高水準だった。

■阪神・阪急の子会社にTOB株引き渡し終了

 阪急ホールディングスは6月27日、阪神電気鉄道株の公開買い付け(TOB)で取得した63.71%(議決権ベースで64.76%)の株式の引き渡しを受け、同日付で阪神を連結子会社化した。
 両社はそれぞれ29日の株主総会で経営統合を正式に決議。東証、大証に上場する阪神株は9月26日付で上場廃止。阪急は10月1日付で、取得した以外の阪神株1株に阪急株1.4株を割り当てる株式交換を実施。阪神を完全子会社化し経営統合する。10月1日以降、持ち株会社の阪急ホールディングスは、阪急阪神ホールディングスと改称。傘下に阪急電鉄、阪急交通社など阪急の3子会社と阪神が並列でぶら下がる。

■日本高齢化・少子化進み割合世界一05年

 総務省が発表した05年国勢調査の抽出速報集計結果によると、昨年の総人口は前年より83万人増え1億2776万人となった。
 うち、65歳以上は481万人増の2682万人で、人口に占める65歳以上の高齢者の割合は21.0%となり、イタリアの20.0%を抜き、世界で最も高くなった。3位はドイツで18.8%、フランスは16.6%、米国は12.3%だった。
 一方、15歳未満は1740万人で同割合が13.6%となった。前回最低だったイタリアが今回は14.0%となったため、日本が最低になった。

 

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