日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2006年10月20日号

■安保理・対北朝鮮制裁決議全会一致で採択

 国連安全保障理事会は14日(日本時間15日未明)北朝鮮の核実験実施発表に対する制裁決議1718を、全会一致で採択した。安保理の北朝鮮制裁決議の採択は初めて。
 決議は強い拘束力を持つ国連憲章7章に基づき、大量破壊兵器関連物資の移転阻止に向けた船舶などの貨物検査や金融制裁など幅広い制裁措置を盛り込み、北朝鮮に核、ミサイル放棄を迫る国際社会の意思を明確に示した。
 米英仏中露の安保理5常任理事国と日本は14日午前から午後にかけて大使級会合を開き、決議の最終案で合意。核実験発表から6日で採択にこぎつけた。
 6か国の最終調整では中国の修正要求に応じ、北朝鮮を出入りする貨物の検査で各国が協調的行動を取ることを義務化していたのを、「各国に要請する」と表現を弱めた。中国の王光亜国連大使は採択後の演説で、中国は貨物検査に賛成しないと明言。関係国に対しても、緊張激化を避けるため、「慎重かつ責任ある」対応を取ることを求めた。

■首相採択を歓迎・制裁影響企業に低利融資

 安倍首相は15日午前、国連安全保障理事会が北朝鮮制裁決議を全会一致で採択したことについて、「国連憲章7章に言及した厳しい措置の決議が採択され、国際社会は北朝鮮の核保有を決して許さないという強いメッセージを出すことができた」と歓迎の意向を表明した。
 政府は、首相官邸で「対北朝鮮輸入禁止等に関する緊急対策会議」(議長・塩崎官房長官)の第2回会合を開き、北朝鮮の核実験実施発表に対する日本独自の制裁措置として発動した輸入全面禁止措置により影響を受ける企業などへの支援策を決めた。
 北朝鮮産海産物を取り扱う水産関係業者を対象に、農林漁業金融公庫は、取引先を北朝鮮以外の国に切り替える資金や業種転換の資金などを低利融資する。水産関係以外で影響を受ける中小企業には、中小企業金融公庫の支店など全国651か所に特別相談窓口を設け、必要に応じて低利融資を行う。また、山本金融相は、制裁の影響を受ける企業を支援するため「各金融機関に対し、国内企業への貸し付けについての相談窓口を設け、取引先企業の経営に懸念がないよう促す」意向を表明した。

■景気拡大いざなぎに並ぶ来月戦後最長更新

 大田弘子経済財政担当相は、10月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出し、景気の基調判断は「回復している」に据え置いた。結果、今回の景気拡大期は、2002年2月から今年10月まで戦後最長の4年9か月(57か月)に達し、戦後最長の高度経済期の「いざなぎ景気」(1965年11月-70年7月)に並んだ。
 米国経済の減速など先行き不透明感も広がっているが、好調な企業部門をけん引役に11月には記録の更新が確実な情勢だ。大田経財相は閣僚会議後の会見で「景気回復の状況が続くと見込まれる」と述べ、11月に「いざなぎ景気」を超えて、戦後最長を更新するのはほぼ確実との認識を示した。
 一方、「期間中の経済成長率が2%台と低く、物価下落が続くデフレ下での回復だったため、実感に乏しい」とした。そのうえで、「日本経済の競争力をさらに高め、持続的な回復になるように政策を進める」と述べ、構造改革路線を推進する考えを強調した。

■短期金利誘導目標現状維持・日銀決定会合

 日本銀行は13日、前日に続いて開いた政策委員会・金融政策決定会合で、短期金利の誘導目標(政策的に誘導する無担保コール翌日物金利の目標0.25%前後)を年0.25%とする現行の金融政策の維持を全員一致で決めた。
 金融政策の判断材料となる国内外の景気や物価の情勢について議論した結果、米経済の減速感は強まっているものの、国内景気の回復基調は依然として底堅いとの認識で一致した。
 今月2日に発表した企業短期経済観測調査(短観)で、企業経営者の景況感が改善し、設備投資の堅調さや人手不足感の高まりが確認されたものの、個人消費が伸び悩むなど景気回復のペースが緩やかな点に配慮し、追加利上げを急ぐ必要はないと判断した模様だ。

■ゆっくり日銀・追加利上げ・来年1月民間

 日銀の福井俊彦総裁は記者会見で、追加利上げについて「経済・物価情勢を見極めながらゆっくり進めていくということに尽きる」と述べ、時期を慎重に探っていく考えを示した。また、「年内の可能性を問われれば否定はできない」としながらも、現時点で利上げ時期は特定していないと強調した。
 一方、内閣府の外郭団体、経済企画協会は、民間金融機関のエコノミストらを対象とする「ESPフォーキャスト調査」の結果を発表した。日銀の追加利上げ時期について質問したところ、回答した34人のうち、半数の17人が「2007年1月までに実施する」と予想した。

■サハリン1日本向け原油初出荷ロシアから

 日ロ関係筋が明らかにしたところによると、ロシア・サハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」で生産された原油約10万トン(約74万バレル)を積載したタンカーが16日、ハバロフスク地方デカストリの輸出ターミナルを出航、日本に向かった。サハリン1の原油輸出は今回が初めてで、当面は日本を中心に出荷する。日本にとってサハリン1からの原油輸入は、中東依存を低下させ、エネルギー安定供給につながると期待されている。

■ガソリン140円割れへ調達費4円低下

 石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)は記者会見で、11月出荷分のガソリンなど石油製品の調達コストは、原油相場の大幅下落を受け、前月比で1リットル当たり4円程度低下するとの見通しを明らかにした。
 10日時点で141.5円だったレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は下落基調が続き、7月以来約4か月ぶりに140円を下回りそうだ。
 一方、石油情報センターが18日発表した石油製品の価格調査によると、レギュラーガソリン1リットル当たりの店頭価格(全国平均・16日時点)は前週比0.5円安の141.0円と、5週連続で下落した。原油の米国産標準油種WTI先物価格が引き続き1バレル=60ドル割れで推移しているため、給油所間の値下げ競争が激しくなっている。

 

2006年10月5日号

■安倍氏自民党第21代総裁に・三役決定

 自民党総裁選は9月20日午後、党員票の開票と党所属国会議員の投開票が行われ、安倍晋三官房長官(52)が第1回投票で全体の66%の票を獲得し、麻生太郎外相(66)、谷垣禎一財務相(61)に圧勝した。その後、党本部で開かれた党大会に代わる両院議員総会で、第21代総裁に選出された。総裁任期は2009年9月30日まで。
 自民党の安倍総裁は、新たな幹事長に中川秀直政調会長(森派)、政調会長に中川昭一農相(伊吹派)、総務会長に丹羽雄哉・元厚相(丹羽・古賀派)の起用を決めた。
 自主投票とした津島派、山崎派は三役ポストから外れた。安倍氏の人事は小泉首相と同様、直前まで漏れることはなく「安倍流」も「小泉流」の秘密主義を踏襲した。

■安倍内閣発足・衆参両院最年少首相指名

 衆参両院は9月26日午後の本会議で、自民党の安倍晋三総裁を第90代、57人目の首相に選出した。安倍氏は初の戦後生まれの総裁で、首相としても、戦後では田中角栄・元首相の54歳を抜いて最年少となる。
 衆院では339票を得票した。郵政民営化関連法案に反対して自民党を離党した議員のうち、平沼赳夫・元経済産業相、保利耕輔・元文相、堀内光雄・元通産相、野田聖子・元郵政相ら無所属の12人は安倍氏に投票した、復党をにらんだ対応。
 安倍首相は、ただちに組閣作業に入り、同日夜に安倍内閣が発足した。官房長官に、首相に近い塩崎恭久外務副大臣(55)(丹羽・古賀派)が就任。事務の官房副長官には、旧大蔵省出身で元国土事務次官の的場順三・大和総研顧問(72)を起用した。

■消費者物価3か月連続上昇原油価格高騰で

 総務省が発表した8月の全国の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合で100.3となり、前年同月に比べて0.3%上昇し、3か月連続のプラスで、デフレ脱却に向けた緩やかな上昇基調が続く。
 上昇幅は前月(0.2%)に比べて0.1ポイント高まった。0.3%の伸び率は、1998年3月(1.8%)以来の高水準となる。
 原油価格の高騰が主な要因で、ガソリン価格が同12.2%、灯油が同26.6%上昇し、石油関連製品全体では13.2%の上昇となった。一方、薄型テレビは23.1%下落したほか、携帯電話などの移動電話通信料も6.6%下落した。

■コメ作況やや不良2年ぶり日照不足と台風

 農林水産省は、2006年産米(水稲)の9月15日時点の作況指数(平年作=100)を発表した。全国平均は97の「やや不良」で2年ぶりに100を下回った。
 確定値も2年ぶりに100を下回る見通しだ。全国的に日照不足だったほか、8月の台風で九州地域を中心にイネが倒れるなどの被害が出たことが影響した。特に台風に伴う被害で、佐賀県は74の「不良」となり、指数が全国で最も低かった。
 地域別では、天候に恵まれた北海道は105でトップ。北陸は100、東北と東海は99、近畿は98、関東、中国、四国が96、九州は89だった。都道府県別では、37都府県が100を下回った。

■外国人観光客65万人超6か月連続更新中

 国際観光振興機構は、8月に日本を訪れた外国人観光客数が前年同月比6.0%増の65万6000人になったと発表した。6か月連続で月間客数の過去最高を上回った。
 国別では、中国の同24.9%増、韓国の同14.1%増が目立った。中国人の増加は、昨年7月に団体旅行のビザ発給地域が中国全土に拡大されたことや、訪日ツアーの増加などが要因。韓国人は今年3月から90日以内の短期滞在ビザが恒久免除されたこと、韓国ウォンに対する円安も影響した。一方、8月の日本人の出国者数は同3.9%増の169万7000人だった。

■失業率横ばい4.1%有効求人倍率1.08倍

 総務省が発表した労働力調査によると、8月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ4.1%と横ばいだった。景気回復局面が続く中、会社や自己の都合による失業は減ったものの、新たに職を求める人が増加する傾向にあり、改善の足どりがやや重くなっている。
 完全失業者数は前年同月比12万人減の272万人、就業者数は同22万人増の6427万人。同省は「若年層に厳しさが残るが、就業者が増加するなど、改善は進んでいる」とした。
 一方、厚生労働省が発表した8月の有効求人倍率(同)は1.08倍で、前月比0.01ポイント低下した。正社員有効求人倍率は0.62倍と前年同月比0.05ポイント上昇したが、就職件数は同0.3%減少し、公表が始まった昨年11月以来初のマイナスに転落した。

■景況感大企業製造業2期連続底堅く改善

 日本銀行が発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス24と前回6月調査より3ポイント上昇し、2期連続で改善した。
円安傾向などを背景に、素材関連や輸出関連などの業種で景況感が大きく改善し、7月のゼロ金利政策 解除後で初の短観で、景気の緩やかな拡大、回復の底堅さが確認された。
 大企業・製造業の3か月後の景況感の予想は、米国の景気減速などを警戒して、プラス21と3期ぶりの悪化となっている。

■ガソリン価格下落続く激戦区135円前後

 ガソリンの小売価格が9月に続き10月も下落した。首都圏や関西の販売激戦区では2日午前、レギュラーガソリンが1か月前に比べ1-6円安くなり、1リットル135円前後の看板が増えてきた。
 首都圏の販売激戦区である国道16号沿いの小売価格は1リットル134-142円と9月初めに比べ2-3円程度下がった。ほとんどは130円台になった。東京都内の環状7号沿いでは137-144円と下値が1円安くなった。
 夏の需要期が過ぎ、需給が緩んだためだという。ただし、8月までの上昇が大きかったため、前年同時期よりはなお10円前後高い。

 

BACK   HOME   INDEX   NEXT