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2007年3月20日号
昨年10-12月期国内総生産(GDP)改定値(実質前期比1.3%増、年率換算で5.5%増)を受け、主な民間シンクタンク11社の経済予測がまとまった。2007年度の実質成長率は平均2.1%で、GDP速報値発表後の2月の前回予測と同水準となった。
各社の景気シナリオは、ほとんど変わっていない。年度前半に足踏みするが、米国経済が持ち直す後半から輸出が回復し、景気の拡大ペースが再加速するとの見方が多い。物価変動の影響を含む名目成長率は平均2.3%。実質、名目とも政府経済見通し(実質2.0%、名目2.2%)より高めとなった。
一方、今年度06年度実質成長率の予測値について、市場では2.1%と、政府経済見通し(1.9%)を上回るとの見方が広がった。第一生命経済研究所、農林中金総合研究所、三菱総合研究所の民間シンクタンク3社は、06年度の実質成長率をいずれも2.1%と予想した。内閣府の試算では、1-3月期が前期比0-0.3%で2.1%になる。
2007年春闘は、相場作りに影響力を持つ自動車・電機の大手経営側が一斉回答した。
トヨタ自動車は、労働組合(1人当たり月額1500円)の賃金改善要求に対し、昨年と同額の1000円で決着。年間一時金には8年連続で満額回答。ホンダは900円(要求1000円)のベアで妥結した。ホンダのベアは前年妥結額の600円から大きく伸び、年間一時金は2年ぶり満額の6.6か月で決着した。
大手電機の賃上げ交渉は、各労組が2000円の賃上げを要求していた。三菱電機、シャープが1000円の賃金改善で妥結。東芝やNEC、富士通も各種手当の増額分を合わせ実質1000円の賃上げで妥結する方向。大半が昨年比2倍の1000円で妥結。
今後はほかの産業などに、賃上げの動きが、どこまで広がるのかが注目される。
大手企業では好調な業績に加え、今年から「団塊の世代」が大量退職することなどから、人手不足感が高まっている。また個人消費の伸び悩みで、政府から経済界に対して、家計への配慮を求める声が相次いだことを踏まえ、自動車、電機の各社は2年連続で賃上げに踏み切ったとみられる。
日本商工会議所の山口信夫会頭は、自動車、電機大手が2年連続の賃上げを一斉回答した今春闘の消費に与える影響について「所得増加分が消費に回るのを期待している」と述べ、今回の賃上げが個人消費活性化につながることに期待感を示した。
加藤裕治自動車総連会長(金属労協議長)はトヨタ自動車やホンダ、シャープなどほとんどの企業が要求額には満たなかったものの、2年連続の賃上げを実現したことを「一つの流れを作ることができた」と評価した。
大田弘子経済財政担当相は、3月の月例経済報告で、景気の基調判断は「消費に弱さがみられるものの、回復している」とし、判断を4か月連続で据え置いた。現在の景気拡大期間は5年2か月となり、戦後最長を更新した。
百貨店4位の大丸と7位の松坂屋ホールディングスは、9月に経営統合することを正式発表した。統合後の売上高は1兆1600億円を超え、高島屋を抜いて国内最大の百貨店グループとなる。
統合は、両社が5月24日に、それぞれ開く定時株主総会で正式決定する。両社は9月3日付で共同持ち株会社「大丸・松坂屋ホールディングス」(仮称)を設立し、傘下に大丸と松坂屋HDをぶら下げる。持ち株会社の社長には大丸の奥田務会長、会長には松坂屋HDの岡田邦彦会長が就任する。
関西を地盤とする大丸と、東海地方に基盤を置く松坂屋の両社が統合することで、主要都市圏に足場を持つ全国型百貨店を目指す。さらに統合の大きな狙いを首都圏攻めに定めた戦略だ。大丸の奥田会長は「首都圏を中心に業容を拡大し、質、量ともに小売業界で日本を代表するトップ企業を目指す」と述べた。
内閣府が発表した2月の消費動向調査によると、今後半年間の消費意欲などを示す消費者態度指数(原数値)は、2人以上の一般世帯で48.4と前月比0.3ポイント上昇し、2か月連続で前月を上回った。
ただし、前年同月比では3か月連続の下落を示した。内閣府は、消費者心理の基調判断を2か月連続で「ほぼ横ばい」で据え置いた。
消費者態度指数は「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の四つの指標について、「良くなる」から「悪くなる」まで5段階で回答してもらい、指数化している。2月は「収入の増え方」と「雇用環境」が前月を上回った。
中国人民銀行(中央銀行)は、主要政策金利の一つである金融機関の貸出金利と預金金利を、期間1年物でいずれも0.27%引き上げると発表した。18日から実施する。
金融機関が企業などに貸し出す際の「法定貸出金利」は年6.39%に、「法定預金金利」は年2.79%となる。利上げは昨年8月以来7か月ぶり。
投資、貸し出しの伸びが依然高く、物価にも上昇の兆しがあるため、急増する銀行貸し出しを抑制し、景気過熱を防ぐ狙いとみられる。中国人民銀行は「貸し出しと投資の伸びを合理的な水準に導き、物価水準を安定させるのに効果がある」と説明。
ライブドア事件で、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、偽計・風説の流布)の罪に問われ、懲役2年6月の実刑判決を受けた前社長・堀江貴文被告(34)について東京地裁は16日、保釈を認める決定をした。保釈保証金は5億円。堀江被告は、昨年4月に保釈された際の保証金3億円に、差額の2億円を現金で即日納付し、午後4時過ぎに保釈された。
判決後、堀江被告の主任弁護人の高井康行弁護士は記者会見で「あいまいな証拠を基に、非常に根拠の薄い事実を認定している。残念な判決だ」と、怒りをあらわにした。自社株売却益の一部を流用した宮内被告を「強く疑われる」と判決で認定した点について、「検察の捜査や起訴が厳正さや公正さを欠いていることを認めているのに、おかしい。実刑判決は常軌を逸している」とした。

2007年3月5日号
日本銀行は2月21日の金融政策決定会合で、短期金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利を現行の年0.25%から0.25%引き上げ、年0.5%とすることを、8対1の賛成多数で決定した。
金融機関向け補完貸付金利(旧公定歩合)も、現行の年0.4%から0.75%に改定した。利上げは、ゼロ金利を解除した昨年7月以来、約7か月ぶり。政策金利が年0.5%となるのは、1998年9月以来8年半ぶり。
反対したのは、岩田一政副総裁で、日銀執行部の採決が初めて割れる異例の事態となった。
政策委の大勢は、懸念していた消費・物価動向にも改善の見通しがついたと判断した。「息の長い」景気回復を実現するには、金利正常化を進める必要があるとした。
金融政策の運営方針を決める9人の政策委員(正副総裁3人と審議委員6人)は、日本経済は企業部門が引っ張る形で緩やかな拡大が続いていくとの認識でほぼ一致した。追加利上げを行ううえで懸念材料とされていた個人消費や物価の動向も、中長期的には改善の方向に向かうと判断した。
23日の東京株式市場は、国内景気の先行き期待や円安基調を背景にした買いが優勢となり、東証株価指数(TOPIX)は前日比12.06ポイント高い1814.96と5日続伸、1991年11月14日以来約15年3か月ぶりの高値を付けた。
日経平均株価(225種)は同79円63銭高の1万8188円42銭で取引を終え、今年の最高値を連日で更新した。外国人投資家を中心にした株式購入意欲は根強く「下げた場面ではすかさず買いが入ってくる状況」が続いた。2000年5月8日以来約6年9か月ぶりの高値水準となった。東証1部の時価総額は580兆5091億円で、90年1月8日以来約17年1か月ぶりに580兆円台に乗せた。
日本銀行による追加利上げ後も低金利政策が当面続くとの見方が広がった。同時に利上げは、国内景気の好調ぶりが確認されたと受け止められた。企業業績の先行きに対する楽観的な見方が広がり、証券や不動産など内需関連株に買い注文が集まった。
日本銀行の追加利上げに伴い、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行は26日から、現在年0.1%の普通預金金利を年0.2%に引き上げる。
住友信託銀行は26日から年0.2%の普通預金金利を年0.25%にする。城南信用金庫は22日に年0.1%の普通預金金利を年0.15%に上げるほか、1年物定期預金金利を年0.3%から年0.5%にするなど預金金利を全面的に見直す。
住宅ローン金利も今後の上昇が見込まれる。固定型は、長期金利が上昇すれば、3月適用分の新規契約から上がる可能性がある。変動型の金利は、基準とする短期プライムレート(企業向け最優遇貸出金利)の上昇に連動するため、既存契約は早ければ7月適用分から、新規契約は10月適用分から影響が出る見通しだ。
日本郵政公社は5日から通常貯金は年0.21%に、3年以上の定額貯金は年0.30%を0.35%に、ニュー定期の3年物は0.35%から0.40%にそれぞれ引き上げる。
世界経済フォーラムは、世界の旅行・観光分野の競争力を比較した報告書を公表した。調査対象の124か国・地域中、トップはスイス、次いでオーストリア、ドイツと続いた。日本は空港網整備や価格などがネックで25位に留まった。
報告書は、各国の旅行・観光分野に関して、規制の枠組みや安全性、交通インフラ、価格競争力など13項目を分析。日本は新幹線に代表される陸上交通インフラ(6位)、人的資源(11位)、自然・文化資源(14位)で高い評価を受けたが、価格競争力は107位だった。
総務省は、1月の完全失業率(季節調整値)が前月比横ばいの4.0%と発表した。完全失業者数は前年同月比28万人減の264万人。就業者数は同9万人増の6278万人。
厚生労働省が同日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.06倍で、前月比0.01ポイント低下。新規求人数は前年同月比2.8%減となり、2002年6月以来4年7か月ぶりのマイナスに転じた。
また、総務省が発表した2006年の労働力調査によると、15-34歳の若年フリーター数は前年比14万人減の187万人となった。減少は3年連続で、統計が比較可能な02年以降では初めて200万人を割った。雇用改善は非正社員の若者層にも徐々に波及してきた。
世界同時株安の引き金は、中国株価の急落。27日の上海・深セン株式市場では、1日の下げ幅としては過去10年間で最大となる約9%の下落率を記録した。
株価下落をみて他のアジア国市場は、過熱する中国経済への警戒感が一気に強まり、連動して株安となった。時間を置いて開かれたフランス、ドイツなど欧州の株式相場も連動して急落した。この流れは米国市場にも波及し、NYダウは一時前日比546.20ドル安を記録後、終値は416.02ドル安の1万2216.24ドルと、史上7番目の下げ幅で取引を終えた。その流れは南米諸国にも及び、株価が下落した。
明けて28日の東京株式市場は全面安。日経平均株価の終値は前日比515円80銭(2.85%)安の1万7604円12銭と、2006年6月13日の614円41銭安以来の大幅な下落を記録した。
時差の関係で、ほぼ同時刻で中国状況を知りえた東京市場は、最高値圏での利食い売り程度で同日を過ごした。それは独自性がなく、アメリカ崇拝でNYダウやシカゴ先物市場の動向ばかり気にして「アメリカがクシャミしたら、日本市場は風邪をひく」とした旧態型のセオリーを信奉しているからだ。
「中国」は、政経を官の管理下に収めているとの危惧を併せ持つが、今や、世界経済に最も影響力がある国として認め、実力は本物だと認識し、中国を直視していかないと、流れを見誤り、日本経済は世界の孤児となるだろう。

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