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2007年6月20日号

■金融政策現状維持全員一致で決定日銀

 日本銀行は15日、金融政策決定会合を開き、短期金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利を年0.5%とする現行政策の維持を、全員一致で決めた。
 議決権を持つ9人の政策委員(正副総裁3人と審議委員6人)は、国内経済は日銀の想定に沿って緩やかに拡大を続けているとの景気判断で一致した。
 長期金利は5月末以降、欧米金利上昇や日銀の利上げ観測を受けて急上昇している。会合では、速いペースの金利上昇が実体経済に及ぼす影響のほか、マイナス基調が続く消費者物価の動きなどを分析したもようだ。

■福井総裁発言で4年半ぶりの円安水準

 日銀の福井俊彦総裁は15日の政策委員会・金融政策決定会合後の記者会見で、経済・物価情勢について「目下のところ基本的シナリオに沿って動いている。この先も息の長い拡大が期待できる」と評価し、改善度合いに応じて徐々に利上げを行う考えを強調した。ただ、利上げのタイミングについては「前もって一切、予断を持っていない」と述べるにとどめた。
 東京外国為替市場では、総裁の会見後「早期利上げを示唆する発言が全く出なかった」として、一部で高まっていた利上げの前倒し観測が後退。円相場についても「円安が即リスク要因という単純なものではない」との発言が円安容認と受け取られ、円売りが一段と進み、年初来安値を更新し午後5時、前日比37銭円安・ドル高の1ドル=123円30-32銭で大方の取引を終えた。
 19日午前の同市場では、円売り・ユーロ買いが活発化し、一時1ユーロ=166円10銭と連日で史上最安値を更新した。ドルも1ドル=123円61-62銭と円安・ドル高。

■注意深く見守る円安の動向尾身財務相

 尾身幸次財務相は閣議後記者会見で、円相場が一時1ドル=123円台と約4年半ぶりの円安となったことについて「為替相場の動向をいつも注意深く見守っている」と述べた。為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映すべきだとの考えを改めて指摘したうえで「日本のファンダメンタルズは極めて順調だ」と語った。

■1-3月期GDP改定値年率3.3%に上方修正

 内閣府が発表した2007年1-3月期国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質が前期比(2006年10-12月)0.8%増、年率換算では3.3%増と、速報値の前期比0.6%増、年率2.4%増から上方修正された。
 プラス成長は05年1-3月期から9期連続。内閣府は「内需による堅調な景気回復の姿が示された」としている。
 設備投資が速報値のマイナスからプラスに転じたためで、企業部門を中心に景気の底堅さを示した。改定値は4日発表の法人企業統計を反映し、設備投資が0.3%増と速報値の0.9%減から大幅に上方修正。一方、GDPの5割以上を占める個人消費は0.8%増と速報値を0.1ポイント下回った。輸出は3.3%増と変わらず、輸入は0.4%増と0.5ポイント下方修正された。

■社会保障番号制度・年金医療介護一元管理

 安倍晋三首相は、参院厚生労働委員会で、年金や医療、介護などの給付と負担を一元的に管理するための社会保障番号制度の導入に向けた検討を急ぐ考えを表明した。
 国民1人ひとりに番号を付与し保険料の納付状況などを簡単に把握できるようにする構想。年金記録漏れ問題を受けた国民の年金不信をふっしょくする狙いだ。
 首相は「事務処理も容易でコスト面でも前進する。早急に検討しなければいけない課題だ」と述べた。
 同日夜には首相官邸で記者団に「カードにする制度としてつくったら便利ではないかという声もある」とも指摘。ICカードを活用してパソコンなどで簡単に自分の情報を確認できる仕組みを念頭に置いていることを明らかにした。

■パチンコ店倒産11件閉店年間940店

 民間信用調査機関の帝国データバンクが発表した倒産データによると、5月中に倒産したパチンコ店の倒産件数は11件、負債総額は147億円にのぼった。パチンコ店の倒産件数が2けたとなるのは2006年8月以来。
 04年7月の風営法改正により、パチンコ店は賭博(とばく)性の高い遊技機を今年9月末までに撤去するよう求められている。人気機種の撤去で売りあげ高が減り、入れ替え費用もかさんだため、業績が急速に悪化した。
 パチンコ店の倒産件数は増加傾向にあり、全国のパチンコホール数も04年12月から06年12月までに約940店減っている。遊技機の入れ替えは6-7月がピークのため、今後も倒産が増える可能性があるという。

■定期預金利率小幅アップ市場金利上昇で

 日銀が発表した預金種類別店頭表示金利によると、5月31日-6月6日に提示された定期預金(預入額300万円未満)の利率は、1年物から5年物で小幅上昇した。
 1年物は年0.347%、5年物は同0.559%とそれぞれ前週より0.001%高い。日銀が今夏にも金利引き上げを実施するとの見方から市場金利が上昇しているため。
 一方、5月の通貨供給量は前年同月比1.4%増の723兆2000億円となり、2006年4月以来の高い伸びとなった。定期預金に資金移る実態が明らかとなった。

■景気判断据え置き景気拡大5年5か月に

 大田経済財政相は、6月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気の基調判断は「生産の一部に弱さがみられるものの、回復している」と、2か月連続で据え置いた。これで2002年2月に始まった現在の景気回復は、月例報告としては5年5か月となり、戦後最長を更新した。
 大田経財相は会議後の記者会見で「企業収益は改善し設備投資も増加しており、景気回復の基調はしっかりしている。ただ、賃金が上がっておらず、消費が本当に強くなったとは思っていない」と述べた。
 報告では、個人消費について、小売業や外食の好調さを受けて「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」と2か月ぶりに上方修正した。一方、米国向けの自動車生産が横ばいのため、生産部門の判断は「このところ横ばい」から「横ばい」へ2か月ぶりに下方修正した。

 

2007年6月5日号

■力強さ無いが世帯消費支出額4か月連続増

 総務省が発表した4月の家計調査によると、全世帯の1世帯当たりの消費支出額は31万6163円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.1%増と、4か月連続のプラスだった。
 項目別では、大学授業料など払い時期を年度末から新年度に変更した「教育」が15.3%増と大幅増。応接セットなど「家具・家事用品」が9.0%増。マッサージチェアなど家庭用健康器具が好調だった「保健医療」は5.6%増となった。
 総務省は消費の現状について3か月連続で、「力強さは感じられないが、明るさを取り戻しつつある」とした。

■失業率9年ぶり4%下回り3.8%に改善

 総務省が発表した労働力調査によると、4月の完全失業率(季節調整値)は3.8%となり、前月比0.2ポイント改善した。4%を下回ったのは1998年3月(3.8%)以来9年1か月ぶり。倒産や経営不振による失業の減少や、新卒者の就職が好調だったことが背景にあり、雇用情勢の回復が一段と鮮明になってきた。
 失業率を性別でみると男性4.0%、女性3.6%で、それぞれ同0.1ポイント、0.3ポイント低下した。年齢階級別の失業率も、35-44歳を除くすべての年齢層で改善した。
 完全失業者数は前年同月比16万人減の268万人で、17か月連続で減少した。うちリストラなど勤務先の都合による失業は11万人減、就労者自身の都合による失業も6万人減った。就業者数は同76万人増の6444万人で、7か月連続の増加となった。
 同時に厚労省が発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.05倍で、前月から0.02ポイント上昇した。正社員有効求人倍率は0.58倍で前年同月と同水準だった。

■中国株FRB前議長警鐘後6.5%の大幅下落

 米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン前議長は5月23日、スペインのマドリードで開かれた会議に衛星中継で参加し、最高値更新を続ける中国の株式市場について「いずれ劇的な収縮が起きるだろう」と、株価の過熱に警鐘を鳴らしたと、欧米のメディアが報じた。これを受け、ニューヨーク株式市場で売り注文が広がり、取引中の最高値を更新していたダウ平均株価(工業株30種)は一転して下げに転じ、3日続落となった。
 一週間後の30日の中国・上海株式市場は、中国当局が株式投資の過熱を抑える具体策を打ち出したことを受け、大きく値を下げた。市場全体の値動きを反映する上海総合株価指数は一時、前日終値比7.37%安と4000割れ寸前まで急落した。終値は同6.50%安の4053.088。下落率は世界同時株安の2月27日の下げ以来、最大となった。
 続いて4日にも上海総合株価指数は、前週末終値比8.26%安の3670.401で引けた。

■日本対外純資産215兆円16年連続世界一

 尾身幸次財務相が閣議に提出した「対外の貸借に関する統計」によると、政府や民間企業、個人が海外に保有する資産から負債を差し引いた対外純資産残高(2006年末)は、前年末比19.0%増の215兆0810億円と過去最高を更新した。活発な対外投資や外国為替市場での円安が要因で、16年連続で世界最大の債権国の座を堅持するのは確実となった。

■ガソリン卸価格値上げ店売り140円台目前

 石油元売りの新日本石油とジャパンエナジーは29日、ガソリンなど石油製品の6月出荷分の卸価格を値上げすると発表した。値上げは4か月連続となる。
 新日石が前月に比べ1リットルあたり3.7円高、ジャパンエナジーが2.5円高となる。原油価格の上昇に加え、円安・ドル高が進んで原油調達コストが上がったことから、卸価格に転嫁する。記者会見した新日石の津田直和副社長は「ガソリンの店頭価格は上がっているが、コストアップ分に比べると、まだまだ上げ幅は小さい」と、今後も店頭価格が上昇するとの見方を示した。
 一方、石油情報センターによると、全国のレギュラーガソリンの平均店頭価格は21日時点で1リットル=136.7円で、2006年10月以来となる140円台が目前に迫る。

■年齢制限禁止など改正雇用対策法成立

 企業が労働者を募集・採用する際に年齢制限を原則禁止する改正雇用対策法が1日午前の参院本会議で可決、成立した。
 安倍晋三首相が掲げる再チャレンジ支援策の一環で、年長のフリーターや高齢者らの再就職を促すのが狙い。
 改正法では労働環境の急速な変化に対応。不法就労が後を絶たない外国人雇用を巡っては採用・離職時に氏名や在留資格・期間などを厚生労働省に届け出るよう事業主に求める。法務省とも情報を共有し、不法滞在の防止や摘発に役立てる。

■法人税収15兆円超に06年度見通し

 2006年度の国の法人税収(一般会計)が15年ぶりに15兆円を超える見通しとなった。好調な企業業績を背景に法人所得が増え、05年度に比べ二ケタ増の勢い。
 ただし、全体の国税収入は所得税が伸び悩み、予算の50兆4700億円に届くか微妙な情勢という。6月下旬に確定する法人税収がどこまで伸びるかが焦点。

■国の庁舎太陽光発電と屋上緑化を・首相

 安倍晋三首相は、首相官邸で開いた地球温暖化対策推進本部で、ほぼすべての国の庁舎で太陽光発電と屋上緑化を取り入れる意向を表明した。
 2012年までの6年で配備する計画だ。会合では京都議定書で定めた排出削減目標6%減(90年度比)について、05年度の実績値が7.8%増になったことも公表した。

■松岡農相が自殺現職閣僚では戦後初

 5月28日午後零時18分ごろ、東京都港区赤坂2の議員宿舎で、松岡利勝農相(62) が首をつっているのを秘書官らが発見、119番通報した。松岡農相は病院に運ばれたが、午後2時に死亡した。警視庁は自殺と認めた。
 松岡農相は政治資金問題で野党の追及を受け、辞任を求める声が上がっていた。現職閣僚の自殺は戦後初めて。
 安倍晋三首相は1日、自殺した松岡利勝前農相の後任に、自民党の赤城徳彦氏を充てる人事を発表した。同時に、政府は、緑資源機構を事実上解体。林道整備など主要2事業を廃止。談合再発防止に向け組織を抜本見直すなどの意向を示した。

 

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