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2007年8月20日号
07年お盆・金融経済が恐怖の釜開け

■世界同時株安連鎖・米住宅ローン問題から

米国の低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き問題の影響が世界的に拡大するとの懸念から、9日の欧州株式市場では、ロンドン証券取引所のフィナンシャル・タイムズ(FT)100種平均株価指数の終値が、前日より1.92%低い6271.20となった。フランクフルト証取のドイツ株式指数(DAX)は2.00%、パリ証取のCAC40種も2.17%下落して取引を終えた。
 欧州の株安の流れを引き継ぎ、ニューヨーク株式市場も、ダウ平均株価(工業株30種)の終値が前日比387.18ドル安の1万3270.68ドルと急落。下げ幅は、世界同時株安が起きた2月27日(前日比416.02ドル安)に次ぎ、今年2番目の大きさだった。
 一方、10日の東京株式市場は、欧米の株式相場が大幅に値下がりしたことを受けて、ほぼ全面安の展開となった。日経平均株価(225種)の下げ幅は一時、510円を超え、日経平均の終値は前日比406円51銭安の1万6764円09銭、TOPIXは同49.88ポイント低い1633.93だった。

■各国42兆円も資金供給・大型オペ実施

 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の不安が続く中、欧米の中央銀行は13日、前週末に続く3度目の資金供給を実施、十分な資金を供給する姿勢を市場に示し、市場の安定化に全力を挙げる姿勢を改めて示した。日米欧の各中央銀行は、市場安定化狙うため3日間でおよそ42兆円を供給したもようだ。
 これを受け同日の欧米株式相場は反発。小幅ながら上昇した同日の日経平均株価と合わせ、日米欧の連鎖安にひとまず歯止めが掛かった格好だ。

■日銀一転資金吸収に・金利急低下に対応

 日銀は米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題をきっかけとする市場の動揺を防ぐため、10、13の両日に計1兆6千億円の資金を供給していたが、一転して日銀は14日、短期金融市場で、2度にわたって資金吸収オペ(公開市場操作)を実施、計1兆6000億円を即日吸収した。
 日銀は2営業日連続で即日供給オペ(計1兆6000億円)を実施したが、14日は日銀が金融政策運営で市場操作の対象とする短期金利の無担保コール翌日物が誘導目標(年0.5%)を大きく下回って推移し、世界の金融市場も落ち着きを取り戻しつつあると判断、一転、吸収オペに踏み切ったもようだ。これで供給オペと同額を吸収した。
 日銀は15日にも、金融機関が資金をやりとりする短期金融市場で、2回にわたり計2兆円の資金を金融機関から吸収した。15日はまず1兆5千億円の資金を吸収したが、その後も短期金利の代表的指標である無担保コール翌日物金利が年0.30-0.40%と、日銀の誘導目標(年0.50%)を大きく下回った。日銀は資金の余剰感がなお強いと見て、さらに5千億円を追加吸収した。
 短期金利の低下を防ぐための措置で、1日の資金吸収量としては、今年2月21日(計2兆8千億円)以来の規模だ。14日も計1兆6千億円を吸収しており、2営業日連続で計3兆6千億円も市場から吸収したことになる。

■円急伸一時111円台1年2か月ぶり

 週末17日の東京外国為替市場の円相場は、米国の住宅金融問題に対する不安感から動揺が広がり、投資資産引き揚げによるドル売り・円買いが加速、一時前日よりも4円以上円高の1ドル=111円60銭まで急伸した。円相場の111円台は昨年6月5日以来、約1年2か月ぶり。対ユーロでも一時1ユーロ=150円を割り込んだ。

■市場混乱874円暴落3日連続安値更新

 週末の17日、東京株式市場の日経平均株価(225種)は、外国為替市場で一時、円が1ドル=111円台まで急騰したことを背景に、前日より874円81銭も下落、3日連続で今年の安値を更新して取引を終えた。
 日経平均の下げ幅は、2000年4月17日(1426円4銭安)以来、7年4か月ぶりの大きさ。終値は1万5273円68銭と、昨年8月7日以来の1万5300円割れとなった。東京株価指数(TOPIX)も前日比87.07ポイント低い1480.39で、昨年7月19日以来の1500割れとなった。

■長期金利1.5%台に急低下株安で資金流入

 世界的な株安が長期化するとの懸念から、債券市場に資金が逃げ込んだ。また、円相場の急騰も輸出企業の業績を悪化させ、国内景気に悪影響を与えるとの思惑を呼んで、債券買いを促した。17日の東京債券市場では、安全資産とされる国債が値上がり(利回りは低下)した。長期金利の指標となる10年物長期国債の利回りは一時、前日比0.065%低い1.575%と、3月23日以来約5か月半ぶりの水準に急低下した。
 これで日銀の再利上げは「8月どころか9月も利上げは難しい」と市場はみている。

■米FRB公定歩合0.5%下げ流動性確保

 米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンを震源とした信用不安の拡大に対処するため、市中の銀行が比較的緩い条件で各地区連銀から借り入れできる公定歩合の利率を年6.25%から5.75%に引き下げることを決定した。
 同時に、金融政策意思決定の最高機関である連邦公開市場委員会(FOMC)の電話会議を緊急開催し、「米経済の成長リスクが目に見えて高まった」とする声明を発表した。FOMCは、最重要政策金利となっているフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標については、5.25%に据え置いた。

■欧州株軒並み急反発NYダウ233ドル高

 週末17日の欧州各国の株式市場の株価は、米連邦準備制度理事会(FRB)による公定歩合引き下げを好感して軒並み急反発した。
 英市場では、FT100種平均株価指数は前日終値比3.5%高の6064.2と、6000の大台を回復して引けた。独株式主要30銘柄指数(DAX)は1.49%、仏CAC40種指数も1.86%それぞれ上昇した。
 17日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価(工業株30種)は、今年3番目の上げ幅となる前日比233.30ドル高の1万3079.08ドルと7営業日ぶりに反発した。終値で3日ぶりに1万3000ドル台を回復し、ひとまず、世界同時株安の連鎖に歯止めがかかった格好だ。

 

2007年8月5日号

■消費者物価5か月連続下落TV・PCが影響

 総務省が発表した6月の全国の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、値動きが大きい生鮮食品を除く総合で100.1となり、前年同月に比べて0.1%下落した。5か月連続の下落で、下げ幅は4月から3か月連続で同じだった。
 消費者物価の下落基調は、8月下旬の金融政策決定会合で追加利上げを検討する日本銀行の判断に影響を与える可能性がある。
 灯油やガソリンなどの石油製品は今年1月以来、5か月ぶりにプラスに転じたが、薄型テレビやパソコンなどのIT(情報技術)関連商品や海外パック旅行・国内宿泊代の下落で相殺されたかたちで、物価を押し下げた。
 薄型テレビなどの教養娯楽用耐久財は前年同月より17.9%下落し、全体の物価を0.17ポイント押し下げた。品目別では、薄型テレビは24.3%、ノート型パソコンは29.3%、デジタルカメラは31.5%それぞれ下落した。

■企業向けサービス価格1.4%上昇6月

 日銀が発表した6月の企業向けサービス価格指数(2000年平均=100)は94.3となり、2004年3月以来の高水準を記録した。
 前年同月比は、9年5か月ぶりの高い伸びとなった5月と同じ1.4%の上昇だった。中国など世界経済の拡大を背景に、海上貨物輸送関連の伸びが全体を押し上げた。
 内訳では、貨物用船料が44.0%、外航貨物輸送が16.0%の高い伸びを示し、運輸全体で5.1%上昇した。情報サービスも1.4%の上昇。広告は1.2%下落した。

■物価・GDPにとらわれず8月利上げ判断で

 日銀の野田忠男審議委員は、奈良市内で記者会見し、「消費者物価指数(CPI)や国内総生産(GDP)を無視するわけではないが、そこにとらわれることはない」と述べた。
 CPIは低迷が続き、8月半ば公表の4-6月期GDPも弱めの数字が予想されているが、他のデータや情報も含めて8月利上げの是非を判断する考えを示したもの。
 また、新潟県中越沖地震が自動車などの生産に与える影響については「幸い復旧に向けて動きだし、既に生産が再開されたと聞いている」として、短期的にとどまるとの見方を示した。ただ、参院選で政府・与党が惨敗したことから、今後の政局・経済政策に変更があるか見極めたい局面で、日銀がどう判断するか注目される。

■ガソリン小売147円元売り卸価格値上げ

 昭和シェル石油や新日本石油などの石油元売り各社は1日、ガソリンをガソリンスタンドに売る際の卸価格を1リットルあたり3.5-5円程度引き上げた。
 これを受けて、各地のスタンドでは、小売り価格に転嫁する動きが広がった。米国の原油先物市場は7月31日に最高値を更新しており、今後も石油製品の値上がりは必至と見られる。
 夏の行楽シーズンを迎え、家族連れドライブツアー計画の変更を強いられかも。都内のGSでは1日、現金払いカードの会員価格を1リットルあたり141円から145円に、非会員は143円から147円に、それぞれ4円ずつ引き上げた。

■関空第2滑走路使用で完全24時間空港に

 関西国際空港の第2滑走路(4000m)の使用が2日午前6時に始まった。現滑走路(3500m)と運用を使い分けでき、国内で初めて完全24時間国際空港が誕生した。
 発着能力も成田空港を上回る規模に拡大した。関空では利便性の高さを武器に、アジアの主要空港に対抗、好調な国際航空貨物の拠点空港を目指す。
 第2滑走路は長さ4000mで、成田空港の主滑走路と並び国内最長となる。

■電力・ガス料金値上げ大手各社10月から

 東京電力など電力大手10社と東京ガスなど都市ガス4社は、10月から電力、ガス料金をそれぞれ値上げすると発表した。
 原材料となる原油や液化天然ガス(LNG)、石炭の調達価格が上昇したためで、標準家庭の1か月あたりの電気料金は39-171円、ガス料金は28-38円の値上げとなる。
 電力10社がそろって値上げするのは今年1月以来。ガス4社の一斉値上げは同4月以来だ。
 値上げは、3か月ごとに原燃料の調達価格の変動を料金に反映させる制度に基づくもの。4-6月期の原燃料調達価格は1-3月期と比べ、原油が12.7%、LNGが2.9%、石炭が5.4%値上がりした。

■設備投資計画07年度バブル期以来の伸び

 日本政策投資銀行が発表した大企業の設備投資調査によると、2007年度投資計画は全産業で前年度実績より11.0%増え、24兆6876億円となった。
 バブル期の1990年度以来17年ぶりの2ケタの伸びとなり、好調な世界経済や消費回復を見据え、企業の投資意欲が依然として強いことを裏付けた。
 製造業は全14業種が投資を増やす計画で、全体では前年度実績比13.5%増の10兆3393億円と5年連続で2けたの伸び率を見込んだ。非製造業は同9.2%増の14兆3483億円を見込み、計画ベースでは6年連続の増加となった。
 業種別にみると、製造業では、電子部品が堅調な電気機械が7.8%増、欧米向け輸出や環境・安全技術関連への投資を増やしている自動車が9.9%増と堅調だった。ICチップ向けのシリコンウエハー需要が高まっている非鉄金属は46.1%増と高い伸びとなった。

■安倍政権ピンチ参院選自民惨敗37議席

 安倍政権で初の大型国政選挙となった第21回参院選は30日朝、全議席が確定した。自民は選挙区、比例代表とも不振で、改選64議席から37議席に転落した。公明も後退して9議席となり、与党は非改選を含め参院で過半数を大きく割り込んだ。
 民主は60議席に達し、初めて参院第1党に躍進した。安倍晋三首相は引き続き政権を担う意向だが、政権運営は容易ではなく、政局は緊迫の度を深めた。
 参院選は民主60、自民37、公明9、共産3、社民2、国民2、日本1、無所属7で改選議席が確定。結果、民主が参院第1党に躍進した。特に、参院改選1議席の29の1人区は、自民が6勝23敗と大幅に後退。民主は21選挙区に公認を擁立、17選挙区で勝利した。

 

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