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2007年10月20日号

■景気緩やかに拡大判断据え置き日銀月報

 日銀は10月の金融経済月報で、景気の現状について「緩やかに拡大している」とし、従来の判断を据え置いた。先行きについても「緩やかな拡大を続けるとみられる」として、前月までの見方を維持した。
 月報では、輸出の先行きについて「海外経済が全体として拡大するもとで、増加を続けていくとみられる」との判断を据え置き、生産の先行きも「内外需の増加を反映して、増加基調をたどる」との見方を変えなかった。
 生産の現状については、前月の「足もと横ばいながら、基調としては増加を続けている」から「増加基調を続けている」に表現を変えた。
 消費者物価指数の動向について「目先ゼロ%近傍で推移するとみられるが、より長い目でみると、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していくなか、プラス基調を続けて行くと予想される」とした前月までの判断を踏襲した。
 資本市場については「前月と比べ、長期金利および株価は上昇しているが、円の対ドル相場は下落している」とした。

■景気判断3地域で下方修正も全体は拡大

 日銀は10月の地域経済報告で、全体の景況感は「地域差はあるものの、全体として緩やかに拡大している」との判断を維持した。企業の業況感は、9月短観では中小企業の景況感の悪化が目立ったが、地域経済報告では「業況感は幾分慎重化しているものの、総じて良好な水準にある」との判断を示した。
全9地域のうち、東北など6地域は景気判断を据え置いたが、北海道、近畿、九州・沖縄の3地域は下方修正した。
 一度に3地域も下方修正したのは2005年4月の調査開始以来初めてだ。北海道は生産の持ち直し傾向が一服。近畿は住宅投資の減少や個人消費の伸び鈍化。九州・沖縄は住宅投資減少や製造業業況感が幾分慎重化した。などを起因とした。
 地域経済全体の判断としては、景気が「拡大」とした関東甲信越・東海・近畿と、「回復」ないし「横ばい」としているその他地域の格差は、引き続き見られていると指摘した。

■日銀・金融政策現状維持・利上げ見送り

 日銀は11日、金融政策決定会合を開き、政策金利の無担保コール翌日物を年0.5%に誘導する現行政策の維持を賛成8、反対1の賛成多数で決めた。水野審議委員は利上げを主張し、4か月連続で現状維持に反対票を投じた。
 米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題を背景に、景気の下振れ懸念が残っており、なお経済・物価情勢を見極めるのが妥当と判断した。
 欧州中央銀行(ECB)が今月、前回に続いて利上げを見送ったほか、米国でも追加利下げ観測が台頭してきた。
 サブプライム問題に端を発した世界規模の信用収縮懸念は、金融市場の混乱のほか、欧米の金融機関で巨額損失の計上が相次ぐなど波紋が広がってきた。日銀も今後、実体経済へのリスクをなお慎重に見極める必要があるとの見方を強めたもようだ。

■金価格23年ぶりグラム3000円大台突破

 金の小売価格が上昇している。15日の国内小売価格(田中貴金属工業)は1グラム=3003円と1984年3月以来約23年ぶりに3000円の大台を突破した。
 東京工業品取引所で15日、取引の中心となる金先物価格(2008年8月渡し)が一時、1グラム=2883円と、84年10月以来の高値となった。国際指標となるニューヨーク商業取引所の金先物価格も8月下旬から上げ幅を拡大している。
 米国景気の先行き不透明感などから、海外のドル建て金価格の上昇が続いているうえ、為替の円安傾向が円建て価格を押し上げたとの見方がある。一方で、相場の動きは実需を反映しているわけではなく、機関投資家が商品市場に参入していることで、市場価格が需給バランス以上に押し上げられているとの指摘もある。

■上海総合株価指数6000大台乗せ史上初

 週明け15日の中国・上海株式市場は、共産党大会が同日始まったことを背景に高値警戒感が薄らぎ、大型株を中心に値を上げ、上海総合株価指数は初めて6000の大台に乗せ、前週末比2.15%高の6030.086と、最高値を更新して終えた。
 鉄鋼やエネルギーなどの大型企業株が買われた。同指数の上昇率は、今年に入って125%に達した。市場関係者は「共産党大会の期間中は、株価下落につながる政策は出ないという安心感が投資家を強気にさせている」と指摘した。
 中国人民銀行は先週末、今年8回目となる預金準備率の引き上げを発表するなど、株式市場の過熱を警戒する姿勢を続けているが、市場ではほとんど材料視されず、個人投資家主導の上げ相場が続いている。

■NY原油史上初90ドル台投機マネー流入

 18日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、トルコとイラク北部のクルド人武装勢力との緊迫化に伴う供給不安の高まりと、ドル安進行で海外通貨から見たドル建て原油に割安感が出たことなどから大幅反発した。
 米国産標準油種WTIの11月物の通常取引終値は、前日比2.07ドル高の89.47ドルと2日ぶりに終値ベースの最高値を更新した。さらに、通常取引終了後の時間外取引で一時1バレル=90.02ドルまで上伸し、史上初の90ドル台を記録した。
 OPECのバドリ事務局長は「OPECは現在の価格水準が好ましいとは思わないが、高値を支えているのはファンダメンタルズではなく、供給量は十分であると強く信じている」と述べ、主要消費国の在庫は十分だと指摘した。市場関係者は「投機的資金が商品・原油に流れ込み、完全なムード相場になっている」「90ドル乗せは時間の問題で、大きな材料があれば乱高下しながら、100ドルに向かうのではないか」と見ている。

■11月ガソリン価格150円超の可能性

 石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)は定例記者会見で、新日石がガソリンなど石油製品の11月出荷分の卸価格を10月に比べ1リットルあたり4.8円程度値上げする見通しを明らかにした。
 石油情報センターが同日発表した15日時点の全国のレギュラーガソリン平均店頭価格は、前週比0.2円高の1リットル=144.9円で、8月中旬に記録した最高値145.4円に迫った。11月以降はレギュラー1リットル=150円を超える可能性が出てきた。

 

2007年10月5日号

■基準地価商業地全国平均16年ぶり上昇

 国土交通省が発表した2007年の基準地価(7月1日時点)によると、全用途の全国平均は0.5%下落し、率は縮まったものの、16年連続のマイナスだった。
 景気回復を受けて、商業地の全国平均は前年比1.0%上昇し、バブル期の1991年以来16年ぶりに上昇に転じた。けん引役となったのは3大都市圏で、全用途平均が5.1%上昇し、前年の0.9%から上昇率が高まった。
 住宅地の全国平均は16年連続で下落したものの、下落率は4年連続縮小して0.7%とほぼ横ばいとなった。
 東京、大阪、名古屋の3大都市圏では、地価は住宅地、商業地とも2年連続で上昇し、住宅地は4.0%、商業地は10.4%だった。
 福岡、札幌、仙台の商業地は平均上昇率が10%を超えた。地方も中核都市や有力観光地に地価上昇が波及し、大都市から地方へ地価上昇が波及していることも確認された。
 ただ、最近の半年ほどでは、急速に地価が上昇した大都市の一等地で、上昇ペースの鈍化傾向や、地方でも都市部と周辺部の格差が広がりなど、地価の動向はまだら模様が顕著だ。

■大企業景況判断指数2四半期ぶりプラス

 内閣府と財務省が発表した2007年7-9月期の法人企業景気予測調査によると、自社の景況感を示す景況判断指数は、資本金10億円以上の大企業(全産業)で、前期(4-6月期マイナス0.9)比7.1ポイント上昇して6.2となった。建設機械や自動車などの海外需要が好調で、4・四半期ぶりに改善、プラスに転じたのは2・四半期ぶり。
 製造業は自動車などの海外需要のほか、携帯電話など情報機械の国内需要も好調で、景況判断指数は7.7(前期はマイナス2.2)と大幅に改善。非製造業は、情報通信や建設業、商社などが好調で5.3(同マイナス0.2)となった。
 資本金10億円未満の中堅企業全産業も0.7(同マイナス5.1)とプラスに好転した。1億円未満の中小企業はマイナス22.3だったが、前期のマイナス25.1と比べ、減少幅が小さくなった。
「事業規模で差があるが、全体的に企業業績は好調」とみて、10-12月期の景況判断指数は9.2と見込んだ。

■貿易黒字大幅増前年比3.9倍地震の反動で

 財務省が発表した8月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字は前年同月の3.9倍となる7432億円と大きく伸びた。2か月ぶりに昨年実績を上回った。
 輸出額は14.5%増の7兆0301億円で8月としては過去最高の水準。英国やロシア向けの自動車が好調だった。輸入額は5.7%増の6兆2869億円と単月では2番目の記録。数量ベースでは同5.6%減だったが、銅などの非鉄金属鉱の価格上昇などで輸入額は増えた。
 原油価格は過去最高値を更新したが、輸入原粗油は、同0.6%減の1兆1372億円と3か月ぶりに減少したため、石油の輸入額は抑えられた。新潟県中越沖地震の影響で、自動車部品の生産が一時停止に追い込まれ、7月は自動車輸出が落ち込んだが、8月は回復し、貿易黒字を押し上げた。

■サブプライム損失最大23兆円調整長期化も

 国際通貨基金(IMF)は発表した「国際金融の安定性」報告書で、低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題による損失が最大2000億ドル(約23兆円)に達する可能性があるとの試算を明らかにした。
 サブプライムによる損失では、米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長が7月、最大1000億ドルとの見積もりを示していたが、市場の混乱を受けて、大幅に拡大する試算となった。IMFは「損失計算は前提によって異なる」としたうえで、2000億ドルと1700億ドルの損失見積もりを示した。

■日本郵政グループ24万人巨大企業誕生

 国営・公社として明治以来136年続いた官営郵政事業は幕を閉じ、1日、民営・分社化され、政府出資の株式会社・社員数約24万人資産335兆円の日本郵政グループ・という巨大企業集団として生まれ変わった。
 小泉純一郎元首相が「構造改革の本丸」と位置付け、衆院解散・総選挙にまで打って出て道筋を付けた一大施策が実現した。同日早朝、東京・霞が関の本社前で、福田康夫首相、小泉元首相ら政界の要人を集め発足式が行われた。
 全国の郵便局で記念切手の販売や記念押印を実施する。また、新規事業の一つとして、首都圏の23の郵便局で自動車保険の受託販売を始めるなど、臨戦態勢で民営化初日を迎えた。

■9月短観・大企業製造業プラス23横ばい

 日本銀行は、9月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を表す業況判断指数(DI)は、大企業・製造業でプラス23と、前回の6月調査と変わらず、2期連続で横ばいだった。金融市場の混乱が経営者心理に与える悪影響が懸念されていたが、国際競争力のある大企業製造業の景況感は高水準を維持した。大企業・非製造業は2ポイント下落し、プラス20となった。
 一方、中小企業は原材料価格の上昇などが響き悪化した。中小企業・製造業は5ポイント下落してプラス1となった。非製造業はマイナス10で、前回に比べて3ポイント下落した。

■福田・背水の陣内閣正式発足13閣僚再任

 自民党の福田康夫総裁(71)は9月25日夕、国会で首相指名を受け、第91代、58人目の首相に就任した。福田氏は同日夜に組閣を終え、福田内閣を始動させた。
 閣僚人事では、▽官房長官に町村信孝外相を横滑りさせ▽外相の後任に高村正彦防衛相を▽防衛相に石破茂▽文部科学相に渡海紀三朗と、安倍前内閣からの閣僚交代は4人だけ、13閣僚は再任した。手堅さ優先の実務型布陣とした。
 首相官邸や国会内のナンバー2席に高村外相、左隣に鳩山法相(総裁選で麻生陣営の選対本部長を務めた)が座る。首相官邸スタッフは、官房長官に出身派閥の会長である町村氏、再任された政務の官房副長官、大野松茂、岩城光英両氏と、政治家スタッフはすべて町村派で占め。また、官僚トップとなる二橋正弘官房副長官も、3年間小泉政権の官房副長官を務め、福田氏が04年5月に官房長官を辞任するまで補佐した。

 

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