日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2007年11月20日号

■日銀金利据え置き賛成8反対1で決定

 日本銀行は13日、金融政策決定会合を開き、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の年0.5%のまま据え置き、追加利上げを見送ることを賛成8、反対1の賛成多数で決めた。水野温氏審議委員は6回連続で現状維持に反対した。
 急激に株安・円高が進んでいることや、サブプライム関連に絡んだ米金融機関の損失拡大など、米経済の先行き懸念が強いことから、利上げに慎重な意見が出た模様だ。
 福井俊彦日銀総裁は、会合後の記者会見で、米国の住宅ローン問題の影響について「予想外に悪化すれば、逆資産効果、信用収縮、企業や家計のマインド悪化などを通じ、米景気減速が一段と厳しくなる」と述べ。「程度によっては世界経済が下振れし、日本経済にも影響が及ぶ」と強い警戒感を示した。日銀が利上げする上で大きな判断材料となる米景気の先行きを見極めるには、なお時間がかかるとの認識を示した。

■景気緩やかに拡大・判断据え置き月報

 日銀は11月の金融経済月報で、景気の現状について「緩やかに拡大している」とし、従来の判断を据え置いた。先行きについても「緩やかな拡大を続けるとみられる」として、前月までの見方を維持した。
 米サブプライムローン問題をきっかけに、世界経済の先行き不透明感が漂っているが、輸出の先行きについて「海外経済が全体として拡大するもとで、増加を続けていくとみられる」との判断を据え置き、生産の先行きも「内外需の増加を反映して、増加基調をたどる」との見方を変えなかった。
 消費者物価指数(除く生鮮食品)動向に関しては「目先ゼロ%近傍で推移するとみられるが、より長い目でみると、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していくなか、プラス基調を続けていくと予想される」とした前月までの判断を踏襲した。
 国内企業物価の先行きについては「当面、国際商品市況などを背景に、上昇を続ける可能性が高い」とした。

■ガソリン初150円突破12月は155円に

 石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)は、原油高騰に伴う調達コスト上昇のため、新日石が12月出荷分の石油製品の卸価格を1リットルあたり5円値上げする方針だと明らかにした。この通りになれば、「155円の水準になる」という。
 灯油については、過去に価格転嫁しきれなかった分も上乗せして同8円引き上げる方針だ。
 渡会長によれば、原油高のため11月の石油製品の調達コストは、現在までで1リットルあたり6.8円上昇した。半面、円高などで1.9円のコスト削減効果があり、差し引き5円のコスト上昇分を卸価格に反映させる。新日石が卸価格を引き上げるのは3か月連続となる。
 石油情報センターの調査によると、今月12日時点の全国のレギュラーガソリンの平均店頭価格は1リットルあたり150.1円、灯油(18リットル)価格は1605円と、いずれも最高値を更新している。

■08年度2.1%成長予測07年度は1.5%

 7-9月期国内総生産(GDP)の発表を受けた主な民間調査会社の経済予測によると、物価変動の影響を除く実質成長率は13社平均で2007年度が1.5%、08年度は2.1%と予測した。
 今年度は住宅着工の急減などで減速感が強まるが、好調なアジア経済に支えられ、来年度以降に持ち直すとの見方が大勢だ。ただ、いずれも政府経済見通し07年度2.1%、08年度2.2%を下回った。
 国内需要では、身近な食品の値上げや、米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題に伴う株価下落などが、消費者心理に影響を与える懸念材料とした。内需の急回復は見込めそうにないが、北京オリンピックを背景とする中国向け輸出増や米国経済の持ち直しを受け、来年度も外需主導の景気回復が続くという。

■金融経済が恐怖の釜開け・その後の顛末

 8月5日号で「07年お盆・金融経済が恐怖の釜開け」として特集記事で紹介しました。その後日談、ハイリスク・ハイリターンの金融商品は、サブプライムローンの焦げ付きで破綻。世界中の金融機関が同商品に絡む多額な追加損失を計上した。
 金融資本は矛先を、石油・金・株式の市場に向け、各市場は狂乱状態に陥りました。金融経済のマネーゲーム化は、実態経済へ多大な影響を与えつつ年末を迎える。

■7日間56兆・釜開け後103兆円吹き飛ぶ

 13日東京株式市場は、円高や米国株安を背景に売りが優勢となり、日経平均株価の終値は前日比70円46銭安の1万5126円63銭と前日に続く年初来安値を更新した。
 2006年7月26日以来、1年4か月ぶりの安値。8営業日続落は2004年9月以来3年2か月ぶり。
 東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も、1.67ポイント低下の1454.73と8日続落した。出来高22億1937万株、売買代金2兆8070億円。
 前日までの7営業日で日経平均は1700円近く下落した。日経平均株価が7営業日続落した12日、東京証券取引所第一部の時価総額は469兆6263億円となり、この間に目減りした金額は56兆5894億円に達した。
 同日、東証1部1722銘柄のうち1579銘柄が値下がりし、うち606銘柄が今年の最安値を更新した。日経平均が今年の最高値1万8261円98銭を記録した7月9日の時価総額は572兆9951億円。同日比では、103兆3687億円減った計算となる。

■米FRB資金供給5兆2000億円最大級規模

 米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、傘下のNY連邦準備銀行を通じ、3回の公開市場操作で計472億5000万ドル(約5兆2000億円)を短期金融市場に供給した。
 1日の資金供給量としては、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き急増を背景に欧米金融市場の混乱が始まった8月9日以降で最も多く、米同時テロ直後の2001年9月以来の規模だ。
 シティグループなど米大手金融機関が11月に入ってサブプライム関連の追加損失を相次ぎ発表し、米金融機関の経営の先行きに対する不透明感が市場に広がり、短期資金の需給が通常より引き締まるケースが出たためとみられる。

 

2007年11月5日号

■民主党政権担当能力ないと小沢代表辞職

 民主党の小沢代表は4日夕方、「民主党代表としてけじめをつける。党首会談で要請のあった連立政権の樹立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、代表を辞することを決意し、辞職願を提出し、執行部に進退をゆだねた」と述べた。

■値上げ続出も消費者物価8か月連続下落

 総務省が発表した9月の全国消費者物価指数(2005年=100、生鮮食品を除く)は100.3と前年同月比で0.1%下落し、8か月連続のマイナスとなった。
 薄型テレビ18.9%、ノート型パソコン27.8%、カメラ31.5%と値下がり。家庭用耐久財6.7%下落、携帯電話料金も4.1%値下がりなどが、物価全体を押し下げた。
 足元では高騰しているエネルギー関係も、前年の方が高騰していたことで0.2%の値下がりと、物価の押し上げ要因にはならなかった。
 さらに、原材料費の高騰を受け、マヨネーズやツナ缶、ラーメン、ガソリンなど生活関連商品の値上げが相次いでいるが、統計には表れていない。指数への影響度が大きい薄型テレビやパソコンなどが大きく値下がりし、打ち消されてしまった。

■法人所得過去最高57兆円16年ぶり更新

 今年6月までの1年間(平成18事務年度)に税務申告した全国の法人の所得総額が前年度比13.3%増の57兆828億円に上り、16年ぶりに過去最高を更新したことが国税庁のまとめで分かった。
 これまで最高だったバブル期に記録した53兆1223億円を大きく上回った。所得総額は4年連続で増加しており、企業業績が好調であることが裏付けられた。
 税務申告したのは過去最多の278万7000法人。このうち黒字申告した法人は32.4%で、過去最低の30.3%だった14事務年度以降、4年連続の上昇となった。黒字申告した法人の割合はバブル期が50%前後だったが、06年度は32.4%にとどまった。

■コメ作況平年並みも主食用収穫は予測超

 農林水産省が発表した2007年産米(水稲)の作況指数(10月15日現在、平年=100)は、全国平均が99の「平年並み」となり、2年連続で100を下回った。秋雨や台風の被害が全国的に少なく、前回調査(9月15日現在)と同じだった。
 前回調査と比べ九州北部や北海道など13道県で悪化し、宮崎、鹿児島両県など8県は前回より改善した。主食用のコメの予想収穫量は854万トンで、需要予測の833万トンを21万トン上回った。前回調査時の23万トンより減った。

■小麦大麦・干ばつで生産高大幅下方修正

 オーストラリア農業資源経済局(ABARE)は、豪東部など穀物生産地で降雨量がここ約1か月少なかった状況を受けて、2007年度産の主要穀物の生産見通しを9月に続き、再び下方修正した。小麦は9月時点の1547万5000トンから1209万5000トン、大麦は589万5000トンから504万5000トン、菜種(キャノーラ)は111万6000トンから90万9000トンにそれぞれ予測が修正された。

■供給量充分もNY原油96ドル超え初

 31日のニューヨーク商業取引所の原油先物相場は、国際的な指標であるテキサス産軽質油(WTI)の12月物は時間外取引で史上初めて1バレル=96ドルを突破し、96.24ドルの最高値をつけた。2日12月渡し価格の終値は、前日比2.44ドル高の1バレル=95.93ドルと、終値の最高値を更新した。原油価格はこの3週間で20%も上昇、市場からは100ドル突破も視野に入ったとの声が出ている。
 石油輸出国機構(OPEC)のハミリ議長は30日、当地で講演し、原油相場に関して、「懸念している」と述べた。ただ、11月17、18日にサウジアラビアのリヤドで開催されるOPEC首脳会議では、原油増産を協議する計画はないと言明した。

■電力ガス・ガソリン冬に向け一斉値上げ

 東京電力など電力10社と、東京ガスなど都市ガス大手4社は、2008年1-3月の電気料金とガス料金をそれぞれ値上げすると発表した。1か月あたりの標準家庭の電気料金は42-156円、ガスは53-75円の値上げとなる。
 原油や液化天然ガス(LNG)、石炭など燃料・原料の価格が高騰しためだ。3か月ごとに燃料の調達価格の変動を料金に反映させる制度に基づくもので、14社ともに07年10-12月に続く値上げとなる。7-9月期の燃料価格は、4-6月期と比べて原油が9.2%、LNGは5.8%、石炭は6.0%上昇した。
 また、石油元売り大手のジャパンエナジー、昭和シェル石油、出光興産は、11月1日からガソリンなど石油製品の卸価格を値上げすることを明らかにした。ジャパンエナジーと昭和シェルが1リットルあたり6円、出光興産は4円それぞれ引き上げる。

■日銀追加利上げ見送りGDP1.8%に修正

 日本銀行は31日、金融政策決定会合を開き、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の年0.5%のまま据え置き、追加利上げを見送ることを賛成8、反対1の賛成多数で決めた。反対したのは水野温氏審議委員。
 会合後公表した展望リポートによると、政策委員9人による実質国内総生産(GDP)成長率の予想中央値は2007年度を前回2.1%から1.8%に下方修正した。そのうえで、景気の現状は「緩やかに拡大している」と指摘した。
 2008年度は前回と同じ2.1%に据え置いた。先行きは「海外経済や国際金融資本市場の動向など不確実な要因はあるものの、生産・所得・支出の好循環メカニズムが維持されるもとで息の長い成長を続ける」と見通した。

■米FRB追加利下げ0.25%FF金利4.5%に

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、31日開いた金融政策決定のための連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き下げて年4.5%とすることを決めた。前回9月18日4年3か月ぶりの利下げ0.5%に続き、2回連続の引き下げとなる。FRBは同時に、市中金融機関への直接の貸し出しに適用する公定歩合についても、0.25%引き下げて5%とすることを決めた。
 FOMCは声明で、「物価安定と持続的成長の促進のため、金融市場その他の動きが経済に与える影響を注視し、必要があれば行動する」として、追加利下げは現時点では、視野に入れていないことを示唆した。

 

BACK   HOME   INDEX   NEXT