日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信 日本経済の現況 経済トピックス発信

2008年5月20日号

■景気動向指数DI方式33%判断一進一退

 内閣府が発表した3月の景気動向指数(速報値DI方式)によると、生産部門の悪化などを背景に、9指標のうち、鉱工業生産指数、中小企業売上高など6指標が悪化、3指標が改善だった。結果、現状の景況感を示す一致指数が33.3%となり、2か月ぶりに景気判断の分かれ目となる50%を割り込んだ。内閣府では基調判断を「一進一退で推移している」とし、2か月連続で表現を据え置いた。
 数か月先を見通す先行指数は20.0%、景気を事後的に確認する遅行指数も25.0%と、3指数ともに50%を下回った。一致、先行、遅行の3指数がすべて50%を割ったのは01年12月以来で、現在の景気拡大期(02年2月〜)では初めて。
 景気動向指数は、原則として、一致指数が50%超なら「景気は上向き」、50%割れなら「下向き」、50%なら「横ばい」と判断する。

■3月は弱含み・算出方法CI方式採用では

 内閣府は3月の景気動向指数(速報)について、4月統計から中心指標に採用する「CI」(合成指数)の基調判断では「弱含み」と発表した。
 現在の指標(DI)では1月から3か月連続で「一進一退」だったが、景気変動の強弱を算出できるCIでは1、2月も「弱含み」と判断されており、足元の景気の弱さが浮き彫りとなった。内閣府がCIの基調判断を公式に示したのは初めて。
 内閣府は、景気の動向を判定する道具として使っている「景気動向指数」の算出方法を、6月に発表する2008年4月分から見直す。
 現在は、指数を構成する経済指標のうち、3か月前の水準と比べて改善した指標がいくつあるかを示す個別指標の「勝ち負け」にこだわった「DI方式」を採用しているが、4月分からは、個別指標の「勝ち方・負け方」の度合いを反映させる変化率を組み合わせて指数化する「CI方式」に改める。
 米国や経済協力開発機構(OECD)などもCI方式を採用しており、「国際標準に合わせるべきだ」と判断した。

■1-3月GDP好調年度も政府見通し上回る

 内閣府が発表した08年1-3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.8%増、年率換算で3.3%増と3四半期連続でプラス成長となった。
 輸出は欧州やアジア向けを中心に引き続き力強く、GDPの約半分を占める個人消費は、所得の伸びを背景に自動車やパソコン、鍋物用の魚介類、国内旅行の需要が好調で0.8%増と6四半期連続のプラス、平成18年4-6月期以来の高い伸びを記録した。
 ただ、円高や原油高で企業収益が悪化するなか、設備投資が3期ぶりにマイナスに転落するなど先行きは楽観できない。
 物価変動を含み、生活実感に近い名目GDPは0.4%増(年率1.5%増)とプラスに転じた。ただ、名目が実質を下回り、デフレを示す「名実逆転」は5期連続となった。
 結果、07年度の実質成長率は1.5%と06年度を大きく下回ったが、政府経済見通しの1.3%は上回った。

■機械受注3月民需8.3%減・判断弱含み

 内閣府が発表した3月の機械受注統計(季節調整値)によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」は前月比8.3%減の9568億円と2か月連続で縮小した。2005年5月以来の低水準。
 4-6月期の見通しも前期比10.3%減と落ち込むため、内閣府は基調判断を「一進一退」から「足元は弱含んでいる」に下方修正した。
 基調判断の下方修正は1年ぶり。3月の民需は製造業が前月比7.0%減、非製造業は9.5%減。製造業は化学工業などが減少し、非製造業は通信、建設などが落ち込んだ。

■経済競争力ランキング米トップ日本22位

 スイスの民間研究機関、国際経営開発研究所は、08年版の「経済競争力ランキング」を発表した。対象は55か国・地域で、1位米国、2位シンガポール、3位香港の順位は昨年と変わらなかった。
 日本は昨年の24位から22位に上昇。昨年15位の中国は17位だが、2年連続で日本を上回った。アジアでは、台湾(13位)とマレーシア(19位)も日本より上位。
 日本は、企業の効率性で消費者の満足度(1位)、従業員の訓練(3位)、福祉や教育も含むインフラ部門の競争力(4位)などが高い評価を得た。政府部門の効率性では、金準備を含めた公的準備(2位)などの半面、法人税(55位)、政府債務(54位)が低い評価にとどまり、政府の効率性は39位という評価を受け、順位は全体として伸び悩んだ。

■被災者100万人支援受けられずミャンマー

 ミャンマーでは、5月2日夜から3日にかけて、サイクロンの直撃を受け、大規模な被害が発生。ミャンマー国営放送は、5月11日、サイクロンによる死者は2万8458人、行方不明者は42,119人に上ると報じた。しかし、死者、被害規模は今後さらに増え続けると予想され、国連では、被災者が今後、100万人に達すると予想。
 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、サイクロンの直撃から1週間が過ぎたが、支援物資を手にすることができた被災者は50万人程度。同スポークスマンは、「被災者は150万-200万に上ると推計しており、救援活動が非常に遅れている」と懸念を示した。一方、世界食糧計画(WFP)は、9日に搬送した食糧などの支援物資が、10日もミャンマーの軍事政権に差し押さえられたままの状態であることを明らかにし、「支援の努力を無駄にする行為」と非難した。

■四川大地震M8被災者450万人避難生活

 中国地震局は発生から1週間を迎える19日、 四川大地震をM7.8からM8に修正した。国務院(政府)によると18日現在、地震による死者3万2477人、負傷者22万109人に上り、四川省だけで450万人超が避難生活を強いられているとした。
 地震直後から被災地入りした温家宝首相をトップとする災害対策本部は、物資の供給や搬送態勢の拡充を決定。地震発生4日目を迎えた被災地ではまだ多数が行方不明や生き埋めとなっており、中国政府は救援態勢を一層強化し、被害者の救出に全力を挙げている。中国の胡錦濤国家主席は視察のため、16日午前に四川省入りした。胡主席は地震後、現地に入るのは初めて。

 

2008年5月5日号

■電気・ガス料金大幅値上げ7月から

 電力10社と都市ガス大手4社は、それぞれ7-9月の料金を値上げすると発表した。夫婦と子供2人の標準的な家庭の場合、1か月あたりの値上げ幅は電気が60-159円、ガスは128-166円となる。
 燃料価格と為替レートの変動を3か月ごとに反映させる原燃料費調整制度に基づく措置で、基準となる1-3月の原油は前期(昨年10-12月)比6.0%、液化天然ガス(LNG)は同10.5%上昇したことが要因だ。
 4-6月の値上げを見送った北陸電力を除く13社は、07年10-12月以降、4期連続の値上げ。うち中部、北陸、関西の電力3社と東邦ガスの上げ幅は、96年にこの制度が始まって以来最大。東京電力の上げ幅も、前期4-6月に次いで2番目の大きさだ。
 ガス4社の料金は現行の制度では最高になるなど、光熱費の上昇で家計への負担が一段と高まりそう。

■3月粗鋼生産量単月で史上最高記録

 日本鉄鋼連盟が発表した08年3月鉄鋼生産概況によると、3月の鉄鋼生産量は、銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)のいずれも前月比、前年同月比で増加したことが分かった。
 粗鋼生産は1077.9万トン(前月比9.9%増、前年同月比5.1%増)で、前年同月比は22か月連続の増加。単月では、これまで最高の1973年10月(1066.0万トン)を抜いて史上最高を記録した。
 また、07年度の銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材生産はいずれも06年度を上回り、粗鋼と熱間圧延鋼材生産量はともに史上最高を記録した。

■全国消費者物価1.2%上昇原油・食品高で

 総務省が発表した3月の全国消費者物価指数(2005年=100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合で100.8となり、前年同月と比べて1.2%上昇した。
 前年同月の実績を上回るのは6か月連続。伸び幅は、2月1.0増よりも0.2ポイント拡大。1998年3月(1.8%)以来10年ぶりの高さ。未曽有の原油高に加え、相次ぐ食品の値上げが大きく影響した。項目別で価格の上昇幅が大きかったのは光熱・水道で4.2%上昇。生鮮食品を含む総合では101.0と、1.2%上昇した。
 東京都区部の4月の消費者物価指数速報値は、前年同月比0.7%増だった。

■鉱工業生産前月比3.1%減最大の下げ幅

 3月の鉱工業生産指数速報値(2005年=100、季節調整済み)は前月比3.1%低下の106.8と、2か月ぶりにマイナスとなった。北米向け乗用車などが落ち込み、好調だった2月の反動もあり、03年1月以降、最大の下げ幅となった。
 先行き4月は前月比0.3%低下。5月は3.4%の上昇と見込んでおり、基調判断は昨年12月からの「横ばい傾向」で据え置いた。

■金利据え置き・リポートで景気は減速と

 日銀は金融政策決定会合で、政策金利を年0.5%に据え置くことを全員一致で決めた。定員9人の政策委員のうち副総裁と審議委員が1人ずつ欠けており、前回会合と同様に7人で決定した。金利据え置きは、07年2月に追加利上げして以来、17回連続。
 同日午後に公表した08-09年度の景気を予測する展望リポートで、日本経済の現状について、原油の高騰などから「景気は減速を続ける」と指摘し、先行きは「おおむね潜在成長率並みの緩やかな成長を続ける可能性が高い」との見通しを示した。
 また、景気が日銀の見通しを外れ、上振れ・下振れする確率の分布を示した「リスク・バランス・チャート」・ (中心値は1.5%増だが、それよりやや低い成長の1.0-1.4%となる確率は25%に。さらに0.5-0.9%は16%に。一方、上振れ方向の2.0-2.4%成長となる確率は13%にとどまるなど、日銀が「景気の下振れリスクを意識」しているのを示したり。経済・物価を取り巻く不確実性が高まっているのを踏まえ、政策運営の透明性を増す観点から明示する)・を初めて公表した。
 その結果、今年度のGDP成長率は、政策委員が予想した中央値で1.5%となり、前回の発表から下方修正。来年度については1.7%を予測した。また、消費者物価指数の上昇率は、今年度は1.1%、来年度は1.0%を見込んだ。

■サブプラ危機最悪期脱した・NYSE首脳

 ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEユーロネクストのニーダーラウアー最高経営責任者(CEO)は1日、ニューヨーク市内で記者会見し、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き急増に伴う金融市場の混乱について「最悪期は脱した」と述べ、金融市場は今後落ち着きを取り戻すとの認識を示した。
 同CEOは、サブプライム危機について、金融機関が複雑で流動性のない商品に過度な投資を行ったことが原因と指摘。取引所経由でこのような取引を行えば、透明性や流動性が高まり、金融危機の再発防止につながるとの見方を示した。
 一方、国内の金融機関は08年3月期にサブプライムローン問題に関連した損失として合計1兆5000億円超の損失を計上する見通し。

■停滞混乱無秩序・民主党が描いた日本像

 石油情報センターが2日発表した臨時価格調査によると、ガソリン税の暫定税率が復活した1日現在のレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭価格は、全国平均で153.4円となり、復活前の4月28日と比べ22.8円上昇した。わずか一日で暫定税率失効前の水準以上にまで値上がりした。次回は、5日分を調査して7日に公表する。
 道路特定財源の暫定税率を含む歳入関連法案が30日の衆院本会議で再議決・成立したことで、税収減の影響は、国・地方で1800億円程度となる見通しだ。
 国が手当てする1800億円は税収全体では小さな額に見えるが、20年度予算で、国債の新規発行を前年度より840億円削ったばかり。景気後退もささやかれる中、政治の混乱が今後も財政規律をゆがめる可能性があり、綱渡りの財政運営を迫られそうだ。

■企業採算レート1ドル=104円74銭

 企業が利益を確保できる為替相場の上限を示す「採算レート」が1ドル=104円74銭であることが、内閣府が実施した企業行動に関するアンケート調査でわかった。

 

BACK   HOME   INDEX   NEXT