|

2008年8月20日号
内閣府が6日発表した6月の景気動向指数(速報)は、景気の現状を示す一致指数(CI、05年=100)が101.7となり、前月と比べて1.6ポイント悪化した。
基調判断を前月までの「局面変化」から「景気動向指数は悪化を示している」に下方修正した。
内閣府は「景気後退局面にある可能性が高い」との見解を示し、02年2月から続いた戦後最長の景気拡大は今年1-3月までに途切れた可能性を示唆した。
政府は7日に公表した8月の月例経済報告で、政府の景気認識を示す基調判断を2か月ぶりに下方修正し、前月までの「足踏み状態」から「弱含んでいる」との表現に改めた。
基調判断は、前月までの「景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる」から「景気は、このところ弱含んでいる」との表現に下方修正された。基調判断で「弱含み」の表現を使うのは、01年5月以来、7年3か月ぶり。
5か月連続で、景気回復がほぼ横ばいとなる「踊り場状態」との判断を示していたが、与謝野経済財政相は記者会見で「踊り場状態から曲調が変化した」と述べ、従来の判断を撤回した。経財相はこれまで「去年の暮れくらいから、後退局面が始まっていた可能性がある」としており、昨年末ごろには後退局面入りしていた可能性が高い。
景気回復の始まりと終わりの時期については、有識者らで作る政府の景気動向指数研究会が半年〜1年後に正式に判断する。昨年末としても、回復局面は70か月前後続いたことになり、57か月のいざなぎ景気を抜いて戦後最長の回復期となることは確実。
内閣府が発表した2008年4-6月期実質国内総生産(GDP)は、前期比マイナス0.6%、年率換算でマイナス2.4%と、07年4-6月期以来4四半期ぶりのマイナス成長となった。マイナス幅は、今景気拡大局面が始まる以前の01年7-9月期(前期比マイナス1.1%)以来の大幅減となった。
結果、02年2月以降、輸出主導で続いてきた景気拡大が終わったことを示唆し、市場関係者は「景気後退局面入りと整合的なマイナス成長」と評価。内閣府も「景気は後退局面入りした可能性がある」と認めた。
GDPの5割以上を占める個人消費の数値である民間最終消費支出は、外食、電話・電報、灯油、電気代金、菓子が押し下げに寄与し、前期比マイナス0.5%と7四半期ぶりに低下に転じた。住宅投資は前期比マイナス3.4%と2四半期ぶりにマイナス。設備投資も前期比マイナス0.2%と2四半期連続で低下するなど、内需の主要項目が軒並み低下した。
さらに、米経済の停滞と、08年4-6月期のユーロ圏15か国のGDPの実質成長率は前期(同1-3月期)比0.2%減、年率換算で0.8%減と95年以来、初めてのマイナス成長など、海外でもマイナス成長を記録する国が続出。このため、7-9月期も日本経済は停滞し「実質GDPは前期比ゼロ成長が続く」との慎重な見方が出てきた。
日本銀行は、金融政策決定会合を開き、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の年0.5%に据え置くことを政策委員(総裁と副総裁1人、審議委員5人の計7人)の全員一致で決めた。
政策金利の現状維持は、消費者物価の上昇が続いていることから、経済情勢と物価動向の両方を引き続き見極める必要があるとの意見が大勢を占めたようだ。
景気判断については、前回7月会合の「さらに減速」から「停滞」へと、2か月連続で下方修正した。これで日銀も、景気拡大期の終わりを追認したこととなる。
「停滞」との判断は、金融システム不安が高まった1998年前半以来、約10年ぶりで、1997年12月−98年5月の景気後退期に日銀が使った表現。そのすぐ後、同6月から景気判断を「悪化」に切り替えた。
白川方明日銀総裁は記者会見で、決定会合で消費者物価(生鮮食品を除く)が対前年比で2%近く上昇している点を指摘し、物価の上振れリスクに警戒感を示したこと、
世界経済減速の影響で企業生産が落ち込み、経済のけん引役が見当たらなくなったことなどから、景気が緩やかな成長軌道に戻る時期について「足元が停滞している分だけ先ずれしている」との厳しい見方を示した。
ただ、白川総裁は日本経済の現状に関して「設備や雇用に調整圧力を抱えていない」と指摘し97-98年当時との違いを強調。そのうえで「景気が大きく落ち込む可能性は小さい」との認識を示し「次第に緩やかな成長経路に戻る」との先行き予想に変更の必要はないとした。
決算を発表した地銀・第二地銀108行の今年4-6月の不良債権の処分損は、前年同期比665億円増の1488億円と、8割拡大したことがわかった。これは、貸出先の企業の倒産や業績不振によって資金が返済されないことなどで増加した。
一方、大手11行の処理損も同比6割強増え、2341億円に達した。全国の企業倒産件数は7月以降も高水準で推移していて、8月に入って不動産業のアーバンコーポレイションが2558億円もの負債を抱えて民事再生法の適用を申請し、同社向け債権の回収不能を公表する金融機関が相次いでいる。
茂木敏充金融担当相は記者会見で、大手銀行と地方銀行の不良債権処理損失が前年同期(2300億円)に比べて約7割増えて約3830億円に上ったことを明らかにした。
景気の停滞で幅広い業種で業績が悪化。特に地銀は取引先の建設・不動産業の倒産が相次ぎ、処理損失が倍増した。銀行がリスク管理のために融資に慎重になれば、景気を一層、冷やす要因になる。
財務省が発表した7月末の外貨準備高は、前月末比31億0900万ドル増の1兆0046億5800万ドルとなり、2か月連続で増加した。
景気の先行き不安に伴う金利低下で、保有する米国債などの債券価格が上昇したため。1兆ドル台となったのも2か月連続で、過去3番目の高水準だった。

2008年8月5日号
総務省が発表した6月の全国消費者物価指数(05年=100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合で102.0と、前年同月比1.9%上昇し、9か月連続プラスとなった。
上昇幅は消費税増税など特殊事情があった時期を除くと、平成4年12月以来、15年6か月ぶりの高い水準となった。
品目別では、ガソリンが24.2%、灯油は42.2%も値上がりした。全体の上昇率1.9%のうち、石油製品や電気・ガス代など、エネルギー関連品目だけで1.1%分押し上げた。食料品はスパゲティ33.2%、チーズ27.3%、チョコレート22.8%、即席めん21.4%、食パン18.5%と、それぞれ上昇し、生鮮食品を除く食料品だけでも、全体の0.8%分を押し上げた。
7月は電気料金の引き上げなどで、上昇幅が2%を突破するのは、ほぼ確実とされる。家計への負担増が加速することから、さらなる個人消費減速が懸念される。
日本経団連は、今夏の大手企業のボーナス(賞与・一時金)集計結果を発表した。平均妥結額は昨夏比0.08%減の90万9519円で、2002年夏以来6年ぶりのマイナスとなった。内訳は、製造業平均は0.2%増の93万2782円と前年を上回ったものの、非製造業が1.51%減の84万98円と落ち込んだ。
製造業では平均額でトップの自動車が0.9%減の105万4854円、2位の鉄鋼が5.02%減の104万4674円と大台を超えたが、伸び率ではマイナスとなった。薄型テレビなどの需要を反映し電機は5.53%増の83万7497円と大きく伸びた。造船は4.49%増の83万4640円、紙・パルプは4.20%増の74万1917円など、伸び率をけんいんした。
非製造業では、燃料価格の高騰や新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の停止により業績不振となった電力が落ち込んだほか、鉄道などのマイナスが平均を押し下げた。
(調査は日本経団連が従業員500人以上、または1部上場の21業種、263社を対象に実施。173社から回答を得た)
東京電力は、原油価格の高騰による燃料費の負担増などから09年3月期連結決算で、経常赤字が4250億円(前年同期は331億円の黒字)となり、創業以来最大の赤字幅に達する見通しであることを明らかにした。最終(当期)赤字も2800億円で、2期連続の赤字になると見込んだ。
東電は、昨年の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所が停止したことを受けて、割高な火力発電の代替稼働を実施し、燃料価格の高騰の影響を受けやすい収支構造となった。原発停止に伴う燃料費などの負担増(単体)は通期で7480億円に達する。
東京電力は電力料金改定について、経営努力などによって年内の料金は据え置くが、現行の原油高が続けば、来年1月から標準家庭の月額料金を800円程度12%値上げするという。800円の値上げ幅は、燃料費の変動を自動的に料金に反映する燃料費調整制度に基づくが、1996年の同制度導入後では過去最大の上げ幅となる。
福田首相は1日、内閣改造と自民党役員人事を行い、福田改造内閣がスタートした。
党役員人事では、党幹事長に麻生太郎、政調会長に無派閥の保利耕輔、総務会長に党内第2派閥津島派の笹川尭衆院議院運営委員長を起用、古賀誠選対委員長、大島理森国会対策委員長、細田博之幹事長代理は留任した。
閣僚では、与謝野馨・前官房長官を経済財政相に、伊吹文明氏を党幹事長から財務相に、国土交通相に谷垣禎一・前政調会長を起用するなど、財政再建重視型の人材をあてた。また、経済産業相に二階俊博・前総務会長、法相には保岡興治・元法相を再登板させ、公明党からは斉藤鉄夫同党政調会長を環境相として起用した。
17閣僚のうち13閣僚を入れ替える大幅改造となったが、町村官房長官、高村外相、舛添厚生労働相、増田総務相の主要閣僚は留任させた。
初入閣は、防衛相に林芳正参院議員、少子化・拉致問題相に中山恭子首相補佐官など5人、女性は、消費者相として野田聖子・元郵政相が再入閣して2人となった。
自民党の8派閥中、6派閥の派閥領袖クラスを閣僚や党四役に取り込み、8派閥のすべてが閣僚ポストを確保した。そのうえ、郵政民営化に反対した造反組から、保利、野田両氏を登用して挙党態勢を構築した。
首相は同日夜、首相官邸で記者会見し、改造内閣を「安心実現内閣」と表明した。
福田康夫首相は4日午前、首相官邸に与謝野馨経済財政担当相を呼び、原油高騰に伴う物価高などに対する総合的な経済対策を週内にまとめるよう指示した。
物価高騰などに対する国民の不安・不満を早期に解消し、景気への懸念を払しょくするための「政策パッケージ」作りで、原油高に苦しむ中小企業や農林水産業への支援策拡充、省エネルギーや新エネルギーの促進策などが盛り込まれる見通しだ。
留意点として、☆国民が効果を一日も早く実感できる対策☆ばらまきや一時しのぎの内容にはしない☆財政健全化路線を堅持し、行政の支出を総点検する「無駄ゼロ」の取り組みや特別会計のあり方の見直しも同時に進める、など3点を挙げた。
財務省は、全国財務局長会議を開き、4-6月期の地域経済の概況について報告を受けた。米国景気の後退に伴う輸出の鈍化や原油・食料品高騰を背景に企業収益や個人消費が悪化した影響で、11地域のうち、北海道、国内の新車販売が低迷した東海、雇用情勢に厳しさが見られた近畿、中国、福岡の5地域が景気判断を下方修正。うち東海、中国は2・四半期連続で引き下げた。
項目別では、8地域が個人消費の情勢判断を下方修正したほか、雇用は「厳しさがみられる」とした5地域で表現を弱めた。都道府県ごとの経済情勢は、下方修正が35都道府県に達し、過去最高だった16年10-12月の26都道府県を上回った。
全国の総括判断は「足踏み状態」との認識は変えなかったが、「一部の地域に弱い動きがみられる」との表現を加え、2・四半期連続で下方修正した。

|