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2008年9月20日号

■異例・米政府系住宅金融2社公的資金注入

 米政府は、政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に対する公的資金注入と合わせ、両社が発行する住宅ローン担保証券(MBS)を今月後半から直後買い取る。
 公的資金を使った優先株の買い取りに関しては、2社に対して1000億ドルずつ、合計2000億ドル(約21兆6000億円)の買い取り枠を設定した。
 具体的には、両社の経営トップが退任し、連邦住宅金融局(FHFA)が新たな経営者を指名し、公的管理下で経営再建を目指す。公的資金については、優先株買い取りによる注入枠を整備する。当面、2社からそれぞれ10億ドル(約1080億円)ずつ、計20億ドルの優先株を公的資金で買い取る。2社が発行する住宅ローン担保証券を政府が買い取り、住宅市場の安定化を図る。経営責任とともに株主責任も徹底し、優先株の配当は無配とする。

■NYダウ欧州株急反発住宅金融救済策で

 8日のニューヨーク株式市場は、米政府系住宅金融2社の救済策を受けて金融市場の安定への期待感などから急伸し、ダウ平均株価(30種)は前週末比289.78ドル高の1万1510.74ドルで取引を終えた。ナスダック総合指数終値も同13.88高騰した。
 一方、8日、英ロンドン市場は前週末終値比199.8ポイント(3.8%)高の5440.5まで上伸。仏CAC40種指数は5.1%、独株式主要30銘柄指数(DAX)も3.7%一時、それぞれ上昇した。

■リーマン破産法適用申請・米政府支援せず

 米証券4位のリーマン・ブラザーズ(9.11同時テロ事件でNY本社ビル被害・ライブドア株大量引き受け社)は15日、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請すると発表した。
 米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き危機に伴う信用不安などの影響で、同社は2・四半期連続で大幅赤字を計上、株価も45%急落して、経営破はたんに追い込まれた。売却や分離など経営改革再建策の発表、韓国金融機関との増資交渉、バンカメや英金融大手バークレイズによる買収救済策など、いずれも合意に至らず、破産法申請に追い込まれた。
 米政府、連邦準備制度理事会(FRB)は12日以降、欧米の主要金融機関をNY連銀に集め、救済策を早急にまとめるよう要請。米大手銀バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)や英金融大手バークレイズなど複数の金融機関によるリーマン買収の可能性を探ったが、民間金融機関が求めた公的資金投入を政府側が拒否した。

■メリルリンチはバンカメに身売りで存続

 米銀2位のバンク・オブ・アメリカは15日、米証券大手メリルリンチを500億ドル(約5兆3000億円)相当の株式交換により買収すると発表した。メリル株1株に対し、バンカメは自社株を0.8595株割り当てる。買収完了後のバンカメの顧客預かり資産は2.5兆ドル(約260兆円)となり、シティグループを抜き米金融最大手となる。

■米リーマン破たん・世界同時株安進行

 米証券4位のリーマン・ブラザーズの経営破たんを受け15日のNY市場は、ダウ平均株価(30種)が前週末比504.48ドル安の1万917.51ドルと、約2年2か月ぶりの安値で取引を終えた。下げ幅は01年9月の米同時テロ以来となる。
 16日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)の終値は、前週末比605円4銭安の1万1609円72銭で、3月17日につけた年初来最安値(1万1787円51銭)を下回った。東証株価指数(TOPIX)も同59.63ポイント低い1117.57で、今年最低だった。東証1部の出来高は約26億600万株だった。
 16日の中国・上海株式市場では、上海総合株価指数の終値は前週末比4.47%安の1986.64と06年11月以来、2000を割り込んだ。昨年秋の最高値6024から1年弱で3分の1以下に落ち込んだ。
 16日朝方の欧州株式市場は、米金融セクターの混乱が引き続き嫌気され、早くも、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG.N)の債務格付けが引き下げられたことを受けて、保険株が売り込まれた。FTSEユーロファースト300種指数は1.7%下落。欧州保険株指数は2.7%下落した。

■日米欧中央銀行・市場に巨額資金供給

 米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破はたんを受け、日米欧の中央銀行は相次いで市場への大量の資金供給に踏み切った。
 ニューヨーク連銀は金融機関が資金を融通しあう短期金融市場に、01年9月14日以来最大の規模となる総額700億ドル(約7兆3500億円)を供給した。また、米シティグループなど欧米の金融大手10社は、市場の混乱に備えて、共同出資による計700億ドル(約7兆4000億円)の基金を設立すると発表。
 欧州中央銀行(ECB)は15日、短期金融市場に300億ユーロ(約4兆5000億円)を供給。資金供給に51の金融機関が殺到、応募額は計902億7000万ユーロに達した。
 日銀は16日、金融機関が資金を貸し借りする短期金融市場に午前と午後合わせて総額2兆5000億円、翌17日2回にわたり計3兆円、続く18日にも2回にわたり計2兆5000億円、19日朝2兆円の資金を供給、4日連続で総額10兆円に達した。
 さらに、日米欧の6中央銀行は18日、リーマン破たんで受けた金融市場の混乱を収束するため、総額2470億ドル(約26兆円)のドル資金を協調で市場供給する。

■9兆円融資・株取得AIG政府実質管理に

 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、経営不振の米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対し、同社資産を担保に最大850億ドル(約9兆円)を融資すると発表した。
 見返りに米政府は、同社株式の79.9%の取得権を獲得し、AIGは実質上、政府管理の下で再建を図る。米財務省は、FRBを支援するため、臨時に短期国債を発行する。35日物のつなぎ国債(CMB)を400億ドル発行し、調達した資金はFRBの流動性供給原資に充当する。融資期間は24か月。一部子会社の株を含むAIGの資産を担保に取る。
 返済資金は資産売却で捻出する見込み。今回の救済に伴い、同社の経営陣は退任する。後任に米保険大手オールステートの元CEOエドワード・リディ氏が就く見通し。
 FRBは「無秩序な破たんは金融市場の不安定さを一段と増幅させる」と指摘した。

 

2008年9月5日号

■総合経済対策11兆円規模定額減税も実施

 政府・与党は、物価高や景気低迷などに対応する総合経済対策「安心実現のための緊急総合対策」を決定した。事業規模は総額11兆7000億円、対策に必要な費用は国費ベースで2兆円となる見込みだ。
 個別の事業規模は、◎後期高齢者医療制度の改善など高齢者支援が4000億円◎学校耐震化や、家庭や企業、公共施設への省エネ・新エネ技術の導入加速が1兆9000億円◎中小企業資金繰り対策の拡充が9兆1000億円◎公明党が求めていた所得税と住民税の「定額減税」を2008年度中に1年限りの措置として実施する◎減税の恩恵を受けられない老齢福祉年金の受給者などを対象に一定額の資金を給付する「臨時福祉特別給付金」についても、単年度措置としたうえで08年度内に実施する方針を明記した。そのほか、◎高速道路料金の引き下げ◎輸入小麦価格の引き上げ幅の圧縮。などが盛り込まれた。
 対策に必要な費用のうち、1.8兆円分を補正予算で手当てし、残りは08年度当初予算を前倒しして対応する。福田首相は、補正予算の財源について「赤字国債の発行は行わない」と述べた。これを受け、財務省は予備費や建設国債の発行などを検討する。

■消費者物価指数2.4%上昇16年ぶり高水準

 総務省が発表した7月の全国の消費者物価指数(05年=100、生鮮食品を除く総合)は102.4となり、前年同月比2.4%上昇した。石油製品や食料品の値上がりが主な要因で、10か月連続の上昇となり、上昇率は6月の1.9%から急拡大した。上昇率は消費税率引き上げでかさ上げされた時期(97年4月-98年3月)を除けば、92年6月の2.5%以来、約16年ぶりの高さとなる。
 品目別では、ガソリンや灯油、電気・ガス代を含むエネルギーが17.4%上昇し、全体を約1.38%分押し上げた。ガソリン単体では28.7%上昇、灯油は53.2%上がった。
 また小麦高騰を受け、スパゲティが32.0%、食パンや即席めんなどが軒並み上がり、生鮮食品を除く食料は3.8%上昇、全体を0.83%分押し上げた。加えて、燃料費上昇分を転嫁する燃油サーチャージの影響で航空運賃、海外パック旅行なども上がった。
 一方、東京都区部の8月の消費者物価指数(中旬速報値)は前年同月比1.5%の上昇。原油先物価格が下落し、ガソリン小売価格が前月からほぼ横ばいだったため、7月の1.6%から縮小した。
 総務省は、今後もガソリン価格の横ばい傾向が続けば、消費者物価の上昇率の急拡大に歯止めがかかり、秋口以降は縮小する可能性があるとみている。

■世界の貧困層14億人1.4倍に増加・世銀

 世界銀行は、2005年時点で開発途上国人口の4人に1人に当たる14億人が貧困層として暮らしている。との推計を発表した。
 最新の経済データに基づく貧困層基準の見直しを受けたもので、04年時点で9億8500万人とみられていた貧困層は約1.4倍増加した。世銀はこれまで1日1ドル未満の生活を貧困層と定義してきた。しかし、05年の購買力平価データに基づきこれを17年ぶりに改定し同1.25ドルとして、貧困層人口を推計し直した。

■選挙は消費税上げ・年金増額・個人減税で

 福田康夫首相は1日午後9時半から、首相官邸で緊急記者会見を行い、退陣する意向を明らかにした。辞任を決断した理由について「新しい布陣のもとに政策の実現を図っていかなければならないと判断し、辞任を決断した」とした。
 緊急経済対策として、経済界からも好評だった総合経済対策が先月末に策定され、臨時国会で短期決着を試みた。しかし、今や政治テロ化集団に変幻した野党第1党の民主党は、立法府の委員会を、政治スキャンダル・行政機関のアラ探し、果ては、議員の失言狩りなど、まるで検察庁の出先機関のように、検察の手助けに終始して、正義の味方ぶりを強調。その一方、本職責である立法の政策論議は、拒否する姿勢をくずさず、法案提出、審議日程を決するテーブルにもつこうとしない。
 開催委員会審議では、関連事項外の問題を持ち出し、時間を食いつぶして、本題審議をさせない。これは民主党の支援団体である自治労(中央官庁や社保庁)仕込のサボタージュ作戦で、時間切れ強行採決を演じさせて、国民やマスコミに、政府与党の評判イメージを下げさせるなど、総選挙対策に利用することに専念している。
 新布陣構築には、これら無為・無策・政権担当能力なしの民主党の雑音攻勢にまどわされることなく、現況を直視すべきだ。世界一体化した政治危機、経済危機が到来しているこの時期に、日本防衛、日本再建を第一義に考え、新しい体制で、国民が納得する政策実現内閣を作り上げることを政府与党に期待したい。
 内政では、消費税をアップして、国民年金の受け取り額を月10万以上にする。個人が払う税のうち、車両関係、住宅建設関連の大幅減税を打ち出す。輸入外国農産物へのばか高い関税撤廃を表明する。など、可処分所得を増やす政策をとるべきだ。
 国民が描く夢、「買いもの」を楽しみ、豊かな気持ちで暮らせる日本にしてほしい。

■自民党総裁選10日告示22日投開票

 自民党は、総裁選挙管理委員会を開き、辞任を表明した福田首相の後継を選ぶ自民党総裁選を10日告示、22日投開票の日程で行うことを決めた。
 自民党総裁選は国会議員387人(衆院304人、参院83人)各1票、都道府県連各3票の計528票で争われる。総務会で総裁選日程を正式決定した。立候補届は10日午前11時から30分間、党本部で受け付けられ、22日の両院議員総会で、衆参両院議員と都道府県連代表の投票で新総裁を選出する運びだ。

■ES細胞遺伝子操作自在にiPS細胞応用可

 埼玉医科大学と京都大学は代表的な万能細胞である「ヒト笂(はい)性幹細胞(ES細胞)」の遺伝子を自在に操作できる基本技術を開発した。この技術を使うと100%近い確率でES細胞から心臓や神経の細胞など望む細胞生成の可能性がみえてくる。
 新技術は、三谷教授が開発した、安全性の高い改良型アデノウイルスベクター(ベクターは「運び屋」)を使って遺伝子を狙った場所に運ぶ。遺伝子を入れる場合、従来のベクターでは1割程度しか狙った機能が現れなかったが、改良型では、ほぼ100%その機能を発揮した。遺伝子を組み込む場合も、一般的だった電気を使う方法に比べて成功率が約50倍になった。
 ES細胞と同様に様々な細胞を作れるとされる新型万能細胞(iPS細胞)にも応用可能とみられ、再生医療や新薬の開発に役立つという。

 

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